私が(ほぼ)お酒を辞めたきっかけ / Too Much Sake (Horace Silver)
2021年に開催した【A Story of Jazz 禁酒法スペシャル】で取り上げた作品。Horace SilverのToo Much SakeのFX フルートヴァージョンの作品です。
▶︎ Too Much Sake (Horace Silver) | SOJ禁酒法スペシャルより
【A Story of Jazz 禁酒法スペシャル】は、昨年ちょうど飲食店でアルコールが禁止された時期に開催しました。
元々私はお酒が大好きで、20年近く常用飲酒していました、量は日によって差があるものの、毎日必ずビール1本飲まないと眠れない状況だったので、アル中と言っても差し支えない状況です。
飲む事を自由にコントロールできるようになる事が長年の願いでしたが、なかなか最後の1本が辞められずにいました。
芸術とアルコールは関係性が深く、世界各地の信仰を見ても、お酒を神様に捧げるなど、宗教との関わりも大きいです。お酒の場で音楽が演奏される事も多く、これまでの活動で、飲食業界とのつながりで数々の楽しい現場を経験しました。音楽業界もそうですが、この数年の飲食業界の厳しい状況に、何かできないかと考えて、取り組んだ企画がA Story of Jazz 禁酒法スペシャル でした。
あらためて、お酒と音楽の関係を見直すと、皆で喜びを分かち合う場には最大の効力を発揮しますが、ネガティブな場でのお酒は良い事が一つもない事がはっきりしました。
第一次世界大戦後にアメリカで制定された禁酒法もそうですが、禁止する事によるフラストレーションを、分断を生み出したい人達が利用する構図で、それに利用される側に回るのは御免だな、と思った瞬間、今までどんなに辞めたいと思っても、辞められなかった最後の一本をパッタリやめる事ができました。
今は、友との祝福の時は、美味しくお酒を飲みますが、感覚を鈍らせて何かを誤魔化すような不健全な飲み方はしなくなったので、この一連の騒動にある意味感謝です。
喜びの共有の場でのお酒は、生産者や販売者に最も敬意のある関わり方。やっとここまで来れた事を嬉しく思います。
この作品の原作 Horace SilverのToo Much Sakeは初の来日ツアーで歓待を受けたホレスが感激して、帰国してからその時の体験をモチーフにして作ったアルバム「Tokyo Blues」に収録されています。
▶︎原作 Too Much Sake (Horace Silver)
音楽には未知の世界をつなぐ力があります。初めての土地での感動の体験を、持ち帰って自分の音楽としてさらに発展させて、人々を幸せにする事。こんなに素晴らしい事はないですよね。
Horace Silverの演奏から、初めて神に捧げるお酒でもある、日本酒を飲んだ時の感動、人々から受けた温かいおもてなしに対する感謝や、日本酒独特の酔いの周り方に驚愕する様子が、手に取るように伝わってきます。
私もお酒の場での喜びの共有に感謝の気持ちを込めて、この作品を制作しました。
▶︎A Story of Jazz プレイリスト
https://youtube.com/playlist?list=PLeBsKNKVsjb6z1_VRh6wcKNKPz52sZDik
A Story of Jazzではこれまで、Jaco PastoriusやMiles Davisなど総勢19名のジャズレジェンドを取り上げ、毎回一人にフォーカスし、寳玉義彦のトークとMiyaのフルートソロで、現代におけるジャズの形を模索してきました。
ジャズは、混沌、革新、洗練の均衡の中で、細胞分裂を繰り返し、時代に合うサウンドを提要し続けます。
2019年からは、ソロフルートにエフェクトを加え、より広がりのあるサウンドに、そして、対面ライブが難しかった時期から、Youtubeに作品を発表する事で、活動の場を広げています。
ジャズが大好きな方にも、これからジャズを聴いてみたい、という方にもおすすめの内容です。ジャズジャイアンツが予言として私達に残してくださったメッセージ、日々の暮らしに役に立つ事がたくさんあります。日々の彩りにお使いいただけたら幸いです。
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