透析クリニックにて②
看護助手のシフトは日勤と準夜勤の2パターンで、日勤は朝8時ごろから15時30分まで、準夜勤は15時30分から23時15分まで。私は準夜勤。
日勤には空きがなく、準夜勤ならということでこの時間に入ることにした。こっちのほうが時給も良かったし。
曜日は固定で、月水金と火木土。土曜日は日勤のみなので、週3日入りたかった私は月水金を希望。
低血圧で朝の弱い私にとって、午後からの勤務は都合がよく、家の用事を片付けてから仕事に出られるのがありがたかった。
ただ、仕事終わりが23時過ぎるので、帰りに買い物ができない。クリニックの隣に、23時まで開いてる業務スーパーがあるのに、閉店後で寄れないのがメッチャ悔しかった。
いつも横目で恨めしく眺めながら、家路についていたことを思い出した。
日勤は3人、準夜勤はふたりで勤務する。月水金はベテランのオネエサマふたりと真面目で気の弱そうな若い人とのトリオ。彼女たちから引き継いで私ともうひとりが入るので、毎回顔を合わせる。
オネエサマのうちのひとりがマダム感あるお局様。もうひとりは太鼓持ち気質。若い人はオネエサマふたりに挟まれて窮屈そう。なんだか気の毒。
私ともうひとりが同じ時期に入った新人なので、至らないことも多い。
最初は、ベテランでここの職員にも患者さんにもすこぶる評判の良い、スーパー看護助手のSさんが付いていたので問題はなかったが、
ふたりだけになったときから、マダムのお手紙攻撃が始まった。
今考えると、ある意味有り難いことだったのかもしれないとは思うんだけど、当時はイヤでイヤで仕方がなかった。
やることが多くて、何時までにこれやってあれやってしなくちゃいけない仕事。新人なんだから抜けがあるのは当たり前。
それをわざわざ、毎回お手紙に書いてくださらなくて結構ですって思ってた。
相方はこれをラブレターと呼んでいたが(笑)私はとてもそんなふうに捉えることができなくて、いちいちムカついていた。
それは、単に仕事の抜けや間違いを指摘しているだけではなく、私達が教わったやり方とあきらかに違う方法を指示してくることがあったからでもある。
Sさんにそれを伝えると、マダムと交渉してくれて、今まで通りになったから良かったけど、こういうマイルールを押し付けられてはたまったもんじゃない。
何でもハイハイ言うこと聞くと思うなよ〜、私も相方もそんなに大人しく無いんだから。
そうこうしているうちに、こちらも仕事に慣れてきて、指摘されることも少なくなってきた。そうなるともう、マダムも怖くもなんともなくなった。ま、そんなもんなんだろう。