ロングトレイルの歩き方ー装備編(ギア、ウエア、アクセサリーなど)
今回は基本的な装備編です。
ロングトレイルの歩き方ー準備編(パーミット、ビザ、保険、仕事を辞める前にすることなど)
ロングトレイルの歩き方ー装備編(ギア、ウエア、アクセサリーなど)
ロングトレイルの歩き方ー装備編(電子機器、カメラなど)
ロングトレイルの歩き方ー歩く編(怪我、メンタル、買い物、ハイカーフード)
四部構成にしています。
前回の記事はこちら
ロングトレイルの装備リスト
下記URLが私が出発した時に用意していたギアリストです。試作品が27品もあるので参考になるかわかりませんが私が作った商品を予想していただければ嬉しいです。
ほぼ全てまとめています。
私の場合はカメラ用品スマートフォン用品が多いので普通のハイカーと比べて重たいかもしれません。
ベースウェイト約4800g
スキンアウト約8400g
ロングトレイルの装備の考え方
考え方は日本の登山と違うわけではありませんが、日本の山岳域より安全マージンが少し低いかもしれません。
特徴的に違うことといえば登山装備に「旅の生活」の装備が加わるということです。
ロングトレイルは極端なUL(ウルトラライト)装備でもいいですが、軽くて適切な装備を見極めることが大切です。
軽いこと
頑丈であること
快適であること
UL装備はロングトレイル文化から発展して進化してきました。ULコアユーザーは「グラムカッター」と呼ばれており、タグやメーカーロゴまで切り取ったりして切り詰めます。
実際にPCTにもそのようなハイカーを見かけましたがカリカリに絞られた装備で歩いています。感服するほどの重量です。しかし、そもそもレインウエアを持ち歩いていなかったり、ストーブが無かったりと安全マージンを削っている人が多いです
私は日本の山岳装備の思考も取り入れながら安全マージンを考えて軽量で使いやすい装備を選定しました。
もし考えるのがめんどくさくなったら、いい性能のものが安くモンベルかREIで全て揃います。
あとアライテントの「軽量装備の夏山テント山行のススメ」は誰もが一度目を通すべきわかりやすい名装備記事です。
でも、ハイカーには道具へのこだわりの無い人もたくさんいます。屈強な人なら装備はなんでも良いです。私は身体があまり強く無いので道具に頼って快適な装備を模索しました。
軽い、頑丈、快適な装備選び
軽いほど歩きやすくなり、足腰への負担も少なくなり、快適になります。
しかし、快適さを求めれば重たくなり、頑丈であれば重たくなり、軽くなれば頑丈さと快適さを失う。装備は相反したバランスを保つ必要があります。
経験でバランスの保ち方も理解していきます。
このバランスのいい装備を工学的に求めているのが私のメーカーのMIYAGEN Trail Engineeringなのですがそれはまた別の機会に…
はじめてのロングトレイル装備
基本的には全てモンベルとREIで揃います。十分に軽量で頑丈な装備が手頃な価格で手にいれることができます。
でも気持ちが上がるもの、好きなデザインのもの、好きなカラーも機能の一つです。
結構は好きなもの。気に入ったものを買いましょう。
装備の買い方はAmazonがほぼ世界で使えるので何でも手に入りますし、日本に助けてくれる家族か友人がいたら国際郵便で送ってしまうこともできます。日本はアウトドア用品店も増えて買いやすくなりました。今回の記事はモンベルの装備が多めです。
ロングトレイルは道具を捨てる旅でもあります。装備は経験の一つです。失敗してもなんとかなります。
ウエア
砂漠から雪山まで対応するウエアが必要となります。でも意外となんとかなります。
下記の装備が必要最低限のウエアだと思いました。
肌着(アンダーウエア)
・ウールパンツ2枚
・ウールand保水しない繊維の靴下2足
行動着
・ウールロングスリーブTシャツ
・ショートパンツorロングパンツ
・キャップ
防寒着
・ウィンドシェル
・フリースパンツorダウンパンツ
・ダウンパーカー
・レインウエア
・グローブ
シューズ
・トレランシューズorハイキングシューズ
着替えの考え方
着替えは多い方がやっぱり快適です。でもウエアは意外と重たいので少なくした方がいいです。
濡れたことを考えると安全マージンは下がりますが、ウール繊維のウエアが肌に触れているなら濡れても暖かいですし、臭いも軽減されます。
着替えはなくてもなんとかなります。でも寝衣用の着替えがあると便利でした。
肌着、下着(アンダーウエア)
ただ靴下だけは常に乾燥させないと皮が剥けてしまうので予備が必須です。
基本的には肌に触れる肌着はウールが最適で快適に歩くことができます。ウールTシャツとウールパンツがベースレイヤーの役割をしてくれます。
ウールは濡れても暖かく、臭いが軽減されます。ロングトレイルではウール素材は必須だと思います。
特にウールロングスリーブTシャツは試作したものが今まで着て来たウエアの中でもダントツで着心地がよく、耐久性も高かったです。こちらも発売までお待ちください。
モンベルからもウールのロングスリーブシャツが発売されました。こちらもおすすめです。
ウールのロングスリーブシャツを着ていたらアンダーウエアはなくても大丈夫だと思います。
インナーパンツはモンベルのスーパーメリノウール L.W. トランクスを使用しましたが比較的早い段階で破れてしまいました。でもかなり早く乾くため快適でした。値段も安くておすすめです。
アイスブレーカーのパンツは生地が厚く、破れずに最後まで使い続けられました。着心地もよくおすすめです。ただ、少し乾きにくいです。
(化繊パンツは着続けると異臭がします)
シャツとパンツがウールになるだけで数日は着替えなくても臭いがしずらいので旅ではウールが必須だと思いました。
ソックス
着替えを一切持ち歩かないハイカーもソックスだけは絶対に予備を持っていました。足が痛かったり、皮がめくれたりしたら歩けなくなるので予備は必須だと思います。
ダーンタフはやっぱり頑丈ですが、ウール繊維が脱落してナイロンフィラメントしか残らなくなります。そうなると買い替え時です。
靴下も開発しましたがまだ秘密な構造です。
インナーソックスも豆を防止する手段の一つです。
injinjiも良かったです。でも破れやすくて途中でやめました。でもマメ対策になるので最初期はこのような五本指がいいと思います。
こちらもとりあえずモンベルでいいと思います。
ハイカートラッシュも干せるから超便利です。
ウィンドシェル
なんでもいいと思います。
フリースパンツorダウンパンツ
軽量なパンツの保温着はバリエーションが少ないのですが、山と道のLight Alpha Tightsを使用してきました。
毛抜けもしますし、乾燥機にかけるとチリチリになったりと少しデリケートでしたが軽量で使い勝手が良かったです。
ダウンor化繊のパーカー
テントでだらだらしたい日もありますし、外でご飯を食べる日も。あまり気ないですが寝る時にも
行動着も兼ねたい場合は化繊のタイプがお勧めです。
フリースでもいいですが嵩張るので私はあまり使いません。行動中に防寒着は使わないので、日本の山岳地帯のようなところへ行かないなら、とにかく軽量化してもいいと思っています。
モンベルのプラズマ1000 アルパインダウンは超軽量で十分な暖かさでした。
レインウエア
日本のフィールドではレインウエアがかなり重要です。雨に濡れてしまうと体力をみるみる奪っていき、真夏でも低体温症で亡くなってしまう場合があります。
アメリカも例外ではありませんが、あまりにも雨が降らないのでレインウエアを持ち歩かないハイカーもいます。しかし防寒着としても使えますし、全ての服を洗濯している時の最後の服としても使えるので私としては持ち歩くことを推奨します。
モンベルのバーサライトは世界共通のハイカーレインウエアでした。PCTハイカーの多数がバーサライトを使っていました。
軽量なのでとりあえず持っておくレインウエアとしてどこでもお勧めです。
ショートパンツorロングパンツ
乾きやすい、動きやすい、色々とあるかと思いますが好きなものを履けばいいと思います。
私はジョガーパンツをずっと履いてました。ロングパンツだと虫も刺されないですし、日焼けもしなくて快適でした。
しかし開放感が少なくて、突っ張るし、ちょっとストレスです。
逆に私は寝巻きにショートパンツを使っていました。
キャップ
好みでなんでもいいと思います。
私はSUNDAYのメッシュキャップを愛用していました。
グローブ
シエラは氷点下になり、グローブは必須でした。ワシントンも寒いのでグローブを使用しました。
グローブはモンベルのウィンドストッパーのミトンが個人的に好きです。
これは雪が付着しにくい表生地なので扱いやすいです。私はスマホとカメラを頻繁に操作するので指先が出るグローブをいつも使っています。
極端に寒い時はインナーグローブを使用します。
シューズ
シューズは軽い方が楽ですが、軽ければ良いわけではありません。
不安な人、歩き始めて筋肉がまだついていない頃は少し頑丈な靴を探した方がいいかと思います。
私の足は日本的な足形なのですが、モンベル、アルトラ、topoは感覚的に良かったです。
個人的にロングトレイルのシューズ条件
アウトソールのラバーの面積が広いこと(EVA剥き出しじゃない)
シャンク(ロックプレート)が内蔵していること
メガグリップソールorトレイルグリッパーであること
非防水
足首に問題を抱えたハイカーもたくさんいました。
そんな人はミッドカットのシューズを履いていました。私も次はミッドカットにします。
旅の最後は防水シューズを履きましたが一瞬で足が臭くなりました。透湿をしていてもやっぱり蒸れて臭くなってしまいます。
topoのこちらのシャンク入りのシューズがおすすめです。
シャンクがあるだけで突き上げの疲れが軽減され、足へのダメージが少なく長距離歩く際に適しています。
topoのアウトソールもメガグリップで滑りにくく、分厚いので摩耗にも強いです。個人的にはロングトレイルならこれで間違いないと思います。
もし足型に合っていない場合はハードタイプなインソールにするといいかもしれません。私はシャンクの無いシューズを買ってしまい足を痛めて、スーパーフィートを入れていました。
スーパーフィートは足の種類によって形が全く違うので実店舗で装着テストおすすめします。
でもアルトラのシャンク無しトレランシューズでもスーパーの安いシューズでも快適性が違うだけで普通に歩けます。
ギア
バックパック
バックパックはウエアと同じで体にフィットしたものを選ぶことが大切です。
肩幅、腰、背中、筋肉、人それぞれ全く違う大きさとなっているため適切なバックパックを背負う必要があります。
身体に合わないバックパックは関節や肩などへダメージが蓄積されてストレスにつながります。
カリカリに軽量化しない限り、フレームレスではPCTはちょっと過酷だと思います。
食料と水込みでは約10-15kgほどまで重量が加わるため縫製の強度も重要です。
特に砂漠では水を大量にキャリーするので、フレームレスでは身体に密着しにくくて肩や腰が壊れそうです。
MIYAGENのバックパックはフィッティングを繰り返して痛くならない、快適、軽く感じるポイント検証して試作をしたプロトタイプを使用しました。
何度もパターン変更をし、ロングトレイルでは一度も肩も腰も痛くなりませんでした。
我ながらいい出来栄えのバックパックを作れたと思いますが…発売までもうしばらくお待ちください…
ハイパーライトマウンテンギアのバックパックとゴッサマーギアは多くのハイカーが使用していました。
確かにフレーム入りでフィット感が良かったです。
ファニーパック(サコッシュ)
サコッシュ文化は日本独特のハイキング文化となっており、海外では珍しがられます。
私はサコッシュ派ですが、ファニーパックも使いやすくおすすめです。
サコッシュ、ファニーパックも開発中なのでお待ちください。
でもデザインの気に入った物で十分だと思います。
テント
自立型、非自立型、シェルター、タープなどの違いがありますが、
PCTという多彩なフィールドでは虫が多いので蚊帳がある方が無難だと思います。
テントは軽量化しやすい装備なので、1kg以下のテントがおすすめです。
砂漠や火山地帯では粉塵が怖かく、ファスナーを傷つけます。半年も使い続けるとファスナーが壊れやすいです。
シックスムーンデザインズはアメリカでのサポートが素晴らしく格安でファスナー修理をしてくれます。
ルナーソロは定番でありますが、軽量で扱いやすくおすすめです。ルナーソロのハイカーもたくさんです。
カリカリにするならZpackのテントがいいかもしれません。
でもフロアまでもがDCFなのは個人的には好きではなく。DCFは折り曲げでエポキシ樹脂が脱落するのでピンホールができやすいです
でもPCTだったら雨が少ないのでDCFでもいいとは思いますが、水溜りができるような場所では注意が必要です。
私はREIのフラッシュエアー1を使っていました。
安くて500gと超軽量で日本では誰とも被らない。ちょっと狭いのが難点です。
結露もしやすい。
グランドシートはどっちでも良いと思います。私は途中から使うのをやめました。
シェラフ
寝袋は軽量な方がいいですし、着込めば軽くできますが、寒さに強くないなら-5度前後対応した寝袋が無難です。
中には3度までのモンベル#3ダウンハガーで歩く方もいます。防寒着を着込めば寝られます。
キルトタイプは軽量ですがせっかく温めた暖気が背中から逃げてしまうのでカーボーイキャンプに適しませんでした。
私はマミー型が快適でした。
軽さと耐久性はフィルパワーが関係してくるのですが、このフィルパワーというのはダウンボールとフェザーの割合が大きく関係してきます。
ロングトレイルでは800fp〜850fpが耐久性が高いと考えており、長期間洗濯ができない状況でもダウンがへたりにくいです。
はじめはモンベルのシームレスダウンハガーを使用していましたが、ダウンが汚れて膨らみにくくなりコールドスポットができやすくなったため下記の寝袋に買い替えました。
めちゃくちゃ高い寝袋ですが軽量で間違いなくいい寝袋です。作りも、ダウンのクオリティも耐久性も抜群に良かったです。
寝袋を軽くするためにスペックを落としても良いとは思いますが、寒くて寝られないとかなりのストレスで歩くこともできなくなってきます。
スペック的に下記の寝袋が問題ないと思います。
個人的には通常のモンベルのアルパインダウンハガー800が復活してほしいです。スパイラルストレッチは他の寝袋に無い快適さです。
ロングトレイル中は体がとにかく汚いのでダウンの性能が落ちます。一部ハイカーはインナーシーツを使っていました。
インナーシーツはシルク素材がベトつかなくておすすめです。
私はインナーシーツは軽量化のために省きました。でも寝巻きだと考えたらあってもいいと思います。
スリーピングマット
ロングトレイルではエアマットはほぼ確実にパンクします。パンクとしぶとく付き合い、パンク修理をしながら歩けるハイカーもいるのですが、私には無理でした。
寝る時は膨らますのがめんどくさいし、サクッと寝たいし、カーボーイキャンプでは砂漠のハリだらけフィールドで寝ます。
(エアマットを現地で買いましたが速攻で返品しました)
嵩張りますが、半年という期間のロングトレイルでは雑に扱えた方が楽です。
浄水器
なんでもいいです。
でも浄水スピードはそれぞれ差があります。
私はKATADYN派です。ダントツで浄水スピードが早いので毎日数回の浄水が楽でした。浄水で早いハイカーを抜かしていました。
プラティパスとソーヤースクイーズではあまり差がない気がしました。でもプラティパスの浄水器は上下キャップができるので寝袋に入れやすいです。浄水器を凍らせると1発で破損するので強いていうならプラティパスが扱いやすくておすすめです。
錠剤で水を殺菌して飲んでいるハイカーもいますが、飲むまで待機時間があるのでめんどくさそうでした。味も変わるし、錠剤がなくなったらめんどくさい。でも1番軽量です。
ボトルはなんでもいいと思います。
キャリー用ボトルと、メインボトルは分けており、私はプラティパスを使用していました。荒く使って穴が空いちゃいましたが、ガムテープで塞げば問題ありません。エバニューのボトルでも良いかと思います。
メインボトルはLIFEウォーターを使っていました。日本だとポカリスエット1Lで良いかと思います。ちょっと重たいけど。
ヘッドランプ
ヘッドランプはルーメン値が明るければいいわけではなく、バッテリーライフと数分後の明るさのバランスが非常に大切です。
バッテリー式と充電式で分かれますが、ロングトレイルでは充電式がおすすめです。リチウムイオン電池はアルカリ電池より低温でも使えますし、ほとんどのヘッドランプはLEDの熱をバッテリーへ伝えてくれる設計です。
モンベルのリチャージャブルヘッドランプは少し重たいですが、バッテリー容量も大きくナイトハイクに最適です。
点灯後の明るさとバッテリーライフは業界内でもダントツでいいと思います。
でも赤い色LEDが個人的には好きなので下記を使用しました。
ちょっと物足りないけど軽量でシンプルで良いヘッドランプです。
最近USB-C端子の新型が発売されたらしいです。
テント内ではソーラーランタンを使用していました。
砂漠やシエラでは日が長かったので使いませんでしたが、ワシントンまで北上すると日が短くなって毎日使用していました。
スタッフバッグ
スタッフバッグも意外と奥が深く、テンションがかかるような衣類や寝袋ではDCFはピンホールや破れやすく防水の意味もありませんでした。
本当に防水にしたい場合はPUコーティングなどの伸縮に追従する生地がいいかと思います。
このSea to summitのスタッフバッグは破れにくくeVentをボトムに使用しているため空気が抜けて扱いやすかったです。
さらに、頻繁に開け閉めする食料などのスタッフバッグはファスナー付きの大きく開くものがいいです。
DCFなどで作られたガレージブランドもたくさんあるので好きな物を選べばいいと思います。
ファスナー式の場合はDCFなどのハリのある生地が使いやすいと思います。
トレッキングポール
テントの種類によってトレッキングポール変わるかと思います。テントの支柱にするなら伸縮できるポールとなります。
私はヘリノックスのFL- 120を使用しました。
伸縮できるのに片側155gという超軽量ポールです。
しかしそれよりも軽量なトレッキングポールがこちら
伸縮はできないですが2−3世代目のモデルとなっているので完成度が高いです。テントに使わないならこのモデルもおすすめです。
サングラス
目が悪いので度入りサングラスで歩きました。
サングラスは必須です。目を守ることで皮膚を守ることにも繋がります。砂漠や雪山を行くなら絶対にサングラスを持って行きましょう。
調光サングラスも良いかと思っていましたが、意外と使いにくくて途中で使うのをやめました。
偏光レンズも電子機器が見えにくくなるのであまりおすすめしません。どうしても偏光レンズを使いたいなら薄い偏光のタレックスレンズがお勧めです。
https://www.jins.com/jp/lens/color/
色に悩んでいるなら、レンズをブラウンにすることでブルー系の光を抑えてコントラストが上がります。色味も自然な雰囲気になります。
ブルーミラーをすることで紫外線をより反射することができます。
しかしブルーミラーは厳ついので普通のミラーでもいいと思います。
度が入っていなくていいのなら普通のサングラスがお勧めです。
日本ではサングラスには品名区分というものがあります。品名がサングラスと書かれたものを買いましょう。中にはファッショングラスというものがあります。
ファッショングラスの中には紫外線を透過するのにただ色が濃いだけの粗悪なものがあります。ファッショングラスは目を深く傷つける可能性があるのでおすすめしません。
トイレ用品
スコップとトイレットペーパーがあればOK
スコップは細い方が使いやすいと思います。土のコンディションがフィールドによっては硬いので細い方がほじりやすいです。
途中からアルコールスプレーを使い始めました。
なんとなく気分が良くなります。消毒で使うよりカメラの掃除やメガネの掃除で使うことが多いです。何気にアルコールはおすすめです。
クッカーとバーナー
ハイカーによってはコールドミュール(冷飯)でラーメンを水で戻して食べる人もいます。楽ですしコールドミュールでも良いと思います。
僕もコールドミュール派でしたけど基本的に寒いフィールドなので暖かい方が食欲が湧いて体力が回復しやすくなります。
バーナーは毎日使うものであり、標高4000mや氷点下でも使うこともあります。レギュレーターが内蔵されたバーナーがおすすめです。
ここはやっぱり愛知県が誇るSOTOのウィンドマスターがおすすめ。小型なのにレギュレーター搭載。世界でも売れているバーナーです。
ただ五徳が壊れやすいので4本五徳に変えておくと良いです。
水を沸かすだけならクッカーは500-600mlで十分だと思います。
今回クッカーも作りましたが販売はまだ先になりそうです。
水を沸かしたらハイカーフードの容器を使いまわしてラーメンとマッシュポテトを入れて食べていました。保温コジーも自作のものを使用しました。
無難に使うならジェットボイルのスタッシュが楽です。
難点としてはレギュレーターがないといこと。バーナーを変えたら一酸化炭素が発生する危険があるので絶対にやめましょう。
フレックスリングや凹凸が多いクッカーは簡単に一酸化炭素が発生してしまうので気をつけてください。
ジェットボイルなどの一体型のタイプは鍋と一緒にガス検査をしているので問題ありません。
スポークはモンベルのスポークで決まり。
珍しいプラスチックスポークです。
コールドミュールをするならZIPLOCKに入れてお腹で温めたり、1時間ぐらい水に戻せば食べられます。
アクセサリー
その他細々したアイテムを紹介します。
ベアキャニスター
日本には馴染みがないですが、PCTではベアキャニスターという装備が必須の地域があります。このキャニスターを持っていないと罰金だったり、パーミットを没収されます。
歯磨き粉や日焼け止めや食事など臭いが発生するもの全てをこの容器へ入れてテントから離れた場所へ置くことが義務付けられている地域があります。
これは熊がもし人間の匂いに釣られて食料を漁ろうとした時に食料を奪えないと学習させるためのものです。
日本の考えではテント内に入れて隔離する。
アメリカでは外に置いて取られないと学習させてそもそも近寄らないようにする。
といった考えです。
ベアキャニスターは種類が意外とありますが、そんなに使用頻度も多くないのでBear Vaultで十分です。
手ぬぐい
PCTへ行くために作った手ぬぐいは大活躍しました。YouTuberの高倉さんも大絶賛してくれて嬉しかったですね。
ヒッチハイク用手ぬぐいのTO TRAIL TO TOWNは今年のハイカーはみんな活用してくれたようでした。
PCTマップの手ぬぐい
ホイッスル
予想よりも吹きました。
ハイカー同士の合図に吹いたり、クマと鉢合わせしたときに吹いたりしました。レスキュー用途でしたが音量がデカく音も聞き取りやすいのでおすすめです。
トレイルランニングやパックラフトの方にも、家族のお守りとしても買っていただけてます。
ありがとうございます。
耳かきと綿棒
アメリカじゃ全然買えない耳かき
耳かきはしなくて良いと耳鼻科の先生は言うけど、音質が変わってスッキリするのでどうしてもやっちゃいます。
綿棒も耳かきの用に使うのですが、綿棒はアメリカでも簡単に手に入ります。綿棒は掃除に便利だったので5本ぐらい持ち歩いていました。
薬と一緒に保管するのがおすすめ。
爪切り
ハイカーはこれを買えば間違いないです。爪切り、ナイフ、ハサミが搭載されたアーミーナイフです。
間違いなく使いやすくて軽量です。ハサミと爪切りは頻繁に使うので買っときましょう。
爪は割れたり、剥がれたりするので爪切りはロングトレイルでは必須アイテムです。
メモ帳とボールペン
本当は教えたくないけど不人気で廃盤になるのも困るので紹介します。
PCTへ行くために数多くのノートの耐久テスト勝手にやってきました。その中でもこのライフのノートはダントツで紙質が良く、耐久性も高く、適度なページ枚数でした。おすすめです。
小さいけど、使いやすいサイズ感でサコッシュにも入れやすいです。
このノートにチケットを貼ったり、拾った羽を挟んだりしていました。
マスキングテープを裏表紙に貼っておくと便利です。
無印のミシン目入りマスキングテープを使っています。
ボールペンはやっぱりジェットストリーム
芯が無くなったらハイカーボックスで適当なボールペンを拾いましょう。
日傘
なくても良いですが、あると便利。
街でもハイキングでも砂漠でも意外と使えました。ただ藪漕ぎの時はちょっと邪魔になります。
でも日傘のありがたみを感じるために持っていって良いと思います。圧倒的に涼しくなります。
サンダル
無くても良いと思います。
でも軽量で安いサンダルを見つけたら持ち歩いてもいいと思います。
細引
テントの細引が切れることも、洗濯で使うことも、ぶら下げていたアクセサリーの紐が切れることもあります。
とりあえず細引を持っておきましょう。
ダイニーマ(高強力ポリエチレン)でもいいかと思いますが、ダイニーマの端面はほつれやすいので予備で持ち歩く細引はナイロンコアがおすすめです。ライターで綺麗に処理できます。
エマージェンシーセット
1000kmも歩くと怪我や体の不調はほとんどの人が体験するはずです。特に骨折以外はよく起こるのでエマージェンシーキットは必須となります。
怪我も大きいこともあり、骨折する人もいました。
誰かを助けることもあります。
必ず持ち歩きましょう。
さらにエマージェンシーキットは薬も含まれます。
キットを買っても何が入っているのかも忘れてしまいますし、不要なものあります。
薬局へ行ったりして自分でキットを作りましょう。
足の水ぶくれ用
なんでも使える絆創膏
なんだかんだでバンドエイドが1番使いやすい。
爪の剥がれにも、水ぶくれにも、擦り傷にも
水ぶくれが頻発しすぎてうんざりしてくるので、水ぶくれ防止テープもおすすめです。結構いろんなハイカーが持ってます。
筋肉と関節
ハイキングは常に筋肉をオーバーユースするので筋膜炎や関節炎を起こします。私は足をかなり痛めてしまい、テーピングをずっと使っていました。大きな切り傷や骨折にも緊急処置もできます。
筋膜炎になる前にマッサージをしましょう。トレッキングポールでマッサージもできますし、ガス缶をゴロゴロしてマッサージも可能です。
私はマッサージボールを持ち歩いていました。
怪我
鋭利な岩も多く、大きな切り傷の可能性もあるため止血ガーゼも持ち歩いていました。使いませんでしたが持ち歩いてもいいと思います。
アルコールも持ち歩くべきですが傷の洗浄も難しい場合もあります。抗生物質入りの軟膏があると傷が治りやすく安全です。
虫刺され、毒草
虫もたくさんいます。砂漠ではタランチュラ、ヒアリ、サソリなど。私はヒアリに刺されて対処が遅かったため皮膚が壊死してしまいました。
アパラチアトレイルではマダニがたくさんいるそうです。
下記の装備も軽量なので持ち歩きましょう。
アレルギーがある人はエピペンもあるといいと思います。
PCTはとんでもない量の蚊が発生します。みんな「モスキートヘル」だとか言ってました。モスキートネットは必須です。
このネットは超軽量なのでおすすめです。
虫除けスプレーも必要です。ディートは有機溶剤なのでプラスチックや衣類を溶かします。なのでイカリジンの虫除けを使っていました。
ディートは効果も強く軽量なのですが、ディートに触れた装備の劣化が早くなります。
虫刺されにはフルコートfを使用していました。日本の市販薬としては最強だと思います。
困った時の痛み止め
痛み止めは必須装備です。
怪我をしても、骨折や切り傷、発熱などなど…なんでも使えます。
痛みは痛みを呼び起こしより悪化させてしまう場合がありますので普段痛み止めを避けていても、アウトドアの状況では悪化させないために早めに服用することをお勧めします。
原因不明の痛みを痛み止めで消すのは危険な場合もありますが、下界までは痛み止めを飲んで行動ができます。
しかし、胃に負担がかかるので常用しないように注意してください。
私は常に痛み止めを持ち歩いていて、何度か骨折や脱臼の現場の応急処置で使用したことがあります。
痛みが強いと怪我人が少しも動けなかったりするので救助活動も比較的スムーズにできます。
まとめ
ここまで長く書きましたが、上記の装備が絶対に必要でも無いですし、私の考えでお勧めだと思っている装備です。
中にはPCTが初めてのハイキングで登山の人もいます。でも現地で装備を揃えたり、スーパーマーケットや古着を買ったりする人も。
安全マージンを下げたり、快適性を求めなければ装備はなんでもいいと思います。
しかし中には体にハンデを抱えていたりするハイカーもいますし、適切な装備ほど絶対に快適です。
安全で快適で頑丈で軽量な使いやすい装備を選ぶほど、旅が快適になり、より遠くへ行けるように装備選びを楽しんでください。
PCTの記事
Masaki Miyazaki
自転車で日本一周、アメリカ Pacific Crest Trail 4200km をスルーハイク、宮源酒店、MIYAGEN Trail Engineering、元アウトドアメーカーのエンジニア、デザイナー、PREDUCTSエンジニア
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MIYAGEN Trail Engineering
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