松かさ病の治し方
「松かさ病について」で松かさ病の私の見解を書きましたので、次は松かさ病の具体的な治し方です。
基本的な考え方は殺菌後、タンパク質を効率よく吸収させる。ですが、水質、消化不良も考慮に入れなければなりません。
1.塩を入れる
塩は普段から少し入れておくと様々な病気の発症を抑える事が出来ます。量はそれほど多くなく、10Lのバケツの水に対して小さじ1程度。粗塩を入れます。水草も枯れない程度です。塩は鰓から吸収されます。
病気治療の時は0.5%程度、粗塩ではなく食塩を入れます。
2.薬浴をさせる
細菌感染が松かさ病のトリガーとなっている場合も考えられるので、薬浴をしてきちんと殺菌します。代表的な薬はグリーンFゴールドなど。用法を守って行います。
3.濾過を強化する
栄養を沢山与えると水は汚れ易くなるので、濾過材を多く入れます。スペースがない場合は水槽内の水流のある所に濾過材をネットに入れて沈めるといいでしょう。
4.ビタミンを与える
ビタミンはタンパク質の代謝を助けるので、与えておくと効果が上がります。
現在は市販のビタミン剤が無くなってしまったので、人間用のアリナミンA等を与えます。
小さなカップに水を入れ、錠剤を入れてまずまわりの糖衣の部分を溶かします。糖衣が溶けたらその水はすてて新しい水を入れて今度はビタミン剤を溶かします。溶けたらスボイトで量を調整して水槽に入れます。だいたい50~80Lの水槽で一粒くらい、光で分解されるので、消灯後がいいでしょう。
3日に一回くらいのペースで与えます。
5.タンパク質を与える
タンパク質と言っても特別なものではなく、普段の餌、赤虫、食物性のタンパク質ならクロレラ、スピルリナなどです。
タンパク質は一度に吸収出来る量に限りがあるので、少量を数回に分けて与えると効果的です。動物性のタンパク質は消化に時間が掛かり消化不良を起こし易いので、糞の状態を見ながら消化不良を起こしているようなら、控えるようにしましょう。
食物繊維をあたえると消化が安定しやすいので、クロレラ、スピルリナ、茹でた小松菜なども与えるといいでしょう。
6.アミノ酸を与える
餌をこまめに与えても改善されない場合は、アミノ酸を与えます。アミノ酸は人間用の必須アミノ酸サプリメントを利用します。私は「Dear-Naturaの29種アミノ マルチビタミン&ミネラル」を利用しています。
必須アミノ酸はすり潰して餌と混ぜて水を加えて丸めて、乾燥させ餌を作り与えます。ここにココアやきな粉、またはスピルリナパウダーを混ぜてもいいでしょう。消化の状態を見ながら変えていくといいでしょう。
また、必須アミノ酸はそのまま水槽に入れても効果あるようで、金魚は鰓から吸収出来ているようです。最近の実感としては思っていた以上に吸収出来ていて、少しずつ時間をかけて吸収出来るのでタンパク質の吸収としてはとても効果的なようです。
80L程の水量で一錠程度、細かく刻んでから水槽に入れると溶けやすいです。ただし、突然多量を入れると濾過が追いつかないので、少しずつ量を増やすようにして濾過バクテリアを十分に増やしていくと安全に与えられます。2~3日おきに空腹時に入れると効果的です。
効果の見極め
効果の見極めは主に浮腫の進行状況によって行います。浮腫の進行が止まればその治療法は効果アリで、少しずつと水が排出されていきます。水が排出されれば鱗の開きも収まってきますので、焦らずに治療を続けていきましょう。
効果が見られないようであればその都度、治療法を見直していきましょう。必要に応じて薬浴、薬餌を作って与えたり、餌の見直しをしていきます。
私の経験ではひと月程かけて少しずつ水は排出されていき、身体が締まっていきます。
冒頭の写真は治療後の金魚です。
少しでも参考になれば幸いです。