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タイヤ加工の精度を出す!前編

【はじめに】


皆さんこんばんは。現場猫で学ぶミニ四駆チャンネル管理人?のミヤです。
今回はタイヤの成形についてを書きました。私はどちらかというとフラットメインなので超大径が前提になります。考え方は小径だろうが超大径だろうが、求められるものは同じなので参考になれば幸いです。

【タイヤに求められるもの】


駆動系の効率化と車体の軽量化が進んだ現在、モーターのトルクには余裕があり、 速度重視のカツフラレースではタイヤの直径を規定ぎりぎりまで大きくした、 超大径と呼ばれるタイヤが主流になっています。ゴムタイヤを2重に重ねたものから始まって、軽量化のため、細く切って軽量化したものや、 スポンジの上にゴムを重ねたり、いろいろと工夫されているようです。ミニ四駆でタイヤに求められる性能をまとめると、こんなところでしょうか。

①真円度

いわずもがなですが、まずは丸いこと。 某大会では4輪とも±0.01mmまで合わせるのが当り前らしい。

②適度なグリップ

前後のグリップは加速を得るのに十分なグリップが必要ですが、左右へは可能な限り滑りやすいほうが良いです。 このため、材質の工夫で縦グリップを増やし、ラウンド加工など形状で横グリップを減らすのが常套手段となっています。

③軽さ

加速性能が向上するほか、慣性重量が減るのでLCを超えやすくなります。

④変形の少なさ

最高速度や、LCやウェーブの安定性に影響します。 速度と安定性を共に上げるという点で、実はとても重要だったりします。



【ホイールの選定】


①ホイール選択

使いたい径や形状のホイールを選びます。PPでも強化でもどちらでもよいです。軽さを求めるならPP、強度を求めるなら強化ホイールを選択しましょう。カーボン入り強化ホイールは販売されていた時期によってカーボン含有量などの配合比が違うので、微妙に硬さやホイール穴の大きさ・重量が違います。この辺は好みの問題ですが一応参考までに…

2000年代前半までのは現行品より柔らかいゾ!

②選別は必要?

これまで選別はしたことがないのですが、気にする人は気にするらしいです。私自身の解釈では、ホイール貫通がしっかりできていれば、修正が効くレベルに大体収まるので気にしたことがないです。そもそも大量生産の成形品な訳ですから歪んでいて当たり前だと思っています。そこを個人の加工スキルで精度を出すのもミニ四駆の醍醐味の一つだと思います。まぁめんどくさいですけどね…

【ホイールの貫通】


①下準備

私の場合は、ボール盤でΦ1.8mmのドリルで下穴をあけます。ドリル自体はホームセンターで売っているもので大丈夫です。ホイールの反対側(いわゆる逆挿しする方)から穴をあけます。このときの注意点は完全に貫通させる訳ではなく、ドリル先端が軽く出るくらいで止めます。ホイールの穴をライトで照らしながら見ると六角形になっていますがわかります。この部分は極力、ドリルで傷つけたくないので私はこのような形でやっています。

逆挿し側から穴あけ
よ~く見ると六角形になっている


②貫通治具

使用する治具はP!MODEL LABOさんから販売されているホイールシャフトブレードを使用します。

持っていない方はまとめ買い割引セールの時を狙いましょう。

まずあらかじめホイールに六角穴の頂点の所にマジックで印をつけます。次にシャフトブレードをボール盤に取り付け、シャフトブレードの六角の頂点とホイールの六角頂点を合わせます。このときホイールを軽くグリグリ回すと収まりが良い部分があります。その状態になったら躊躇わずに貫通させてください。

貫通が完了したら、リューターにセットして大きく振れていないか等を確認して、ある程度きれいに回っているか確認しましょう。


【ホイールの成形】


ミニ四駆のホイールはプラスチック成形品の為、きれいな真円ではありません。そして若干テーパーになっています。ですのでこれをきれいに整えていく面出し・真円出しの作業になります。これはタイヤを削ったときに部分的な偏りを押さえるための作業になります。

これは実車でもそうですがホイールバランスが崩れてしまうと、走行時にシミー現象が起きて振動が発生するなどのトラブルが起きます。ホイールバランスがずれているということは回転の中心と重心がずれるため、偏心回転を起こし振動が発生します。この偏心回転による振動をシミー現象といいます。

そのため加速性が悪いやトップスピードまで上がらないといった原因になります。これを抑えるためには実はとても重要な工程だったりします。ここがブレブレだと電池・モーター・駆動効率がどれだけ良かろうが路面に伝わらなければ意味がないわけです。

リューターで行う場合はフラット勢、御用達?リュータープロクソンNo.28400をおススメします。カーボン切ったりする分にはドリルチャック式の物でよいのですが、タイヤ成形する場合は軸ブレの小さいコレットチャック式を選択しましょう!あとトルクが太いので加工が楽になります。
以前はリューターで作っていたのですが、最近はえのもとタイヤセッターを改修して使用しています。




①タイヤセッター改修


まず一家に一台卓上旋盤を用意します

ない方は旋盤持ってる方に頼んでください。

次に旋盤で真鍮の穴をφ3mmで拡張します。シャフトブレードの軸が2.96mmで穴の方も2.96mm位になるのでシャフトブレードを紙やすりで研磨すると入りやすくなります。欠点はそのままでは止めネジが使えないことぐらいです。

そこでM6ナットの内径をφ6mmで削る。
φ2.5mmで下穴作り、M3mmでタップする
これでシャフトブレードが固定できる様になります。

②切削

後はバイトで削っていくだけです。コツとしてはバイトの先端がホイール面に軽く接触するまでバイトをくっつけます。このときに押し付けし過ぎないように注意してください。後はホイールを回転させながら横方向にスライドさせていくと削れて行きます。この作業を何回か行うと綺麗に仕上がります。リムがいらない人はリムも削ってください。私はリムを残す派です。

ホイールを正面から見ると微妙に凸凹になっているので、この凸凹を無くして、面を出していきます。

削る際は薄く削っていきます。ここで注意してもらいたいのは、削りすぎると強度が下がり、変形しやすくなります。ホイールのスポークが薄く見えるほど削ってはいけません(戒め


切削が完了したらリューターにセットして大きく振れていないか等を確認して、綺麗に回っているか確認しましょう。


後編へ続く↓


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