風景を切り取る。
はじめに
各バージョンの終わりに開催される、風景写真のコンテストが11月2日から開催されました。(記事投稿時点で応募受付は終了しています)
Ver.3の時から恒例となっている風景写真のコンテストで、今回は、Ver.6で訪れる天星郷と悪神の心域を中心とした新しいマップや新しく変更となった場所が撮影対象となります。
年末年始を挟むタイミングということもあってか、Ver.7の発売はもうしばらく先の来年の春ごろっぽいこともあり、正直写真コンテストは年末ごろだろう、と思っておりましたが、意表を突かれた11月の開催告知。
風景写真はあまり得意でなく、戸惑ったことも否めませんが、恒例のコンテストということもあり、いくつか目星をつけている場所がありました。
天星郷の場所は好きな場所が多く、Ver.6の間に開催されたマイコーデコレクションや写真コンテストなど、折に触れてフィールドを用いて写真を撮影していました。なので、そういう記憶の中のストックから、いくつかの場所を選んで撮影を行うことにした次第です。
今回の応募写真を撮影するにあたって、初めから決めていたことが1つありました。それは、『なるべく写真の中に自分の意図を差し挟まず、純粋な風景を切り取る』こと。自分が見た風景の時間や、きれいに写すことができる構図こそ選びますが、自分が写ったり、必要以上のエフェクトを加えたり、といった、カメラの機能以上に風景を装飾することは、なるべく避けたいと思ったのです。
例えば、上のケントくんの写真はミナデインの時に撮ったもので、今も気に入っている1枚です。これも、ある種「天星郷の冒険」という表現にはなっていると思うのですが、天星郷の魅力を伝えるにしては、ケントくんが主軸になりすぎているな、と。これは少し極端な例でしたが、こんな形で自分(自キャラ)が風景に干渉しない写真にしよう、と思ったわけです。
前回Ver.5の「魔界のフォトアルバム」の時は『魔界の人々が撮りたい』という考えから、いくつかの応募写真にはエキストラ協力をお願いして『自分の意図を明確にする』という試みをしておりました。(過去記事『魔界の人々と空』)
この時の写真とは全く逆の撮り方になるので、わりと自分の中では挑戦的なアプローチだったと思っています。
自分の嗜好にガッチリとはまっているのか、Ver.6の舞台、とりわけ天星郷はいずれの場所も魅力的に思えました。なので今回のコンテストで風景写真を撮るにあたり、自分が『その風景を選んだ』という意図以上のものを写真に含めないで、純粋に「好きだ」「印象に残っている」と思ったものを写真で伝えたい、という想いから、こういう挑戦をすることにしました。
いつものことですが、前段の話が長くなりましたので、ここから応募した写真のご紹介に移りたいと思います。以降、タイトルと一緒に記述している番号は、応募時のエントリーNo.になります。
No.3 古フォーリオン 遠景
シンメトリーを意識した建物や街並み、天使の翼を模した装飾、その何からなにまでが自分の好みである古フォーリオンの全景を写しました。
部分的に切り取るのではなく『天上の町』という夢のある景観そのものを紹介したくて、上空から町の全景が写るような構図にしています。マップで言うとA8の辺りで、できるだけ高い場所から撮影しました。
古フォーリオンの空は、明け方や夕暮れ時にとても幻想的な色合いとなります。この時間帯の町並みも素晴らしいのですが、写真の主体がフォーリオンでなくなってしまうかと思い、今回は日中の写真を選ぶことにしました。
No.5 黄金の試練場 - 雲上のファボル鉱山
PR文に書いたままなのですが、Ver.6の冒険当初に「ここは、空の上にある世界だ」ということを一番感じられたのが、この黄金の試練場でした。物語の冒頭ではまだ空を飛ぶことができませんでしたから、このファボル鉱山の入口の架け橋を自分の足で駆け抜けていましたね。
この時、橋の下から垣間見える雲海がとても印象に残っていました。というのも、その他の試練場や神都フォーリオンでも、雲を遠景に見ることはできていましたが、このファボル鉱山から見た雲海は、本当に自分の真下を流れているように思えるほど、他の場所よりも雲の近さを感じられたのです。
この時のことを思い出しまして、応募写真ではそびえ立つ鉱山と真下に流れる雲を意識した撮影を行っています。撮影しながら気がついたのですが、日の高さによってファボル鉱山の山肌が色を変えるのですね。空と黄金色の地面にばかり目が行っていましたが、思わぬ発見でした。
No.421 天涙の大水源 - 夕暮れ時
今回の激戦区になるだろうと思っていた天涙の大水源。スライドショーなどを拝見している限り、やはりたくさんの写真が応募されているようでしたが、それでも敢えて、自分もここの写真を撮りたいと思っていました。
初めて訪れたときには回廊の視野と足場の高低差から、方向音痴の自分は相当移動に苦戦していたのですけど、雨露の向こうに見える植物の彩りが美しい場所です。その足場と、名前に冠されている天の涙のような滝、そしてこの試練場を彩る植物が綺麗に収まる構図になる、撮影場所を選んでいます。
この場所は、上空から見てもとても綺麗なのですが、上空からの構図は先に撮影した2枚と被ってしまうのと、個人的にこの回廊が印象深かった(良くも悪くも。。。)こともあり、回廊がきちんと写る構図にしたかった、という思いがあります。
この場所で粘りながら色々な時間で撮影を行ったのですが、一番幻想的だった、夕暮れ時を応募写真にしました。
(なお、応募時には別のタイトルにしていましたが、タイトルの表現が写真とかみ合ってないと思ったので、訂正して再応募しています)
No.434 夕陽射す廊下 と 翳る肖像画
今回唯一、悪神の心域で撮影した応募写真です。物語の途中でこの場所を訪れたとき、一見静謐に整えられたただの廊下に見えるこの場所にえもいわれぬ不気味さを感じたことが、強く印象に残っていました。
撮影のために再訪した際、廊下の隅々を見ながら気づかされたことがありました。特に、東向きの窓から陽が射しているけれども、太陽が見えないことから「この日差しは、西日である(※)」という推測を立てられたことが、大きな発見だったと思います。
(※異空間上の場所であるため、確定ではありません)
東向きの窓から西日が射しているということは、この陽射しはこれ以上伸びることがありません。つまり、国の象徴である王と王妃が描かれた肖像画には既に陽射しが届かない状態になっており、照明のない廊下はこれから陽が沈むにつれて、暗い闇の中へと包まれていく状況にある、と判断できます。
これらが意図されたものだったのかはわかりませんが、これらの状況が、何か不吉な未来を予告しているようで、通りがかったときに感じた不気味さにつながったのかもしれない、と考えたのでした。
なお、この場所は一本道で、肖像画と陽射しが入る構図を選ぶ余地はありませんでした。
No.486 そろそろ休みたいエンペラーレグホン
どちらかというと「風景」より「光景」だから、応募要項に沿うものかなぁ。。。と思いつつ、気に入ってしまったので応募した1枚。
モンスターのエンペラーレグホンに焦点を当てたもので、今回の応募写真の中では趣向の違うものになったかと思います。
サポ遊び人のくちぶえで経験値を稼ぐフィールド狩りが主流だったVer.6.4までは、引き続き魔界でのレベル上げが中心だったように憶えています。そこにテコ入れが入ってから、注目されるようになったモンスターがこいつですね。昼夜問わずたくさんの冒険者がレベル上げのために訪問する、一大狩場となりました。
応募写真は、傾斜部分に占い師の「星」のタロットを配置して、その下から「星」の陣越しに眠ったエンペラーレグホンを撮影しています。
冒頭に書いた通り、今回の応募写真にエフェクトなどを足すつもりは無かったのですけど、星の陣の白いエフェクトがうまい具合にフィールドの赤みがかった色を飛ばしつつ、ばっちりとエンペラーレグホンをいい形で捉えてくれたので、このまま応募写真にすることにしました。偶然が重なって撮れた1枚なので、再撮してくれと言われても、多分無理ですね(笑)
No.653 天上の回廊
最後はフォーリオン外郭から、源世植物研究所へ続く道を撮影しました。「これから、この道を渡って奥の建物へ向かう」というイメージが湧きやすいに写真の下の方から中央の目的地に向かう構図にしています。
建物や道の装飾が綺麗に写る時間帯を選びつつ、目的地となる奥の建物が光の中で少しぼんやりとなった瞬間を狙いました。
フォーリオン外郭の写真を撮る際に、どうしても建造物や道の装飾を写真の中に納めたくて、色々な場面を模索したのですが、最終的には天星郷の冒険を想像させてくれる道の写真がいいかな、と。
ちなみに、上の写真は「何が主体なのか」を伝えきれないなぁ、と思って没にした写真ですが、フィルターなしでもこれだけ綺麗に写すことができたので、本当に撮影の余地が広い場所だな、と思ったのでした。
おわりに
振り返って思ったのですが、全体的に今回は「冒険の際に実際に通った道・場所」を意識した写真が多くなりましたね。画角、構図こそ冒険当時とは違いますが、当初の目標通り、自分が冒険当時に感じたものを、素直に写すことはできたのではないでしょうか。運営の方に評価していただける写真になったかはわかりませんが、そういう自分の想いが伝えられたら嬉しいな、と思います。
今回の写真コンテスト期間は、色々と重なって他の冒険者の皆様が応募された写真をゆっくり見ることができないでおりました。そのため、後追いでXでポストされた作品だったり、スライドショーに掲載された作品だったりを、後追いで拝見しております。一口に「風景写真」と言っても、その撮影方法は人それぞれで本当に面白いですね。まだまだ見れていない写真が沢山あると思いますので、引き続き応募された写真を楽しんで見ていきたいと思っています。