相貌失認
古い漫画になるけれど「食卓の魔術師」(佐々木倫子)という漫画があります。
主人公の黒田勝久は、雑踏を歩くのが怖い。
何故なら、
知っている人に会ってもわからないからだ。
2度や3度
会った程度の人なら
まず覚えていない。
「あら こんにちは」
・・・と言われた時の恐怖・・・
実は私は、この主人公の気持ちが非常によくわかる。
もしかして私をモデルにしたのではないだろうか?
・・・というぐらいそっくり同じ。
私は「名前」ならいくらでも覚えることが出来るのだが「顔」が覚えられない。そのためにした苦労話なら山ほどある!!(泣)
黒田には三本木という幼稚園以来のつきあいのある友人がいて、
黒田の知人のデータはほとんど三本木が記憶しているという設定。
私も学生時代は三本木のような友人がいたのです。
だから、学校内では何とかなっていたけど、それ以外ではかなり苦労していました。就職したり結婚した後は・・・かなり悲惨な有様!!
今は我が子が一緒に居ると色々と教えてくれるので助かっているんですけどね。
まぁ、とにかく、この主人公には非常に親近感を覚えました。
学生の頃は「相貌失認症」というものは知らなかったのだけど、ここ10年か20年ぐらい前からよく聞くようになってきたのかな?初めてその言葉を知ったとき、まさしくこれは私の症状だと思った訳です。
ついさっき会ったばかりの相手でも、場所が変わると、もう誰だか分からない。服や髪型が違っていたらもう完璧にお手あげ状態!もしも、犯罪に巻き込まれて犯人の顔を見ていても後で警察から似顔絵を描くのに協力して欲しいと言われても全く説明できない。
映画やドラマも登場人物が違う場所に出てくるともう誰が誰だかわからないからストーリーがイマイチよくわからない。<音声ガイド>があれば、「誰それがやって来た」なんて説明してくれるので大いに助かるんだけどね。
アニメなんかだと区別が付くので全然問題ないのですが・・・。
女性アナウンサーの顔なんてどれも同じにしか見えない。夫は非常によく知っていて世の中にはこんな人もいるんだなあ・・・と感心してしまうのだけど、そういう人の方が圧倒的に多い?
調べてみると50人に一人ぐらいの割合で<相貌失認症>の人がいるらしいので結構お仲間がいるんだって少し嬉しく思うんですけどね、スーパーで知り合いとすれ違っても全く気がつかない私は挨拶もしない嫌な人だと思われているのかもしれない。近頃はマスクしているからますますわからない!
でも・・・「マスクしてるから気がつかなかった、ごめんね」って言い訳出来るかな?