見出し画像

存在を知らない。【ひねくれ育児日記】

姪っ子の小学校入学祝いと甥っ子の誕生日祝いを探しにモールへ行った。入学祝いって何か月遅れなんだという話だが、子どももいるしコロナもあるしで待ってもらっていたのだ。

隣の駅にあるモールには2~3回、息子を連れて行っている。子ども用品のフロアへ直行して見始めるが、全然決まらない。姪っ子にはついつい“ゆめかわいい”服を買いたくなるが、入学祝いなのに小学校に着ていけないような服を贈るのもどうかと思う。夏服は安くなっているけれどもう着られる時期が短いし、秋服は出たばかりでたくさんあってどれにしていいかわからない。何軒かまわるうちに息子はすっかり退屈して、抱っこ紐の中から私の腕をがんがん叩く。そろそろ限界のようだ。

あと少しだけ、と急いで目を走らせたら、「BABY SALE」と書かれたコーナーが視界に入った。思わず近寄って見る。夏服、今息子が着ているサイズ。買っても今年しか着られない。ただ、60%オフになっている。私が目を離せなくなったのは、値引き後は私が今年ネットで買った服とそれほど変わらない値段なのに、段違いにおしゃれだったからだ。
つい買ってしまった。
もう、そんなに何度も着られないのに。

そういえば子どもが生まれてから、赤ちゃん用品店以外で息子のものを見たことがなかった。買った後、思わず隣の店にも入ってしまう。この間図書館で借りて息子に読んでいた絵本を題材にした積み木があった。もちろん息子に見せても覚えていなさそうだったけれど。そんなものがこの世にあるということに、この店に入らなかったら気付かなかっただろう。

ネットで買い物をするときはどうしても値段を重視して、求める機能が満たされていれば安いほうを選ぶ、という買い方をしていた。
でも実際に店に行ってみると、存在を知らなかったものに出会えることがある。最安値でなくても、目の前のものの品質と値段とを比べてお得なものを買う、という決断がやりやすい。

人生でいちばん小さくてかわいい時期に、そんなにお金をかけなくても、もっとおしゃれな服を着せてあげることができたんじゃないかと思うと、今更どうしようもないのに後悔が押し寄せる。そういう服があるということを知らなかったのだ。
コロナ禍の影響はこんなところにもある。もちろん、命の危険のような大きい問題とは全然違うのだけれど、影響が及んだのは確かなのだ。

離乳食の二回食を始めたが、タイミングが難しい。
タグに興味を示し始めた。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集