小田原駅から徒歩5分。みのさんが私財を投じたミニシアターがオープン!
小田原シネマ館
小田原駅前に21年ぶりの映画館
3月20日、小田原駅から徒歩5分の場所に映画館がオープンしました。
1スクリーン、40席のミニシアターです。
その名は小田原シネマ館。
小田原で育った「みのさん」こと蓑宮武夫さんは、「自分が暮らす街から映画館が消える寂しさは、何ともいえないほど切ないものだった。」と言い、「小田原の街中に映画館を」という夢に挑み、とうとう私財を投じて映画館を建ててしまいました。
しかし映画館オープンを見ることなく、昨年10月、メキシコ出張中に体調を崩し急逝されました。
みのさん
みのさんは元ソニー執行役員上席常務でした。
ソニー時代に数々の部門において大きな業績を残してきたことは言うまでもありません。ソニー時代に分刻みで働いている蓑宮さんを拝見しています。
でも、筆者の記憶にある「みのさん」はソニー退職後の「みのさん」です。地元小田原のため、起業する人達のため、ここでは書き切れないほど精力的に活動されていました。とても生き生き輝いて楽しそうに。
「いまこそ人生で大切なことは映画から学ぼう」
みのさんの遺作となった本です。
みのさんはこの本の中で、私財を投じて小田原まちなか映画館を作った思いを述べていました。みのさんの思いをちゃんとお伝えするために、少し長いですがその部分を以下に引用します。
気持ちのいいミニシアター
先日、「コンサート・フォー・ジョージ」を観てきました。
2002年11月に、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催されたジョージ・ハリスンのトリビュート・コンサートの映画です。
高音質・高画質リマスターの”劇場独占スペシャル版"なので音質が良いのは当たり前かもしれませんが、それだけでなくシアターの音響がとても良いと感じました。
音量は大きいのに本当にクリアで、まるで包み込まれるような、ちょっとくすぐったいような気持ちいい音でした。
それに椅子が良いのです。
腰から背中が包み込まれ、長時間座っていても全く疲れません。
「良い映画館を作る」という「小田原シネマ館」関係者の皆様の熱意と決意が感じられました。
二階にあるイタリアンレストラン
シアターの二階には「LEGALO」というイタリアンレストランがあります。
映画の前にピザと赤ワインをいただきました。美味しかったです。
でも、映画の前にワイン2杯はちょっと飲み過ぎました。(反省)
映画館オープンの記事
ネット検索したら、「NHK横浜放送局 かながわ情報羅針盤」にオープン時のことを書いた良い記事がありました。
遺影の「みのさん」が最前列の席で見ている写真もありました。
ひとりで半導体エンジニア教育サービス事業の会社を起業した25年前から、みのさんにはお世話になりました。
筆者は、何も後ろ盾がなく、たったひとりで始めたので、所謂「何処の馬の骨か分からない」怪しいヤツでした。
「大丈夫か?」と気にかけて心配してくれた人もたくさんいましたが、「関係しないでおこう」と明らかに分かる態度で警戒・敬遠する人もまたある程度いました。
そんな馬の骨に仕事をくれたみのさん。
感謝してもしきれません。
ありがとうございました。