沖縄で暮らす。二拠点生活でリゾートワーク!生活環境が整った北谷町の便利さは、心身を健康にしてくれる
今日は、2020年5月11日。段々と曜日の感覚を失いつつあり、毎朝カレンダーを見ては「今日は月曜日か…」と確認する有り様だ。そして、沖縄が今日から梅雨入りしたと、沖縄タイムスのTwitterがつぶやいていた。
今日から一週間先まで天気予報は雨マーク。2月に埼玉で買ったお気に入りの傘を使う楽しみが、増えるともいえる。スーパーにしろ、近所のテイクアウトにしろ、運動不足解消がてら徒歩で向かいたいんだ…。
お気に入りの長靴を探して、毎年恒例の梅雨をお出迎えしてみようか。
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沖縄出身のウチナンチューたちと沖縄移住したナイチャーたちが、2019年に「沖縄で暮らすこと」を題材に記事を執筆しました。
ビフォーコロナの沖縄で暮らす記憶。改めて「暮らしのあり方」を考え直すヒントになったら幸いです。楽しく読める暮らしのエッセイに新たに編集を加えて、noteでお届けします。
Produced by OKINAWA GRIT
[1点だけ補足]この記事は、2019年7月に公開したものです。
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高校の修学旅行で、はじめて訪れた沖縄。「こんなところに住めたら最高だな」と思い続けたものの、会社員時代はせいぜい1年に1回旅行でくるのが精一杯でした。独立すると沖縄↔︎東京間を往復する回数はどんどん増加。
いつしか「こんなところに住めたら最高!」との思いが、「もしかしたら住めるかも?」という期待に変わっていったのです。
<WRITER/佐藤 智>
「The観光地」のイメージと優れた生活拠点の顔を持つ北谷町
沖縄と東京の二拠点生活をスタートしたのは、ゴールデンウィークが終わり、沖縄が梅雨に入った頃でした。夏には、また大挙して観光客が訪れる。混み合う前に、少しずつ沖縄の暮らしに慣れることができたらいいなと思い、那覇空港行きの飛行機に乗り込みました。
二拠点生活先に北谷町を選んだのは、頼れる人が住んでいたため。友人・知人を軸に交友範囲を広げていくと、その土地に早く馴染むことができるんだと沖縄での生活を通して知りました。
現在、私は起業して自営業で編集とライターの仕事をしていて、時間や場所にとらわれない比較的自由な働き方をしています。
二拠点生活をスタートした頃は、書籍のライティングの仕事が増えたタイミング。本の制作は、東京で何度か対象者を取材して、その後はひたすらデスクに向かって執筆をします。
このサイクルならば、執筆タイムを沖縄で過ごすことで、集中力が高まり、仕事にも良い影響が出るのではないか、と睨んだのでした。
その目論見は大当たり。二拠点生活をスタートした当初、原稿執筆のスピードが上がったことが非常に印象的でした。沖縄の環境がなせる技ともいえるのか、私の場合は下心もあったりして、一刻も早くクオリティの高い原稿を納品して外出したいとウズウズしてたのです。
東京で生まれ育った私にとって、歩いて白い砂とコバルトブルーの海に行ける生活はワクワクそのもの。今でも、「原稿1本頑張って書いたから、海に出かけよう」「なんだかモヤモヤするから、海を見てリフレッシュするか」と、トコトコと出かけています。
観光では何度も訪れた沖縄。北谷町には、ガイドブックには必ずといっていいほど掲載されている「美浜アメリカンビレッジ」があり、The観光地のイメージが強く、私もよく来ていました。
果たして、住むとなるとどうなのかしら。「飽きることもあるのかな?住み心地はいい?悪い?」移住当初はさまざまな思いがよぎりましたが、実際のところ、年月を重ねた今でもこの土地に魅了され続けています。
それは、北谷町が極めて優れた生活拠点であったからだといえるでしょう。
沖縄での生活をスタートさせた頃は、まったく土地勘がなかったものの、興味の赴くままに外出をしていると、自然と行動範囲は広がっていきました。住んでみなければ気づかなかった発見もチラホラ。今回は、私のそんな小さな発見をお伝えしていきます。
移動手段への不安を払拭!バスを駆使した北谷町暮らし
沖縄県外の人と話をすると、「北谷町ってどのあたり?」と聞かれることがあります。沖縄に訪れたことがある人にとって、もっともイメージしやすいのが、那覇でしょう。一方で、中部から北部までを認識している人は、なかなかの“沖縄通”だと言えます。
北谷町は、那覇市から北に16kmの位置にあり、観光地と住宅街、そしてビーチがギュギュッと詰まった多面的な顔を持つ町です。
都心部から沖縄へ移住する際には、交通手段が心配になると思います。
残念ながら、北谷町には沖縄都市モノレール「ゆいレール」は通っていません。暑さが厳しくなると車があった方が断然便利です。何を隠そう私も、東京でペーパードライバー教習を受けて、怖がりながらもなんとか運転できる・・・かも?レベルにはなり、沖縄での生活をスタートしました。
しかし、今の所、車は持っていません。暫定的にバスを駆使して生活しようと思っていたら、案外これで暮らせてしまうとわかったからです。空港から直通バスを利用して、北谷町から那覇方面にはかなりの本数が出ています。
沖縄の道路は時間帯よって渋滞するため、東京の電車移動のようにスムーズにはいきませんが、時間に余裕を持って動ける方ならば、そんなに不便は感じないでしょう。
もしバスユーザーになるならば、沖縄本島で使える交通系ICカード「OKICA」を利用すること。バスとゆいレールで使用できます。
ちなみに、Suicaなど県外の交通系ICカードは使えません(2019年7月現在)。「バスなび沖縄」というバス情報を確認できるアプリを入れておくと便利。時刻表と近くのバス停を検索できるだけでなく、バス停への接近情報も見られます。
また。、町内での移動は北谷町コミュニティバス「C-BUS」が便利!
「美浜アメリカンビレッジ」やダイビングスポイントの宮城海岸、夜景が綺麗だと評判の謝苅公園など、町内の多くのスポットを循環して一律200円(1日5〜6便運行)。帰りのバスの時間をチェックして、パパッと用事を済ませれば、時間のロスなくスムーズな移動が可能になります。
日用品の購入に困らない。あえて産直野菜を仕入れ沖縄料理にチャレンジ!
暮らすとなると気になるのが、日用品をどこで買うかという問題。北谷町には「イオン北谷店」をはじめ、「サンエーハンビータウン」など大型ショッピングセンターがあり、食料や生活用品の買い出しに困ることはありません。
正直、私は、東京での暮らしに慣れていたので「不便を感じることもあるのかな?」とも思っていましたが、いい意味で期待は裏切られました。
24時間のコンビニも、深夜0時まで営業するドラックストアも、憩いの場となる居酒屋も、西海岸にはWi-Fiが使えるカフェも、すべて徒歩圏内にある。北谷町での生活は、拍子抜けするくらい過ごしやすかったのです。
スーパーやコンビニで首都圏と変わらない商品を手に入れるのもいいけれど、「せっかくだから、沖縄らしさを味わいたい!」と思う方も多いはず。何を隠そう、私もそう。沖縄が好きで足しげく通った結果、住みついたんですからね。
そんな沖縄ならではの暮らしを味わいたい方に紹介したいのが、県産野菜が多く手に入る「JAファーマーズマーケット 北谷ニライ市場」です。インパクト大のもやし詰め放題からはじまり、ゴーヤーやパイナップルなど定番の県産野菜・果物が揃います。
県外では手に入りにくい、ナーベーラー(ヘチマ)やモーウィ(赤瓜)などの琉球野菜も入手でき、「これは何だろう?」「どうやって食べるんだろう?」と探究する楽しみも。私は、「定食屋や沖縄居酒屋で味わったあの沖縄料理を作ってみたい!」と、ひそかに挑戦する日々を送っています。
海を眺めながらの「リゾードワーク」も夢じゃない
私は多くのフリーランスの方同様、パソコン1台とネット環境さえ整えばどこでも仕事ができます。そのため、沖縄に移住してもあまり不自由なく、快適に仕事ができています。そんな私が特に気に入っているのが、海を見ながらの「リゾートワーク」です。
引きこもりがちな仕事をしていると、せめて外の空気を吸いながら作業に没頭したい・・・そんな気持ちになることがあります。
北谷町には、サンセットビーチとアラハビーチという2つのビーチがあり、屋外で海を眺めながらパソコンに向き合える環境が整っていて、穏やかな波を見ながら仕事をしています。
私の他にも、おそらく元来の沖縄県民ではないであろう方たちが、読書をしたり、タブレットで仕事をしたりする姿を目にします。実のところ生粋の県民には、「なんでわざわざ外で仕事したいの?」と尋ねられたことも。
県民にとって、美しい海は当たり前の存在。だから、仕事をしながら見るものではないのかもしれませんね。しかし、少なくとも私にとっては「リゾードワーク」はモチベーションが上がる仕事のスタイル。沖縄の潮の香りに包まれながら仕事をしたくなるのは、海ナシ地域に生まれ育ったサガなのでしょう。
とはいえ、このリゾートワーク。
時期が限られるなどの課題もアリ。残念ながら、沖縄の夏の暑さの中で屋外に長居はしていられません。また気温が上がれば、観光客の喧騒も一層増します。
風が強い日も多いので、家の窓から顔を出し、心地よい日を狙って、「今日こそは!」と繰り出すのです。
東京にいるときの私は、自分を褒めてあげることが苦手でした。
1日の終わりにベッドに入りながら、「あぁ、もっとあれをやりたかったな」「これもできなかった」と悶々として眠りに就くことが珍しくありませんでした。しかし、北谷町でリゾートワークをした日には、きちんと自分を褒めてあげられる。
「今日も1日よく仕事したな!」と満足度高く寝付けます。
十分な日光を浴びているからか。あるいは、海を見ながら開放感の中で仕事に打ち込んでいるからなのか。心身の健康にとてもよい影響を与えているのは確かだと感じています。
海沿いをウォーキングして、心も体もリフレッシュ!
車社会の沖縄県。気温や湿度の高さも手伝って、徒歩圏内でも車移動になりがちです。そんな運動不足解消にも有効なのは、海沿いのジョギングやウォーキング。アラハビーチからサンセットビーチにのびる遊歩道では、海風に背中を押されて汗を流す人を多く見かけます。
私の定番のお散歩コースは、中日ドラゴンズがキャンプをする野球場や水泳プール、健康トレーニングセンターなどが集まる北谷公園を通り、サンセットビーチに抜けるルート。「ああああ、めちゃくちゃ集中して仕事したぞ!」という日には、このスペシャルなお散歩に繰り出します。
のら猫やヤギとふれあいながら、海沿いをぐんぐん進みます。
沖縄では、食用にすることもあってヤギの存在が身近。昔は本島でも飼っていた家が多かったのだとか。遊歩道の傍に飼育場があるのも、そんな背景があってのことかもしれません。
ジョギングしている人に抜かされて、日光に肌を焼かれながら、海風を吸い込む。沖縄の海は、東京湾とはまったく違う香りがします。
20分ほど歩くと、一息入れたい気持ちに。ちょうどそんなタイミングで、温泉とプールが一体化したリラクゼーション施設「Terme VILLA ちゅらーゆ」があります。海の潮や散歩でかいた汗をスッキリ流しに、そそくさと入館。
沖縄県には温浴施設が少なく、気温の高さからかお風呂に浸かることにあまり興味がない県民の方も多いのです。住居にもそんな県民性が現れていて、浴室に湯船がなくシャワーだけの賃貸物件も存在します。
ちゅらーゆ内にある露天風呂「ちゃたん恵み温泉 美浜の湯」はなんとも嬉しい源泉掛け流しの露天風呂温泉です。全国の温泉宿を点々としてきた私の幸せ指数は、住まいの近くに温泉があるかないかで大きく変わってきます。
この湯は、ナトリウム 炭酸水素塩温泉で、体の芯から温めてくれます。案外冷える沖縄の冬を乗り越えるべく、また、仕事で疲れた体へのご褒美についつい長湯をしてしまいます。
ちなみに、ちゅらーゆの入館料は平日大人1,300円(土日祝日1,600円)のところ、町民の場合は土日平日問わず1,000円に。町民メリットを思いきり享受してしまいましょう!
施設の外には、無料の足湯も併設。「今日は足湯の気分」とのチョイスもアリ。友達とおしゃべりしながらの足湯タイムも最高ですよ。
そして、お風呂上がりには、喉を潤そうと、ついついアルコールに手が伸びてしまう。ちゅらーゆに面した「Island Paddler's」には、さまざまな種類のモヒートが揃っています。
スタンダートのバカルディモヒート(600円)から、沖縄を感じさせるマンゴーモヒート(800円)やパイナップルモヒート(800円)まで。
フルーツ好きの私はつい、マンゴーモヒートを注文します。ゴロゴロとマンゴーが入っていて美味。ワシャワシャと細かな氷とミントをかき混ぜながら、体を潤わせる至福。たまりません!
モヒートを飲みながら、ぼんやり海を眺めているとフッと思いもよらないアイディア浮かんだり、いい表現が飛び出してきたりして。
そんな「ヨシ!」をスマホに素早くメモすることで、私の1日の満足度はさらに高まります。遊びの中で仕事をしたり、仕事の中で遊びをしたりするのが、私のいいペース。
大きな夕日をぼんやり眺めながら、1日の終わりを体全体で感じられる。こんな暮らしは、控えめにいっても「結構豊かなもの」なのではないかと思っています。
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