灰色ハイジさんのポッドキャスト『UXライティング』がめちゃくちゃ勉強になった #exportfm
灰色ハイジさんがポッドキャストでUXライティングについてお話されていたのですが、尋常じゃなく良くてめちゃくちゃ勉強になりました…!
わたしがUXライティングを学ぶ上で最も困難だと思っていることのひとつに、英語の壁問題というのがあります。
このnoteで何度も書いている通りわたしは英語が得意ではないのですが、2020年9月現在、UXライティングに関する情報はとにかく英語で書かれたものが多いです。
なので、WEBで見つけた記事や紹介されている本に絶対いいことが書いてあるとわかっているのに英語なのでなかなか手を付けられない、みたいなことが日常茶飯事なのですが、今回のポッドキャストでは灰色ハイジさんがおすすめの記事と本を日本語で紹介してくれています。本当にありがたいです(涙)
ポッドキャストで紹介されているのはこちらの記事と本です。
この2つについてサマリーと感想をお話しされていて、ポッドキャストの内容を全文書き起こしたいぐらい良かったのですが、今回はその中でも特に勉強になった部分についてわたしが感じたことをまとめたいと思います。
UXライティングとは
まずはそもそもUXライティングってなんやねんという話なのですが、『What is UX Writing?』の記事で著者のLisa Sanchezさんは次のように定義しています。
人々がソフトウェアを操作する時に目や耳に入る言葉を設計する行い。製品とユーザーの対話を設計すること。アプリやインターネットを使うたびにUXライティングに遭遇し、UXライティングが上手く機能している時には気付かないこともあります。
ユーザーと対話をする、という部分はSlackのUXライターの方も特に強調していた部分でした。
また、「UXライティングが上手く機能している時には気付かない」という部分については、GoogleのUXライターの方がインタビューで話していた内容にすごく近いです。
わたしも実務でUXライティングを行う際に、いかに摩擦を少なくするか、というのは強く意識していることのひとつです。
ここがコピーライティングとUXライティングの最も大きな違いだと思っていて、コピーライティングは人々の注目をいかに集めるかが大きな役割のひとつです。当然、上手く機能すれば大きな話題になります。
一方、上手ければ上手いほど人には気付かれない、というのはUXライティングのすごく面白い部分だと思っていて、縁の下の力持ちとか名脇役みたいなイメージなのかなと思っています。
また、すごくよかったのが次の一節です。
多くの点で、これはただ書くことなので、名前に惑わされないでください。UXライティングを良くすることの多くは、他のライティングを良くする要素でもあります。例えば、わかりやすさ、正確さ、一貫性などです。
UXライティングで気をつけるべきことは他のライティングと比べて特別なことではない、という話なのですが、これは非常に納得感のあるものでした。
わたしはこの部分が「UXライティング」という言葉がバズワード的に扱われることについて言及しているのかなと思いました。実際、UXライティングにはこれまでのライティングで当然のように行われていたことが多く含まれています。もちろんこの記事や後述する『Writing Is Designing』で書かれているUXライティング独自の要素もあるのですが、あくまでこれまでのライティングの延長線上に位置するものであるというのは覚えておくべきことのひとつなのかなと思います。
Lyft LineとuberPOOLのUXライティング比較
この記事で面白かったのが、相乗りサービスのLyft LineとuberPOOLのUXライティングを比較する部分です。
こちらが記事から引用した画像です。
これもUXライティング英語の壁問題のひとつなのですが、海外のUXライティングの優れた事例が紹介されているのを見つけても、いかんせん英語なので内容が全然頭に入ってこないということが本当によくあります。
これがデザインだったらビジュアルだけで伝わることも多いのですが、UXライティングは言語を扱うので英語がわからないとマジで何もわからないみたいな状態になります。
しかも日本と海外には文化の壁も存在していて(例えば相乗りサービスも日本では普及してなかったり)、言語も文化も違うからまじでこのUXライティングのどこがいいかわからんみたいなことになりがちです。
そういう経緯もあり、今回こうして日本語で解説していただけるのが、本当にありがたいと思っていて、感謝してもしきれないわけです。
そして今回は、灰色ハイジさんの解説と、わたしの拙すぎる英語力で、この画面を日本語に翻訳してみました(間違ってたらすみません…)。
それがこちらです。
この画面はどちらも、相乗りの乗車を選択したところで、必要な座席数を確認する画面です。
左側のLyftは、「乗車人数の確認」という見出しから始まって、なぜ人数に制限があるのか、その理由を相乗りサービスの性質として説明しています。
一方、右側のUberは「何席必要ですか?」というシンプルな一文のみです。
そして、選択肢の部分を見てみると、Lyftは「私だけ」「私と友達1人」というコピーが入っていて、それぞれの料金もわかるようになっています。一方、Uberは「1」「2」という数字が入っているのみで、こちらも非常にシンプルです。
このことについて、記事ではアプローチが明確で、異なるトーンを使用している、と書かれています。
Lyftは、情報を伝えた上で、とてもカジュアルで、フレンドリーな選択肢を採用していて、「私と友達」のような会話調のUXライティングになっています。
また、LyftはこのUXライティングにより2つのヒントをユーザーに与えています。ひとつは、Lyftが友人と一緒に乗るためのものであるということ、もうひとつが、Lyftはカジュアルでフレンドリーな形であなたと関わることができる、ということです。
対照的に、Uberは非常にミニマルで、最低限必要な情報以外は削いでいます。
特に顕著なのが、Lyftが私や友達という「人の数」を表しているのに対し、Uberは「何席必要ですか?」というように「席の数」を表しているという点です。Uberはより機械的なアプローチを採用しています。
同じ目的の画面でこれだけトーンの差が出るのはとても面白いなと思うのですが、最後にUXライティングがほかのライティングがどう違うのかという点について、UXライティングはユーザーとビジネスの両方が目的を達成できなければならない、と書いています。それぞれのビジネスの目的を達成するための差が、このライティングにも表れているのかなと思いました。
UXライティングにおけるユーザーリサーチの重要性
今回のポッドキャストで紹介されているもうひとつのコンテンツである『Writing Is Designing』という書籍については、ユーザーリサーチに関する部分が面白かったです。
UXライティングで適切な言葉を見つけるためには、ユーザーリサーチを行って思い浮かんだアイデアをテストする必要があります。
その例えとして紹介されていたのが、旅行ライターの話です。
もし彼らが、現地に行かず、地元の人にも話を聞かず、記事を書くのはおかしいですよね?プロダクトデザインにおけるユーザーリサーチも一緒です。ユーザーに話を聞きに行きましょう。
デザインなどではUXリサーチをしながらデザインの精度を上げていく話はよく聞きますが、UXライティングにおいても、ユーザーが使っている言葉をそのまま取り入れていくのが、非常に重要であることを改めて学びました。
UXライティングを海外から学ぶ大切さ
以上、灰色ハイジさんのポッドキャストを聞いて、わたしなりに勉強になった点についていくつかまとめてみました。まだまだ書き切れないことがいっぱいあるので、ぜひフルで聞いてみてください…!
今回改めて思ったのは、UXライティングについて海外から学ぶことの大切さです。
UXライティングに関して、海外にはまだまだ自分が面白い、学びたいと思えることがたくさんあるんだなと思いました。
言語の壁、文化の壁を乗り越えて、これからも積極的に海外の情報にもアンテナを張っていきたいです。
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