【ボートレース】フライング、なぜダメ?
あまり長々と書くと読まれないと思うので、要点だけすご~くかいつまんでこの記事を書きます。
☆なぜ賭博を開帳できるのか?
そもそも、ボートレースは賭博です。許可なくボートレースを開帳した際は、刑法第186条:賭博場開帳等図利罪で罰せられます。それを避けるため、自治体はモーターボート競走法第1条および第2条に基づき、ボートレースの開催認可を得ます。
以下モーターボート競走法より引用
第一条 この法律は、モーターボートその他の船舶、船舶用機関及び船舶用品の改良及び輸出の振興並びにこれらの製造に関する事業及び海難防止に関する事業その他の海事に関する事業の振興に寄与することにより海に囲まれた我が国の発展に資し、あわせて観光に関する事業及び体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興に資するとともに、地方財政の改善を図るために行うモーターボート競走に関し規定するものとする。
第二条 都道府県及び人口、財政等を考慮して総務大臣が指定する市町村(以下「施行者」という。)は、その議会の議決を経て、この法律の規定により、モーターボート競走(以下「競走」という。)を行うことができる。
引用ここまで
ボートレースの目的は、「海事および観光・体育事業等の振興に寄与」すること、「地方財政の改善を図る」ことです。そのために賭博たるボートレースを開催・舟券を発売し収益を挙げ、その金を各事業の振興・地方財政の改善に回す。逆に言えば、これらの目的が果たされなければボートレースが存在する意味がなくなります。ここに、今回の記事の主眼があります。
☆フライング=自己否定
上の収益を挙げるために必要不可欠なのが選手です。逆に言えば選手は収益を挙げ、上記の目的を達成するために存在しています。主催者と選手は、どこまでも「収益を挙げる」「地方財政に寄与する」という目的の下つながっています。
そこでフライングの問題がやってきます。フライングが発生すると、もちろんプールされた金額は返還され、収益は発生しません。すなわち、これまで説明してきた目的が達成されなくなります。これは何を意味するか。自分が存在する意味を自分で否定することに他なりません。主催者も、「収益を挙げて関係各所に貢献する」という法律に基づいた国との約束を反故にします。フライングはボートレースの全てを否定する所業なのです。これが、フライングがダメだとされる理由です。
☆「客のために」は「収益のために」
ここからはちょっと別の話。これを言うと始めたばかりの人は怒るかもしれません。それでもこれは真理です。選手が「客のために走る」ことは「収益のために走る」と全く同義です。
もちろん、「間接的には」客のために走ってます。良いレースをして舟券に貢献する→客が認めてさらに舟券を買うという点で。
しかし、それはあくまで「間接的」であり、選手の直接の目的はどこまでいっても「収益を挙げる」「各種事業・地方財政に寄与する」ことです。舟券を買った客がいくら負けようが、売れりゃいいんです。その意味では、選手は「客のためになんか走ってない」とも言えます。
これに加え、客が言う「客のために走れ」は、実質「俺のために」―「俺がプラスになるために走れ」という自分勝手な意見です。「俺」を「客の代表」だと勝手に解釈しているのであって、基本何の意味も持ちません。
付記
上の理論で怒ってる人は、「ギャンブルをやってる人間なんてそんなもんだ」と自分自身を見つめ直してみてください。基本自分の舟券が当たりゃそれでいいでしょ?別の客の舟券なんてどうでもいいでしょ?自分が世界の中心でしょ?それでいいんです。舟券を買って、当たれば自分がハッピー。それを目指して明日も明後日も舟券を買ってください。
もちろん選手も自分のために走ってます。平均年収1600万を得るために。しかし、「自分のために」走るためには、それ以前に守らなければならないルールがあります。それを守れないなら、「自分のために」走る権利すらないというわけです。公営競技とはそういう世界です。