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穏やかなヤンキー
この前、いつも一緒に働いている先輩の私服姿を見てドキッとしてしまった。
もちろん、男性だ。
伊良部島では「兄貴」や「目上の男性」を「アザ」と呼ぶので、本文では敬意を込めてその先輩のことを「アザ」と呼ぶ。
普段は作業着を着て、汗だくで泥まみれオイルまみれで働くアザ。穏やかで優しくて、何よりも仕事に対して真摯であり、心から尊敬している男の1人だ。
そのアザがジーンズにポロシャツ姿で訪ねて来てくれた。
公私で言うと半々くらいの用事で、報告というか配慮というか、何はともあれ仕事の日ではない日にアザの姿を見た。
いつもと変わらない笑顔で話しかけてくれたアザは、その格好も助けてか、いつにも増して穏やかに写った。
なんか、めちゃくちゃカッコよかった。
これがいわゆる、オンとオフのギャップなんだろうか。
真摯に取り組む際に見せる鋭い眼光と、その直後に見せる屈託のない笑顔。それが日頃より大きめのスパンで現れた。
別に初めての出来事ではない。
今までもその格好を目にしたことはあったし、100%プライベートで会ったこともある。
なぜ、この時ばかりが特別だったのか?
おそらく特別の理由は、その時のアザの表情やその奥にある感情だったと考えている。
リラックスなんて横文字では片付けられないほどの安堵感と安心感。何処に対しても敵意がないような無防備さ。それでいて、達成感や自身が行ったことへの自信や信頼感から湧き出るはずの「強さ」が滲み出ていた。
僕はこの「強さ」に憧れがあるみたいだ。
向かってくる恐れを跳ね除けるような、攻撃するタイプの守備力ではない。何が向かってきても受け入れるし受け止めるがそのことで自身が崩れることはないという、攻撃しないタイプの守備力だ。
求める強さはそれかもしれない。
その強さを感じたから、アザにドキッとしてしまったのかもしれない。
恐れを跳ね除ける必要があるシーンもきっとあるはずだか、そんなシーンですら穏やかに笑っていられるよう、普段から攻撃しない守備力を高めておこうとか。そんなことを考えている。
そういえば現実でも漫画でも、穏やかなヤンキーが好きだ。結局強いんだもん。
2024/06/11
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