Kindle出版にワードを使うなら必見!原稿作成のコツと6つの注意点
はじめに
Kindleで電子書籍を出版するとき、原稿を作成する方法はいろいろありますが、一番簡単なのは、Microsoft Word(ワード)を使うことです。
ワードは多くの人が使っている文書作成ソフトで、基本的な操作は難しくありません。
しかし、ワードでKindleの電子書籍を作る時には、いくつかの注意点があります。
今回は、ワードでKindleの電子書籍を作る時の注意点について、詳しく解説します。
改行と段落の違いを理解する
まず、改行と段落の違いを理解しましょう。
改行とは、Enterキーを押すことで行を変えることです。
段落とは、文のまとまりで、字下げや行間隔などの設定ができます。
改行と段落は見た目が似ていますが、Kindleでは大きな違いがあります。
Kindleでは段落の最初の行に自動的に字下げが入りますが、改行では字下げされません。
また、改行では行間隔も変わりません。これは、Kindleがリフロー型という形式であるためです。
リフロー型とは、読者が文字の大きさやフォントなどを自由に変更できる形式です。
そのため、ページ数やレイアウトも読者によって変わります。このように、Kindleでは改行と段落では表示され方が異なります。
そのため、原稿を作成する時には、改行ではなく段落を使うことが重要です。
フォントやサイズはあまり意味がない
次に、フォントやサイズについてです。ワードで原稿を作成する時には、好きなフォントやサイズを選ぶことができますが、実はあまり意味がありません。
なぜなら、Kindleでは読者が自由にフォントやサイズを変更できるからです。
例えば、あなたがワードで明朝体やゴシック体などのフォントを使っても、Kindleでは読者が好きなフォントに変えられます。
また、あなたがワードで12ポイントや14ポイントなどのサイズを使っても、Kindleでは読者が好きなサイズに変えられます。
このように、Kindleではフォントやサイズはあまり意味がありません。
そのため、原稿を作成する時には、自分の好きなフォントやサイズで執筆しても構いません。
特殊文字や機種依存文字を使わない
続いて、特殊文字や機種依存文字についてです。
特殊文字とは、「①」「②」や「㈱」「㈲」などの記号です。
機種依存文字とは、「∀」「∃」や「Ⅰ」「Ⅱ」などの文字です。
これらの文字はワードでは問題ありませんが、Kindleでは文字化けする可能性があります。
これは、Kindleが特殊文字や機種依存文字に対応していないためです。そのため、原稿を作成する時には、特殊文字や機種依存文字を使わないようにしましょう。
確認する方法は、公益財団法人東京YMCAのサイトにある「機種依存文字について」という記事が参考になります。
目次を自動作成する
さらに、目次を自動作成すると便利です。
目次とは、本の内容を章や節ごとにまとめたものです。目次を作ると、読者が本の構成や内容を把握しやすくなります。
また、Kindleでは目次がリンク形式になります。
つまり、読者が目次の項目をタップすると、その章や節に直接移動できるようになります。これは、読者の利便性を高める効果があります。
目次を自動作成する方法は、ワードで簡単にできます。
まず、章や節のタイトルに見出しスタイルを設定します。
見出しスタイルとは、ワードが用意しているテキストの書式設定です。
見出しスタイルを設定すると、ワードが自動的に目次を作成してくれます。
見出しスタイルの設定方法は以下の通りです。
章や節のタイトルの横にカーソルを置きます。
「ホーム」タブで「見出し1」や「見出し2」などをクリックします。
文字揃えやフォントなどを好みに合わせて変更します。
各章や節のタイトルについて同じ手順を繰り返します。
見出しスタイルを設定したら、目次を挿入します。目次の挿入方法は以下の通りです。
目次を挿入したい場所にカーソルを置きます。
「参考資料」タブで「目次」をクリックします。
「自動的に目次を挿入」をクリックします。
好みのスタイルやレベル数などを選択します。
「OK」をクリックします。
これで、目次が自動的に挿入されます。原稿が変更された場合は、「参考資料」タブで「目次の更新」をクリックしてください。
画像や脚注は注意して挿入する
最後に、画像や脚注は注意して挿入しましょう。画像とは、本の内容を補足したり、興味を引いたりするために使うものです。
脚注とは、本文中で参照したり、補足したりするために使うものです。
画像や脚注は本の質を高める効果がありますが、ワードで挿入する時にはいくつか注意点があります。
画像を挿入する時の注意点は以下の通りです。
画像はテキストボックスやシェイプなどではなく、画像として挿入することが重要です。テキストボックスやシェイプなどではKindleで正しく表示されない可能性があります。画像として挿入する方法は以下の通りです。
画像を挿入したい場所にカーソルを置きます。
「挿入」タブで「画像」をクリックします。
挿入したい画像のファイルを選択します。
「挿入」をクリックします。
画像はJPEGやPNGなどの一般的な形式にすることが推奨されます。BMPやTIFFなどの形式はKindleで正しく表示されない可能性があります。
画像はサイズや解像度を適切に調整することが必要です。サイズが大きすぎるとファイルサイズが増えてダウンロードに時間がかかります。解像度が低すぎると画質が悪くなります。サイズや解像度の調整方法は以下の通りです。
画像をクリックして選択します。
「書式」タブで「サイズ」をクリックします。
「高さ」と「幅」を好みに合わせて変更します。
「OK」をクリックします。
画像はテキストとの関係を明確にすることが大切です。テキストとの関係を明確にする方法は以下の通りです。
画像の前後にテキストを入れて、画像の内容や意図を説明します。
画像にキャプションや注釈を付けて、画像の出典や詳細を示します。
画像に代替テキストを付けて、画像が表示されない場合や視覚障害者のために、画像の内容をテキストで伝えます。
脚注を挿入する時の注意点は以下の通りです。
脚注は本文中で参照したり、補足したりするために使います。脚注はKindleでは巻末注として表示されます。つまり、本文中で脚注番号をタップすると、本の最後にある脚注の内容に移動できるようになります。また、脚注の内容から本文中に戻ることもできます。これは、読者が本文と脚注との関係を理解しやすくする効果があります。脚注を挿入する方法は以下の通りです。
脚注を追加したい場所にカーソルを置きます。
「参考資料」タブで「脚注の挿入」をクリックします。
ページ下部の脚注のセクションにカーソルが移動します。
ここに脚注の内容を入力します。
脚注は本文中で必要な情報だけを記述することが重要です。脚注が長すぎると読者の注意が散漫になります。また、脚注は本文中で参照した内容と関連性が高いものにすることが必要です。関連性が低いものは別の章や節にまとめるか、削除するかしましょう。
原稿が完成したらプレビューする
以上で、ワードでKindleの電子書籍を作る時の注意点について解説しました。原稿が完成したら、プレビューすること必要です。
プレビューとは、原稿をKindleの電子書籍として出版する前に、実際にどのように表示されるかを確認することです。
プレビューをすると、原稿に品質上の問題がないかを見つけることができます。
品質上の問題とは、文字化けやレイアウトの崩れ、画像の表示不良などです。これらの問題は、読者の読書体験を損なうことになります。
プレビューをする方法は、無料のデスクトップアプリケーションKindle Previewerを使うことがおすすめです。
Kindle Previewerとは、ワードの原稿をKindle形式に変換し、さまざまな端末やフォントでどのように表示されるかを確認できるツールです。
Kindle Previewerの使い方は以下の通りです。
Kindle Previewerをダウンロードしてインストールします。
Kindle Previewerを起動します。
「ファイル」から「開く」をクリックします。
プレビューしたいワードの原稿ファイルを選択します。
Kindle Previewerが自動的に原稿ファイルをKindle形式に変換します。
変換が完了したら、画面上で原稿を確認します。
「デバイス」や「フォント」などのオプションで、表示され方を変更できます。
原稿に問題があれば、ワードで修正します。
まとめ
これで、ワードでKindleの電子書籍を作る時の注意点について解説しました。
ワードは簡単に使える文書作成ソフトですが、Kindle用に原稿を作成する時にはいくつか注意が必要です。
改行と段落の違いやフォントやサイズの意味、特殊文字や目次の作成、画像や脚注の挿入などに気を付けてください。
また、原稿が完成したらプレビューして品質上の問題を見つけてください。これらのポイントを押さえれば、ワードでKindleの電子書籍を作ることができます。
ぜひ、挑戦してみてくださいね😆