「こうやって生きるんだ」と教えてくれた方が・・・
ある方の訃報をネットニュースで偶然知りました。
出張先の外国で体調を崩し急逝されたとのこと。亡くなられたのは昨年、ネットニュースでは今年行われた「お別れの会」を報じていました。
亡くなったこと、まったく知らなかった。
その方の関係者の中には筆者に連絡してくれる知り合いがいない。だから、その方自身が連絡をしてくれない限り訃報を知る術がない。でも、それは無理な話だ。
その方は大きな会社の役員をしておられたが、会社を定年退職されたあとも精力的にさまざまな活動をされていた。起業する人達を本格的に支援する(日本では珍しい)組織を作ったり、地元の為にいろいろ尽くされていたし、ご自身も活動を楽しんでおられた。
筆者もそうだが、あの方に応援してもらい助けてもらった人はたくさんいると思う。
清濁併せ吞む方だった。世界的に活躍する方や日本を動かすような方から、筆者のような「路傍の砂粒」まで、人脈はとてつもなく幅広かった。
希有な人間力の底力を持った方だった。
あるとき、その方からこう言われた。
「臆病で堅い。ポキッと脆く折れる弱さがある。柳の木のように、しなやかに強くなれ。」
本当の自分を見てくれていた。そう思った。
筆者はそれなりに修羅場をくぐり抜けて生きてきた自負はある。でも、鎧を着けて生きてきた。そのことを理解してくれていた。
仕事が全然うまくいかなくて、「生きているうちに軌道にのせられない」と弱音を吐いたときにはこう言ってくれた。
「それでも、歩いて、前につんのめって死ねばいいんだよ。」
今でも仕事はうまくいっていない。
もうお終いにしよう。
何度もそう思ったけど、そのたびにあの言葉を繰り返す。
「それでも、歩いて、前につんのめって死ねばいい。」
あの方は自分でもそれを実践された。
あの方は、命を使い切った。
そう思う。