2023.08.18 vs名古屋グランパス
ポジトラで勝負を決めた
前節広島にロスタイム劇的逆転ゴールを許した浦和は、いろいろな意味で因縁の相手である名古屋と上位対決。
スタメン
浦和は、明本が前節は左SHでしたが、左SBで出場。トップには調子の上がっているカンテ、そしてトップ下には小泉が戻ってきました。
対する名古屋は、契約的に出場不可なユンカーの代わりに酒井が出場しました。
名古屋の狙い(前回対戦時も踏まえて)
前回4月9日に行われた第7節の時(0-0)には名古屋の3-4-3の配置に対し、名古屋のCBにはSHが、名古屋のWBにはSBがという風に、SHの大久保や関根をファーストプレスとし、一つずつ前に出る事を選択。
結果、大久保は浮き球でかわされ、SBが出た裏を、永井に使われるような展開になり、前からボールを獲り切ることはほとんど不可能な展開となり、4-4-2で引き気味のブロックを作らざるを得ない時間が増えました。
今節も名古屋は同じような狙いを持ってきました。
WBへのプレスをスイッチとし、酒井が釣れれば永井を走らせる。
最後は5レーンを使ってフィニッシュ。
勿論やり直しのプランも持ち合わせており、ボランチの内田と稲垣が三角形を作りに行きました。
対して今節の浦和は前から行くのではなく、最初は4-4-2で構え、名古屋のCBには浦和の2トップがプレスに行き、WBにボールが出た際にはSHがしっかりプレスバックし、名古屋がやり直すなら浦和も4-4-2に戻すという、5-3-2と4-4-2を状況によって使い分けるような形を取りました。
ポジトラで勝つ!
今節の浦和で最も特徴的であったのは、圧倒的なポジトラの強度の強さ、速さでした。
(ポジトラ=ポジティブトラディション。守備から攻撃への切り替えのこと。)
4-4-2→5-3-2で構える浦和に対し、名古屋の次のプランとしては、1トップ2シャドーを使い、中央から攻める事でした。
誰かが降りて、誰かが裏へ抜ける。その為にボランチやCBから降りてきた選手に縦パスを刺しこむことが必要になります。
浦和は、4-4-2のブロック守備を採用しており縦パスには強いのでことごとく中盤でボール奪取出来ました。
これまでの浦和と違うのは奪った後で、今まであれば最終ラインに戻して、ビルドアップを始めましたが、今節は奪ったらそのままカンテに縦パスを刺し、大久保や関根、小泉が裏へ走るという、ショートカウンターを仕掛ける場面が多くなりました。
中盤で奪えるようになったのも、2トップが名古屋のCBだけではなく、ボランチに対してもプレスしに行けたことが多いな要因となりました。
4-4-2のブロック守備では、3列になって守備陣形を構築します。
基本的に自分より前の列の人とは同じレーン立たないようにし、極論を言えば、相手目線は前に10人が横一列に並んでいるように配置します。
その立ち位置から、1列目の選手から、パスコースを限定しながらプレスをかけに行くことで、2列目、3列目がプレスの目標を定めやすくします。
この1列目の守備の仕方は非常に重要で、以前在籍していた松尾はとても追い込み方が上手でした。
今節のカンテと小泉も上手く、1列下がってまで追ってくれるので浦和の2列目、3列目の選手は守備がしやすかったのだと思います。
最後に
試合開始10分のカンテの理不尽ゴールを喰らい、名古屋としては縦パスを刺し、縦に速く前進しよう!と意気込む瞬間に浦和にカットされ、むしろ縦パスを刺されては、前にダッシュした瞬間、後ろに走らされるというメンタル的にも厳しい状況に追い込まれ、場所は埼スタで…
浦和からすれば大分プラン通りに試合を進められたのかなと思います。
また、奪ってカンテのポストプレーからウイング化した大久保の1vs1で勝負するという攻撃方法は新しい浦和が見ることが出来て良かったと思います。
あれだけ前線でチャンスを作って、守備では最終ラインまでプレスバックする大久保はとてもスコルジャからも信頼もされていそうで、ライバルとして中島や安部も用意され、今後の成長に期待です。