第二世代としての進化を遂げたNikon Z6IIとZ7II 実機使用レビュー
この度はNikon様からZ6IIとZ7IIの両機をお借りする機会をいただきレビューをさせていただくこととなりました。
Nikon様からお借りしているのでPR記事になりますが、なにも制約も無いですし自由にレビューしていきます。
気がつけば1.3万字のレビュー記事となってしまいました。
ちなみに今回SONY α7IIIとレンズ一式を完全に手放してZマウントへ総引っ越しを決めました。
メーカーにはそれぞれ特徴を持ち合わせておりますが、Nikonのカタログに載らない良さについて私から発信できればと思います。
株式会社ニコンの100年以上の歴史
株式会社ニコンの歴史について超ざっくり触れておきます。
なぜ質実剛健なカメラ作りをしているのか…日本の光学技術を構築してきたニコンの歴史について紹介します。
株式会社ニコンの創業は1917年、ニコンには100年以上もの歴史があります。
日本は第一次世界大戦の影響で光学兵器の入手が出来なくなり、三菱財閥が日本の光学メーカーを合併し後のNikonとなる日本光学工業株式会社ができました。
ドイツが降伏し失業した技術者が溢れドイツ人技術者を技術顧問として採用。さらに軍の光学工場が大震災により壊滅的な被害を受けたため光学兵器は日本光学工業に依存し技術と人材が充実することになりました。
銃や砲弾などあらゆる兵器に光学機器が搭載されていました。
この様に戦争と直結し共に技術と会社が成長していきました。
日本が敗戦し、ほぼ光学兵器で成長した日本光学工業は事業継続は不可能と判断。終戦直後には大規模な事業縮小をし、必要最小人数まで人員を削減しました。(この時の人員削減で光学技術者が独立し新たな光学メーカーやカメラメーカーが立ち上がりました。)
民間需要の商品へ(双眼鏡やカメラなど)の生産に方向転換を決め。光学メーカーとしてカメラメーカーとして再出発を果たしました。
こうして終戦後はカメラの生産を始め、Nikonの顔となるNikon Fといったカメラ製品の基盤となる商品が誕生しました。
参考
ニコン50年史
ニコンミュージアム
ニコンHP: https://www.nikon.co.jp/corporate/history/chronology/
株式会社 光ガラス HP
超ざっくりですが、歴史を生き抜いてきた会社の略歴は面白いですね。三菱系だったというのも知らない方も多そう。
三脚で有名なGITZOも100年の歴史があります。カメラ用の三脚を作り、機関銃の三脚を作ったり、一度会社を解散したりしています。
Nikonは命に関わる光学製品を作っていた歴史があります。
Nikonは光学技術が基盤にあり、レンズとカメラメーカーであります。ガラス材料から最終製品まで一貫して生産する珍しいメーカーでもあります。(Nikonが作ったレンズは他社の某カメラメーカーへもレンズを納入しています。)
日本のカメラメーカーでガラス溶解工場を自社で行なっているのはNikonとSIGMAのみだそうです。(確かにSIGMAも職人気質)
戦場という過酷な現場で使用される機器を作り続けてきた社風ということもあり、高品質、堅牢性重視のものづくりを貫き、今日の信頼を得ています。
Nikonの重視しているコンセプトはカタログスペックや数字には表現できない機能となっており、使えば使うほど良さのわかるデザインをしています。
Nikonのカメラは世界的に評価され、NASAへもカメラを納品し、1日に地球を16周しているISS(国際宇宙ステーション)ではNikon D5が使用されています。
宇宙線はセンサーなどの半導体を貫き破壊してしまいます。国際宇宙ステーションのISSではセンサーが被爆して半年から1年で破損してしまうそうです。
そのような過酷な環境下でもNikonの堅牢性が評価されて使われています。
Nikon Zシリーズとは
そもそもNikon Zとは…?
改めて説明すると下記の技術記事が面白いです。
読む時間が無い方にむけてざっくりと説明すると…
光学性能を最優先に考えた結果、内径55mmフランジバック16mmに行き着きZマウントを設計。レンズの設計自由度が格段に高まり新次元のレンズを可能とした。究極という意味を込めて「Zマウント」と命名。
光学性能を最優先に設計しつつ、堅牢性や操作性に至るまで蓄積してきた経験を妥協なく生かしている。
映像、静止画を問わずあらゆる映像表現を目指し、最高の光学技術を追求したカメラ。それがNikon Z。
光学メーカーだから光学最優先の設計となっているZシリーズ。
当たり前のように全てのZレンズはものすごく写りが素晴らしいです。
ちなみに下記が各社のマウントスペックです。
・Nikon Z 内径55mmフランジバック16mm
・Canon RF 内径54mmフランジバック20mm
・Sony E 内径46.1mmフランジバック18mm
・Leica L 内径51.6mmフランジバック20mm
Nikonがずば抜けて大口径でフランジバックが短いことがわかります。
Z6II/Z7IIの好きなところ
エントリー機のZ5とZ6II/Z7IIは同じパーツを流用していたりと、重複する箇所もあります。Z5のレビューも合わせて御覧ください。
Z5のコストパフォーマンスは異常です。お財布に優しく高性能なカメラをお探しならZ5へ
でも、AFや高感度などよりハイレベルな使い心地を求めるならZ5より上位機種のZ6/Z7/Z6II/Z7IIを絶対におすすめします。
(Z6/Z7の中古が今だとかなり安くなっているので狙い目でもあります)
・高性能な手ブレ補正(Z共通)
一眼レフのFマウントではボディ内手ぶれ補正の搭載された機種はありませんでした。
ゆえにNikonが提案するボディ内手ブレ補正にも期待値も薄かったのですが、いい意味で裏切ってパキパキにブレが止まるボディ内手ブレ補正を搭載してきました。
想像以上にピッタリと止まります。
夜間のトンネルを走行中、後部座席から1ショット撮ったカットでも一発で成功。α7IIIと比べてブレが減り成功率が向上しました。
手ブレ補正が想像以上に出来が良い…
オリンパスの手ブレ補正には敵わないかもしれませんが、誰にでもかなり満足のいく高性能なセンサーシフト手ブレ補正が搭載されていると感じました。
・USB-C PD充電と給電対応(Z5/Z6II/Z7II共通)
USB-Cを使用するPD充電に対応しており、旅先でも急速に充電可能です。
充電器持ち歩かなくていいし、もはや必須機能だと思います。
モバイルバッテリーは下記を愛用してます。パススルー機能があるのがポートが節約できるので素晴らしい。
従来のリチウムイオン電池の特性として、低温下では電池の化学反応が出来ず電圧が下がってしまいます。
しかし今回からはUSB給電機能が搭載されております。
-12°の環境下で使用してきましたが、リチウムイオン電池の宿命である低温時でもUSB給電を利用して星を撮り続けることができました。
ダイヤモンドダストが見えるほど、空気がキラキラ輝く極低温でも動作します。
充電時はカイロでモバブと本体を同時に温めて充電しました。
・光学ファインダー並に見やすいEVFファインダーとフッ素コーティング(Z共通)
Zシリーズは感動的に見やすいEVFファインダーでご存知の方が多いと思います。実際ミラーレス機種で一番見やすいです。
光学はZ5/Z6/Z7と基本は同じですが、Z6II/Z7IIは接眼保護窓にはフッ素コートがしてあり防汚性能に優れています。
フッ素は撥水だけではなく撥油にも優れているので、顔の油や女性は化粧などでもフッ素コートは性能を発揮します。
クリアなファインダーだからノーメンテでクリアに保てる機能です。
(好きな機能だからもっとアピールしてもいいと思う)
ちなみにフッ素コーティングはアウトドアウエア関連では世界的に使用をやめていこうと動いています。フッ素は超安定した物質で自然環境で分解が難しく、ハロゲン元素なので低温燃焼時に環境負荷になるということです。今後数年で衣類からはフッ素コートは市場から極端に少なくなると思います。
ただレンズなどは簡単に捨てられるようなものでも無いので積極的にフッ素コーティングをしてほしいですね。
ちなみにα7IIIのファインダーは偏光グラスで覗くと全く見えなくなりますが、Zは偏光サングラスでもEVFもモニターも見ることができます。
釣りでも登山でもサングラスを選ばずに使用可能でした。
・高性能な瞳AF性能(Z共通)
Zシリーズ全てに瞳AFが搭載されています。
おそらくCPUが2台搭載されているからだと思いますが、Z5と比較して検出が早くかつ、しつこく追ってくれました。
Nikonの瞳AFも後追いでしたが素晴らしい高性能な検出性能です。
ぽつんとまり子を撮ることが多いですが上記のようなポートレートを撮るときにはかなり活躍してくれます。
・トップクラスの防塵防滴性能(Z共通)
私の一番好きな機能です。このためにNikonにする人も多いと思います。
とりあえず下記の映像を御覧ください。
シャワーの水圧は強めの集中豪雨レベルの雨で、8テイクもシャワーをかけて動画を撮影しました。
Nikonの堅牢度は本当にすごい…
このシャワーでもあらゆる場所への水の侵入は見つからず、大雨での撮影や大雪ででも全く問題ありませんでした。
(Twitterのフォロワーさんが沢に落としてすぐに拾い上げても普通に使えたらしいです…普通のカメラだったら壊れていると思います。)
オリンパスもペンタックスも同じですが、強力な防塵防滴でも隙間に水が入り込む可能性があります。濡れてしまった後は必ず乾燥をさせてください。
さらにズームレンズは空気が入ったり抜けたりするので積極的には使わない方が良いです。
私の個体のカメラではバッテリーボックスから空気の行き来がきていました。バッテリーボックス全体にはシーリングがされていますが、バッテリーボックス付近に水滴がある場合にズームレンズを動かすと侵入する危険があります。
防塵防滴性能は製品が壊れない保証ではありませんので、万が一水濡れで壊れても自己責任となりますので気をつけてください。
今シーズンのスキーでも使用してきました。
少々手荒な使い方ですが、雪が沢山降る環境でバックパックのショルダーハーネスにキャプチャーで装着して使用しました。
登山でも常に使用している便利商品です。
パウダースノーで転んでしまって雪だらけになってしまいましたが問題なし。
ただ、レストランへ入ったときに結露が発生してしまいました。ペンタックスもオリンパスも使用経験がありますが、結露だけはどの機種も発生してしまいます。室内に入るときは鞄の中などへ収納するなどして気温差をなるべく発生させないようにしましょう。
内部結露は故障の原因の一つとなるのでレストラン内のぬるめの暖房で乾かしました。
防塵防滴性能は絶対では無いのでこのように水に濡れたり結露したら絶対に乾燥させてあげましょう。
・裏面照射センサーの高感度AF性能(Z6II/Z7II共通)
センサーはNikon独自のカスタマイズを施している可能性がありますが、
α7IIIで使い慣れた裏面照射センサー(多分ほぼ同じセンサー)なのでフィーリングや暗所の性能に安心して使用できました。
Z5で最大の不満だった暗所AFですが、Z6II/Z7IIで不満が無くなりました。さらにα7IIIよりも暗所AFに優れて素早くAFが合います。
Z6IIは-4.5EV
Z6IIローライトAFは-6EV
Z7IIは-3EV
Z7IIローライトAFは-4EV
α7IIIは-3EV
α7R IIIは-3EV
上記が暗所AF仕様です。
月明かりでもスッとAF稼働しストレスなくピントが合います。AFはα7IIIよりもZ6IIのほうが早く感じました。
αとセンサーはほぼ同じでもZの方が絶対良い…
当たり前ですが色づくりがNikonらしくて扱いやすいです。
・ロック付きのダイヤル(Z6/Z7/Z6II/Z7II共通)
Z5ではモードダイヤルにロックがありませんでしたが、Z6II/Z7IIにはロック機構が搭載されて勝手に回らないようになっています。
ロック邪魔とか思う人もいるかもしれないですが…Nikonは防塵防滴で堅牢性も抜群でアクティブに使えってスペックだから、ロック機能は嬉しい。
やっぱりロックされてると使用感のストレスが全然違います。
細かなアップデートですが、Z6II/Z7IIのダイヤルはグローブをした状態でも操作しやすいようにローレットの加工を改善しています。
・チルトモニターのEVFセンサーキャンセル(Z6II/Z7II共通)
この機能、モニターが動くなら必須機能だと思います。絶対的にストレスフリー。Z5/Z6/Z7から搭載して欲しかった機能です。
ローアングル撮影が格段にやりやすくなりました。(Zシリーズ全てに搭載してほしかった)
僕の撮影スタイルではウエストビューで撮ることがとても多いので嬉しい機能です。
・タイムラプス動画自動生成機能(Z6II/Z7II共通)
タイムラプスを撮りながら、動画を生成するというトリッキーな事ができるようになりました。
タイムラプスを即時確認できるので星を撮るユーザーなど活躍しそうです。最近はタイムラプスで星を撮ったりはしていないですが撮りたくなりました。
タイムラプス動画ってなにげに手間な作業なので手軽に楽しく撮れる機能です。
ただバッテリーの消耗は多い気がしました。
・連写のブラックアウト軽減(Z6II/Z7II共通)
撮影時のブラックアウトがかなり少なくて連写時の撮りやすさが格段と楽になりました。
SDカードでもバッファーが充実しているので想像以上に連写が継続します。
XQDカードに保存すると永遠とRAWで高速連写が続きます。
XQDカードの速度すごいのは当たり前ですが、SDカードでも満足できるバッファーの設定が素晴らしい。
長時間の連写はしないからバッファーで十分なのでSDカードダブルスロットで使いたい。
SDカードで連写がどれくらい続くのか実験しました。
上記のSDカードを挿入して、SDカードにRAW画像保存で、高速連写撮影(拡張)で連写した場合、70枚絶え間なく連写できました。
SDカードでもバッファーが十分に用意されています。
・電源OFF時のAF位置の記憶(Z6II/Z7II共通)
星景撮影で非常に便利だった機能です。
無限AFに合わして撮影して、次の撮影ポイントを探すためや雲待ちで電源を消す場合があります。Nikonのレンズは物理的にMFができない構造なので一度電源を切るとAF位置を見失ってしまいます。しかし、今回のZ6II/Z7IIからはAF位置が記憶されます。
Z35mmF1.8の星景性能すごい。オリオン座を写すと赤外も撮りたくなりますよね。
・スマホアプリ「SnapBrige」の通信(Z共通)
SnapBrigeもおすすめだと教わり使用してみました。
カメラメーカーの通信アプリって出来が悪いものが多く、特にF社のアプリはかなり酷くて即削除した思い出が…通信機能があるならでちゃんとアプリを作り込んで欲しいですよね。
SnapBrigeが想像以上に出来が良かったです。
初回の接続では少々不安定でなかなか接続できませんでしたが、繋がってしまえばBluetoothとWiFiどちらかでスムーズに通信可能です。
お気に入りなのがGPSを写真に埋め込む機能です。
GPSも高精度か低精度を選べてスマホのバッテリー消費をコントロールできます。山の事情をわかってるじゃないか…と感じました。
ただ、リモート撮影については10m以上離れると通信が切れてしまいました。(使用しているスマホはiPhone12Pro)前述通り総金属なカメラは電波が飛びにくい?
上記はインターバル撮影をしました。
なのでポツンとセルフポートレートを撮る際は素直にセルフタイマーかインターバル撮影を活用しましょう。
あとSnapBrigeを使用してカメラのファームウエアのアップデートが可能になりました。スマホメインユーザーにはかなり嬉しい機能です。
このアプリは継続して力をかけてアップデートと安定性を向上していって欲しいです。
・よりホールド感が増した操作性(Z6II/Z7II共通)
Z5のレビューの時に語った親指AFボタンは斜めに押し込むような変態的な設計で感動的に押しやすいです。
官能的な使用性能を求めたZシリーズは操作性からグリップ感まで手の凹凸にピタリとはまるようににフィットしてくれます。
グリップはZ6II/Z7IIからさらにブラッシュアップされてホールド感が増しました。
ストラップを外して撮影することも多いのですがホールド感が強く安心して撮影できます。
使ってないけどいいと思ったZ6II/Z7IIの機能
・優れた動画性能
・BlackmagicRAW
ニコン公式が改造してRAW動画の撮影が可能となります。別料金というのがちょっとハードルですが、本格的に動画制作ができる機種となりました。
これでコンシューマ向けカメラでBlackmagicRAWに対応するカメラはSIGMA fpとZ6/Z6II/Z7/Z7IIの5台となりました。
BlackmagicRAWの良さとしてはRAW動画なのに非常な低容量、低負荷、多情報、ということがあります。
動画をするならNikonのZシリーズがかなり魅力的です。
・フルフレーム4K動画撮影
フルフレームで4Kの出力も可能です。
Z6IIは4K 30P
Z7IIは4K 60P
4K動画をメインに撮影する場合はZ7IIの方が良いスペックとなります。
・10bitN-Log動画やHDR動画出力に対応
N-Log動画はもちろんのこと、今回からはHLG方式の撮影に対応するHDR動画出力が可能となりました。
・動画の瞳AF
動画でも瞳AFが動作します。この機能も動画ユーザーの為の機能ですね。
しかも瞳AFが動作するエリアを手動で選択可能で人を選んで瞳AFを動作させられます。
・縦グリップ MB-N11
今回からやっと本格的な縦グリップが利用できるようになりました。
ポートレートやスタジオなどなどプロには嬉しい機能だと思います。
この縦グリップの操作性にもかなりこだわってデザインしたとお聞きしました。
今回は使用しておりませんが、縦横を持ち替えても同様の操作感を実現しているとのことです。
ダブルスロットにもなったし本格的なプロユーザーにもおすすめできる機種となりました。
結婚や前撮りの時に使ってみたいです。
Z6II/Z7IIのイマイチなところ
・AFがたまに迷う(Z共通)
Zシリーズ共通の課題だと思います。AFが迷う事がちょくちょくあります。なんとかしてファームウエアで改善できれば嬉しいポイントです。
(内部情報は良く知らないけどAFって各社の頑張りどころだから特許ありすぎて開発しづらそう)
油断してると上記のようにAFが抜けます。
特に暗いとAFが迷いやすいです。
しかしZ6IIは暗所でも比較的テキパキと動いてくれるので、夜間の撮影が多いとZ6IIがおすすめかな?と感じました。
・バッテリー持ちがちょっと悪い(Z共通)
Z5へも記載した項目をコピペ&加筆します。
α7IIIの感覚と比べてちょっと早く、すこしバッテリー持ちが悪いと感じます。
搭載されているバッテリーのスペックを比較してみました。
α7IIIのバッテリースペック
電圧:7.2V
電力容量:16.4Wh(2,280mAh)
大きさ:約 幅38.7×高さ22.7×奥行51.7mm
質量:約83g
Zシリーズのバッテリースペック
電圧:7.0V
電力容量:16.0Wh(2,280mAh)
大きさ:約 幅38.7×高さ22.7×奥行51.7mm
質量:約80g
少しだけNikonの方の容量が3%ほど少ないですが、ほとんど同じスペックと考えて問題無いと思います。
CIPA規格準拠の撮影枚数を比較すると…
α7III 約610コマ(EVF)/ 約710コマ(モニター)
Z5 約390コマ(EVF)/ 約470コマ(モニター)
Z6II 約340コマ(EVF)/ 約410コマ(モニター)
Z7II 約360コマ(EVF)/ 約420コマ(モニター)
撮影枚数がかなり違います。
α7IIIのときはバッテリーの消耗を気にした事が無く、予備バッテリーも持っていませんでした。一眼レフ機並みに驚異的にバッテリー持ちが良かったです。
Zとαはほぼ同じバッテリースペックなのになぜこんなに違うのでしょうか。CFExpressだから?上部モニターが発光型だから?EVFの解像度が高いから?
そもそもCIPA規格の測定方法が悪いのか…?
Z5/Z6II/Z7IIの実撮影枚数は1000枚を越えたので悪い訳ではありません。
一応パワーセーブモードもありますが強弱の2モードぐらい選べたら嬉しいと思いました。
あとはカスタムボタンでモニターとEVFを簡単に選択できればより省電力化できそうです。
どの機能をセーブさせるのか選べると嬉しいです。
今後パワーセーブモードのアップデートを期待しています。(山ではエネルギーを節約したいのでぜひアップデートをお願いします。)
だから予備バッテリー買おうかな…と検討中
・ディスプレイの切り替え(Z共通)
追記2021/01/08解決しました。ごめんなさい!めっちゃ良い!
アイセンサーでディスプレイを切り替えることができますが、挙動が不安定で表示されたりされなかったりしました。
再起動したり、初期化したりで挙動が安定しますが、今後のアップデートを待っています。
あと一眼レフのようにファインダーモードとモニターモードをボタンで簡単に切り替えられるようにしてほしいです。
ボタンを押している時だけディスプレイを表示するとか、ボタンでファインダーとモニターをカスタムボタンで切り替えたいです。
この辺のカスタマイズ性能、カスタムボタン性能が低いと思いました。ボタンは感動的に押しやすいのに勿体ない。
追記2021/01/08
でこいさんからご指摘をいただきましてやりたかったことができました。というかこのボタンの存在に気がついてなかったのがめちゃくちゃ恥ずかしい…
このファインダー横のボタンのお陰で
・自動表示切り替え
・ファインダーのみ
・モニターのみ
・ファインダー優先
上記4つのモード切り替えができるんですね…
早速、自動表示切り替えとファインダーのみにしてモニター表示の回数を減らせるような設定にしました。
ファインダーのみのモードにすることで一眼レフのように使用できます。
・上部モニター(Z6/Z7/Z6II/Z7II)
一眼レフ時代から上部モニターで設定を確認するのが便利で大好きでした。撮影時の設定をひと目で見られます。
上部モニターは好きな機能なのですが、Zシリーズの上部モニターは少々見えづらく感じました。
発光するので夜間は眩しく、昼間は光量がすこし少ない。
自動で明るさを調節してくれますが、個人的には従来の反射型ディスプレイがよかったです。
上部モニターは富士フィルムX-H1などに搭載されてるモニターが好き。
・動画の最長記録時間
この項目が引き続き変わっていません。
30分以上の長回しがができない仕様となっています。輸出時の関税がかかるからかもしれませんし、発熱の問題もあるかもしれません。しかし動画能力を増強するならば改善していただきたい点です。
長回しの規制はライブや演奏会で撮りっぱなしで放置ができないので、なにげにストレスだったりします。
・XQDカードとSDカードのダブルスロット
ダブルスロットが搭載されたのは本当に嬉しい機能ですし、ダブルスロットだからマウント変更を決める人も多いはず。
なぜイマイチな点としてあげるのかというと…
今後のアップデートの希望としてはSONY α7S IIIに搭載されたCFexpress Type AメモリーカードとSDカードに対応したデュアルスロットと見比べてしまいどうしても比べてしまいます。
メモリースティック時代からSONYのお家芸雰囲気はしますが違うメディアが刺さるのはかなり嬉しい。
やっぱりSDカードを2枚指したいときがありますし、連写を重視しないときもたくさんあります。
このような最新の機能と規格を搭載してくるのはさすがSONYだと思いました。
今後はSONYのようにマルチにメディア対応をお願いしたいです。
・メモリーカードスロットの蓋のロックが無い
メモリーカードスロットが親指にかかる位置にあります。防塵防滴性能を保ちつつ力が加わる場所にカードスロットの蓋を配置しているのは大胆な設計だと思いますが、親指がかかる場所だということもあり、気がついたときには蓋が開いていることがよくあります。
この辺は個人のグリップの持ち方や収納の仕方で開きやすかったりするのかと思います。
私の使い方では一度の撮影で一度は勝手に開いてしまいます。
今後のモデルにはロック機能をつけていただきたいです。
ちょっと重たいところ
Zシリーズってちょっと重たいんですよね…特に重たいのがレンズなのですがZマウントは口径を大きくして光学性能を追求しているので言及しづらい。というか言及すべきか?というところ。
Eマウントはマウント口径も小さいし、小型軽量な点でいうとかなり魅力的です。私は登山ではウルトラライトな装備を心かけているので重量が気になりました。(ウルトラライト装備などで検索してください。切り詰めるときはタグを切って0.5gでも軽量化します)
ボディ本体重量差
Z6II 重量717g
α7III 重量657g
差 60g
35mm f1.8レンズ重量差(フードとマウントカバー付)
Z35 F1.8 重量 427g
FE 35mm F1.8 重量 318g
メモリーの重量差
SDカード 重量 2g
XQDカード 重量 7g
上記装備時の総重量差
Z6II+35mm f1.8 重量 1110g
α7III+35mm f1.8 重量 954g
あれ?あんまり差を感じない?!
ざっくりとした重量比較ですが、αシリーズは軽くてコンパクトです。
ウルトラライト装備を意識した事を考えたことのない人にとっては気にしすぎだと思われるかも…でもウルトラライトハイカーにとってはかなりの差です。
光学性能は最高の状態でかつ軽量コンパクトなZがほしい…
・Z6/Z7から買い替えるべきか、中古Zを買うべきか
正直な話、中古Z6/Z7でもかなり満足できると思いますし、型落ちでも十分に高性能です。
しかし、Nikonがリリースする2世代目のカメラ。ダブルスロットやチルト液晶のセンサーや動画性能が進化してブラッシュアップされています。
・ダブルスロット(SDカード対応)
・連写性能UP
・チルト液晶のセンサー追加
・USB給電撮影
・縦型グリップ
・動画性能UP
・低照度AF性能UP
・撮影枚数UP
などが挙げられます。
より使いやすくなっているので今後長く相棒として付き合うならZ6II/Z7IIの導入を絶対おすすめします。
私にはダブルスロット、チルト液晶のセンサー、低照度AFの性能アップが決めてでした。
Z5とZ6IIとZ7IIどちらを買うべきか
見た目は同じですが、異なる3機種。
ざっくり分けるとエントリー機かスタンダード機かハイスペック機の違いですが下記に特徴をまとめてみました。
Z5(2432万画素)
・Zシリーズで最安値ハイコストパフォーマンス
・エントリー機なのに上位機種と同じパーツと構造多数
・低ISOの優れたダイナミクスレンジ
・SDカードダブルスロット
・低照度AFが弱い
・高感度耐性が弱い
Z6II(2450万画素)
・標準的な画素数でバランスが良い
・優れた高感度耐性
・優れた低照度AF検出
・連写性能が良い
・Z7IIより安い
Z7II(4575万画素)
・高画素撮影が可能(トリミングが便利)
・高画素でノイズをねじ伏せる
・優れた動画性能
・AFポイントが多い
・高額
プロ・アマでも満足できる完成度の高いのZ5。表面照射センサーなので低照度AFは弱いですがかなり満足のできるクオリティです。
ほとんどの人はZ5で十分です。ハイスペックエントリー機種です。
レビュー→エントリー機なのにハイスペックNikon Z5レビュー
オールラウンダーで誰が使っても満足できるZ6II。AFも早く、低照度AF性能も良い。高画素が必要ないなら非常にバランスに優れたオールラウンダー機種。
短時間でパフォーマンスを発揮したい方や撮影時に僅かなストレスも感じたくない方向けです。
トリミング耐性や動画性能を備えたZ7II。AFポイントも多くNikon史上最高画質です。高感度耐性も高画素性能でノイズをカバーするような感覚があります。
トリミングを多用する方や動画を撮影する方やハイレベルな撮影をする方向けです。
トリミング耐性についてわかりにくので月を撮影して比較しました。
下記は200mmで月を撮影し、100%ピクセル等倍表示をしたときのスクリーンショットです。
小さいのがZ6II、大きいのがZ7II。
作例
使用レンズ(順不同)
NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
Zレンズの写りもすごければ、ボディの信頼性もすごい。相棒のように理想に近い表現をすることができました。
今後Nikonがどのような機種を出すのか…出して欲しいのか…
個人的に期待しているのが
・Dfの後継機
・SIGMA fpやα7cに対抗する小型機
上記2機種のラインナップを待っています。
やっぱりDfのデザインや所有感というのは特別なものがあります。
そして、旅や登山が多いのでボディとレンズ両方に小型軽量機がほしいですね。
特にDfの後継機種ですが、Dfが生産終了となった現在に必要とされているはずです。Zマウントはフランジバックも少ないしオールドレンズ遊びもできるのでもし発売されるのなら楽しみですね。
まとめ
今回はZ6IIとZ7IIをNikon様からお借りして、Z6IIをメイン機として導入することに決定しました。(もちろん自腹)
SONYにもメリット・デメリットはあります。でもそれをねじ伏せるほどにNikonZはかなりおすすめな機種でした。
もし悩んでいるのでしたら、公式でレンタルできて、レンタル代を購入費として変更できるサービスもしているので利用するのもおすすめです。
普段からトリミングをあまりしない。夜道でのポートレートを撮ることが多いので高感度耐性と低照度AF性能を求める事が多いのでZ6IIを選択したのですが、結果としてはかなり満足です。
SONY α7IIIと比較して非常にスムーズに、むしろこれまでのデメリットを改善するように導入できました。改善していただきたい点もいくつかありますが総合的に満足です。
アウトドアでの使用が多いのでNikonの防塵防滴性能にかなり助けられていて、雨風雪でもこんなに安心して撮影に集中できるのはかなり大きなメリットです。
Nikonにして一番よかったのはカメラの信頼性でした。