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瀬戸内の橋に響く鳴き竜・多々羅大橋
私の地元にあるしまなみ海道は、7つの橋により島々が繋がっています。
その内の因島大橋(いんのしまおおはし)について、以前記事にしました。
しまなみ海道の橋はそれぞれに面白い特徴があります。
今回はしまなみ海道の真ん中にある橋「多々羅大橋(たたらおおはし)」について紹介します。
多々羅大橋について
多々羅大橋は、広島県の生口島(いくちじま)と愛媛県の大三島(おおみしま)を繋ぐ、1999年の完成時・世界最長の斜張橋(しゃちょうきょう)です。
斜張橋とは、写真のように塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接繋ぎ支える構造のことを言います。
総工費は約1400億円だそうで、多々羅大橋完成時点で長さ世界2位であるノルマンディー橋(フランス)と姉妹橋関係にあります。
橋にも姉妹縁組の関係があるのには驚きました。
橋の長さは1480mで塔の高さは226m。
道路は海から40mの高さにあります。
確かに当時世界最長を誇るのも頷けるくらい大きいですね。
元々、しまなみ海道としてこの橋が計画された当初は、この海峡を斜張橋ではなく吊橋で渡るものとしていました。
これは幅が約900mもある多々羅海峡に橋をかける場合に、その当時は吊橋の方がよいと言われていたからでした。
しかし、吊橋を採用するとなると、その構造の特性によりケーブル固定装置を取り付ける必要があります。
橋の建設を計画していた場所は山が近くにあり、その山を大規模に削らないとケーブル固定装置が取り付けられないため、斜張橋を採用した歴史があるようです。
因みに、多々羅大橋はちょうど広島県と愛媛県の県境に位置します。
ですので橋には写真のように県境の印が示されています。
サイクリングなどで渡っている人も、ここだけは自転車を降りてラインをまたぐと面白いかもしれませんね。
多々羅鳴き竜現象
私が思う多々羅大橋の一番の特徴は多々羅鳴き竜ですね。
これは他の橋では見られなものだと思います。
皆さんは「鳴き竜」についてそもそも知っていますでしょうか。
多々羅鳴き竜は日光東照宮の鳴き竜に由来します。
日光東照宮の鳴き竜は動画を見た方が分かりやすいと思いますのでシェアしますね。
この鳴き竜と同じ現象が多々羅大橋でも体験できます。
これは、逆Y字型の塔の内側を音が反射し、共鳴することが原因だそうで、正確に造られた橋だからこそ起きるものですね。
実際の多々羅鳴き竜の動画もシェアします。
音が空に昇っていくように響いているのが分かります。
こちらは、歩道でのみ体験できるので、車ではなく自転車や徒歩で訪れて音を鳴らしてみてください。
私が多々羅大橋を利用したのは片手で数えられる程度ですが、橋の景色は今もなおはっきりと覚えています。
今思うと、橋の形に洗練された美しさを感じたのだと思います。
皆さんもこの特徴的な多々羅大橋に足を運んでみてはいかがでしょうか。