不妊治療について 男性不妊治療編

はじめに

こんにちは。
みやびこす(@miyabikosu)です。
フォロワさんはご存じかと思いますが、先日第一子が誕生しました。
本当にうれしく、今でも夢なんじゃないかと思う時があります。
といいますのも、実は我々夫婦は不妊治療を続けており、
その結果が実った、という経緯があったためです。
特に、私(夫)自身に大きな原因があり、妻は本当に頑張ってくれました。
そのあたりについて自身の記録のためと、
もし同じような境遇の人などの参考になればと思い
ちょっとnoteを書いてみよう!と思いました。
良ければ読んでみてください。

男性不妊について

そもそも男性不妊についてなのですが、「子供を作りはじめて一年たっても自然妊娠に至らない」ことを「不妊症」といい、そのうち男性側に原因があることを指します。不妊症のうち、「男性に原因がある」「双方に原因がある」の割合は約半数となることがわかっています。
男性不妊の原因はいくつかあり症状により分けられるのですが、私は「精子を作る機能」に障害がありました。その原因はストレスや飲酒・喫煙などの生活習慣によるものな場合もありますが、私は手術を要する症状が原因でした。それは後述していきます。

最初の精液検査結果

まず最初に、治療を行う前の一番最初の精液検査結果は以下の通りです。

手術前の検査結果

全体的に基準値を大きく下回っていることがわかると思います。
特に総精子数なんて0.0って衝撃の数値になっていますね…。
実際は完全にゼロではないのでその後の運動率、直進率などに数値が出ていますがいずれにせよ非常に小さい値です。
運動率や直進率についてですが、簡単に言えば精子が元気かどうかって判断基準で、総精子数とこれらの値を計算して「総運動精子数」っていうのを
算出します。
これが一定基準だと自然妊娠できるよ~みたいな判断基準となるのですが、
この数値だと自然妊娠はほぼ可能性としてはゼロで、
顕微授精(体外受精の一種)をするにも元気な精子を見つけ出すのが大変、みたいな数値でした。
こういう結果になるのは様々な理由があるのですが、私は「精索静脈瘤」という症状があることが分かったため、治療を行うことにしました。

精索静脈瘤の診断と手術

精索静脈瘤ですが、睾丸(きんたま)にある血管に異常が生じ、
血液が逆流してしまうことで瘤(こぶ)が出来てしまう状態のことを言います。これの何がいけないかというと、精巣内の温度が2~3度上昇します。
精子が熱に弱く、体温でダメにならない為にきんたまは外に出ている…なんて雑学を聞いたことがある人もいると思いますが、2~3度の温度上昇は精子にとって致命的です。また、血液の循環も悪くなるため栄養や酸素などが不十分になります。その結果、十分な精子が作られなかったり、作られてもその環境によりすぐ弱ってしまったり、質が悪くなります。
この症状、一般男性の10~20%がなるらしく結構多い印象です。痛みがある場合もあるらしいのですが、少なくとも私は自覚症状が全くありませんでした。
最初に受診していたお医者さんでは「精液検査結果が悪い」ということしか診断してくれず、サプリメントを飲むように言われましたが一向に良くならないため、男性不妊治療に強いお医者さんに掛かったらすぐにこの症状を診断してくれました。また、手術の日程もすぐ組んでくれて、一か月後には治療を行うことができました。
一日入院しての手術となりましたが、股間付近を開いて…って感じだったので数日歩くのも大変でした。今でも手術跡は残っています。

術後の検査結果

そして手術から二か月くらいたって十分に新しい精子が作られた状態での検査結果が以下の通りです。

手術後の検査結果

全体的に向上し、総精子数に数値が見える形になったかと思います。劇的に良くなっています。基準値にも近しい値で、非常にいい値に見えます。
…と言いたいところなのですが、この「基準値」は「最低限このくらいはあってほしい値」であって、健常な値ではありません。
例えば、総精子数で言うとここでは3200万ほどありますが、健常な方であれば1億を超えます。すでに1/3以下です。
さらに、自然妊娠できるかどうかは元気に運動している精子数で判断され、
総精子数×運動率で計算し、直進率なども加味するのですが
そもそもの総精子数が1/3であり、かつ運動率や直進率も最低限あるかないか、という程度なので自然妊娠は非常に難しい状況です。
そのため、顕微授精などの方向で考えましたがそれにしても精子の質がいいに越したことはないため、サプリメントの摂取を中心とした生活の改善を行うことにしました。

サプリメントによる治療と最終的な検査結果

サプリメントは本当にいろいろ試しました。最初は亜鉛だけを飲んでいたのですが、コエンザイムQ10も併せて飲むようになりました。他にもマカを飲んでみたり、最終的には男性不妊治療でおすすめされたメネビットをずっと飲んでいました。
あとはできるだけ股間に熱がこもらないようにする(下着やパンツなどに気を付ける)、サウナなどもさける、適度な運動をして血液循環を良くする(ただし自転車はやりすぎないようにと言われました)、特にスクワットはデスクワークを行うのであれば時々行うように指示され、可能な限り実施しました。
後述しますが、サプリメントが余り安くはないことと、精液検査を複数回行ったので経済的な影響は大きかったです。
実際の検査結果の推移は以下の通りです。

だいたい2~3年前くらいにかけての検査結果

検査項目がちょっと異なるのでわかりにくいのですが、「総精子数」がいったんよくなったあと、またかなり低い値になっているのがわかると思います。この原因はわからず、少しでもましになるようにと前述のサプリメントや運動をして回復に努めました。その結果、最後の計測あたりで少し数が見えてきたので、取れる可能性があるうちに精子凍結を行うことにしました。

精子凍結した時の値など

精子凍結当日、万全とは言えないですが何とか健全な精子を採取するくらいはできるくらいに回復しました。精子凍結する際は、院外(自宅)と院内の二回分採取し、そこから元気な精子を凍結しました。それがここで言う左の二列の検査結果ですね。その後も、念のためサプリメントを飲むのと検査は継続しておりました。最初は毎月、そのうち2~3か月に一回程度の検査としたので大体20回弱検査したかなって感じです。
このとき凍結した精子を使用し、顕微授精(体外受精)を行いました。そのあたりはまた別の記事で述べたいと思います。

ここまで、私の男性不妊治療について述べさせていただきました。
自分の記録のために書いておこうというのと、誰かの参考になればいいな、という気持ちで書いております。
なかなか他人に話しにくい内容だと思いますが、少しでも関心を引くことが出来たら執筆した意味もあったかな、と思います。

(余談)ここまでにかかっていたお金

あくまで私は…というところになりますが「男性不妊治療」において私がかけていたお金をザックリまとめておこうと思います。
別の記事で述べようかと思っているのですが、「不妊治療」に対する補助金制度は近年かなり厚くなっており非常に助かったのですが、「男性不妊治療」においてはその対象がかなり限定されており私より重い症状の人に向けてのものであるため、以下に関しては補助はありません。ただし、保険適用はあります。2022年度から不妊治療自体が保険適用となり、その恩恵自体は受けなかったので詳しいことはわからないのですが、たぶん僕よりはお金がかからずに済むようになったと思います、とてもいいことです。
まず「検査費用」です。一回あたりだいたい3000円くらいでした。
前述したとおり、20回程度行っているので6万円くらい。
また、私自身の身体の異常を検査するため、いろいろと検査を行いました。すべて合わせて5~6万くらいだったと思います。
それと、「精索静脈瘤」の手術費用です。だいたい15万円くらいでした、ここは当時でも保険適用されております。
そしてサプリメントですね。2~3年くらい飲んでましたが、ここが高いです。飲むサプリメントによりピンキリなのですが、月6000~7000円くらいかかっていたと思います。年間約8万円なので概算で20万円くらい。人によってはおまじないのようなものにこの金額をかけるのは躊躇すると思いますが私は結果に結びついたので飲んでいてよかったと思っています。
上記の合計金額として約45万円、「男性不妊治療」のみでかかりました。
「不妊治療」全体ではまだかかっておりますが、それはまた別の記事で述べたいと思います。ではまた~。


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