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ハードサイダー🥂CRAZY CIDER |CRAZY DAYS |平川

青森県から世界へ

1953年、青森県弘前市の吉井酒造はりんご産業の活性化を目指し、シードル事業を開始しました。これは、加工にも適さず廃棄されていた100トン以上のりんごを有効活用する方法として期待されました。
1956年に販売が開始された朝日シードルは、現存するシードルの中で最も長い歴史を持ち、ニッカウヰスキー株式会社が後を継いだものの、りんごのお酒は生まれては消え、なかなか定着せず、シードルの泡の数だけ苦労があったとされています。
そして、現在、健康志向やライフスタイルの変化により都心部を中心に活況を呈しています。
時代がやっと追いついてきたのかもしれません。

青森県は、日本で最もりんごの生産が盛んな地域(全国約60%シェア)、約43万tのりんご収穫量を誇ります。
そして、シードル製造の発祥地でもあります。

2014年、青森県平川市にあるタグボート株式会社は
津軽おのえ温泉の日帰り宿「福家」の経営が始まり、当初は事業が順調でしたが、新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けました。この状況を乗り越えるため、青森県の事業者として、
“果実の新しいカルチャーを発信したい。”と、りんごを使った果実酒造りに着手することにしました。

2022年、タグボート株式会社は醸造を開始しました。

タグボート株式会社が運営している津軽おのえ温泉 日帰り宿 福家


彼らが醸造するのはリンゴを原料とした発泡性アルコール飲料で、ここではシードルではなくハードサイダーと呼んでいます。
昨年、新しい蒸留器が増設されたホットな醸造所を訪れました。

アメリカでは「サイダー」はノンアルコールのアップルジュースを意味し、「ハードサイダー」がシードルを指す名称。

【CRAZY CIDER外観】津軽おのえ温泉 日帰り宿 福家の隣に醸造所があります。
ロゴは、この窓から見える岩木山とリンゴ畑をモチーフにしています。
左からCRAZY CIDER SWEET 、DRY 、CASSIS

1番人気のCRAZY CIDER DRYは青森県特産品コンクール2022にて「青森県知事賞」を受賞。加熱処理は行わず,細やかな泡立ちと滑らかに広がるりんごの果実感とスッキリとした味わい。
ボトルも330mlの茶瓶でアメリカのカジュアルなビアスタイルをイメージさせてくれます。

あの左奥に見えるのが・・
ドイツ製のポットスチル。
最近、磨いたらすごく綺麗になったというポットスチルはメタリックで男前。

2023年には、蒸留酒免許がおり、蒸留をスタート。
クラウドファンディングで多くの支援と注目を浴びデビューした
CRAZY DAYS」アルコール度数40度のアップルブランデー。
流れ出る液体からは、りんごの華やかな香りが漂っていました。

蒸留器から出る液体を「ヘッド、ハート、テイルの順に分け、中心部のハートのみを使用する」と教えていただきました。
ブクブク.。o○と泡立ち蒸留中
初めて蒸留している瞬間に立ち会えて興奮。
55ℓのフレンチオークの新樽で熟成されたブランデーのテイスティングを体験。
鼻にぬけるりんごの香りと味わいの力強いさと奥行きを感じる、これからどう円熟していくのか楽しみ。
【火入れ】温泉施設でも採用しているミスト(70℃)で火入れ。
二次発酵はカーボネーション方式。
醸造責任者の佐野さん。
新しいプロダクトや
酵母について詳しく聞かせていただきました。


今後リリース予定のポム・ド・イブ用のリンゴ。瓶にリンゴを入れる作業はなかなか難しいそうです。
品種はふじ。

温泉と醸造所は全く異なる事業と思っていましたが、火入れや熱交換などのプロセスで実は多くの共通点が存在し、それらが相乗効果を生むことが見学で理解できました。

私たちの温泉を訪れるお客様には、「ハードサイダー」や「アップルブランデー」の原料となるりんご農家の方々も多くいらっしゃいます。という。

平川市にある唯一の醸造所は心を満たすドリンクを造り、温泉施設として心身を癒す空間を提供し、宴会施設で行われるイベントが、地域創生に寄与して「三方よし」が息づいています。

県内のシードル市場において差別化された細やかな泡立ちと爽快感の「CRAZY CIDER」と
エレガンスでありピュアで爽やかなりんごの蜜を鼻と舌、喉で感じる「CRAZY DAYS」
青森から世界へ。
【Love a Life,  Love a Moment. 】


あとがき


ウイスキーが樽の中でゆっくりと熟成(樽材の気穴を通じて酸素を取り入れ、緩慢に酸化すると同時に、微量に樽材の成分も吸収し取り入れます。)その際に、少量のウイスキーが蒸発して樽を通して大気中に排出されることを
エンジェルシェア(天使のわけまえ)といいます。


「これから減っていくんですよね?」と質問をしてみました。

『どうでしょう、まだ始めたばかりで分かりませんが
ちょっとずつ減っているのは、もしかすると自分たちの味見かもしれません。』
と笑っていましたが、
あの、アップルブランデーが近くで寝ているのであれば
誰しもが、変化が気になるところ。

澄みきった何の色も持たない液体は、そっとその時を待っています。


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