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2024年「ちばアクアラインマラソン」出走記

2012年から始まり、2年に1度開催されている「ちばアクアラインマラソン」が今年は11月10日に行われました。数日前までは雨予報も出ていましたが、当日はスタート時点は曇り、スタート1時間後くらいに少しだけ雨が落ちたもののすぐに止み、12時以降は日差しが届く時間もありました。気温は10度台前半だったのでランナーにとっては大会に適した天候だったと言えるでしょう。

今回は2024年大会のレビューと、次回以降に参加される方へのアドバイスや注意点も書いていくのでぜひお役立てください。

アクアラインマラソンの特徴

アクアラインマラソンには大きな特徴が2つあります。
①東京湾アクアラインがコースに設定されている
②地元色がとても強い大会

東京湾アクアラインがコースに設定されている

その名の通りコースに東京湾アクアラインが設定されていることです。フルマラソンとハーフマラソンの2つが同時開催となり、いずれもアクアラインの橋上を走ることができます。木更津金田ICからアクアラインに入り、海ほたるにて折り返し、木更津金田ICまでの往復で約10kmがアクアライン区間になっています。当日強風の場合にはアクアライン区間がカットされることもあります。

アップダウンや風が気になるランナーはいるかもしれませんが、遮るものが何もない360°東京湾を見渡せるため、景色は本当に素晴らしいです。折り返しの海ほたるでは千葉の特産を使ったフードが並びます。びわ餅、びわゼリー、焼き鯵ピロなどが楽しめますよ。

地元色がとても強い大会

「千葉の魅力発信」をテーマに掲げているだけあって、会場ではスポンサーだけでなく、千葉県内の多くの市町村がブースを出店し、名物をPRしています。観光PRだけでも盛り上がっていますし、地域の飲食店などがキッチンカーを出店し、食事や飲み物、スイーツも楽しめます。海ほたるのエイド以外にも、36キロ付近では地元木更津産のブルーベリーが提供されました。

地域の方々の歓迎ムードが濃く、沿道にお住まいの方々や店舗の方々、アウトレットにお買い物に来たお客様なども声援を送り続けてくれます。近所の小中学校がクラスや学年単位で沿道にずらっと並び、ピュアな声援を送り続けてくれます。彼らとハイタッチしていくのもキツさが紛らわされて、足が軽く感じられるようになりました。木更津や袖ケ浦の人々の温かさを強く感じることができます。

その他の特徴(コース、アクセス、運営面など)

  • 9:50スタートと遅め
    ハーフマラソンと同時にスタートで、2024年は3段階に分かれてウェーブスタートでした。

  • トイレが充実
    着替え場所となる体育館、荷物預け場所、スタート付近にお手洗いが充実しています。場所もわかりやすく、トイレを探し回る心配はないでしょう。

  • 潮風公園でアップができる
    早めに潮風公園に行けばアップができます。ストレッチ等に最適な芝生、公園にはジョグに適した歩道もあります。

  • 前後半に2つずつ大きなアップダウン
    アクアライン上と30キロ過ぎの市街地に大きなアップダウンがありますが、アクアラインまでと19キロ〜32キロくらいまではほぼ平坦です。その分だけペース配分の難しさはありますが、アクアラインで消耗しないようにすれば問題ないでしょう。

  • 公共交通機関の増便
    JRは臨時特急を走らせ、内房線直通の総武線快速も朝夕に増便してくれます。各方面からの高速バスも増便されるのでアクセス面での不安はありません。

魅力に感じた点

次に、私自身が走ってみて他の大会と比べても魅力に感じた点をいくつかご紹介します。

  • 景色の良さ
    なんといってもアクアラインから360°見渡せる東京湾は絶景でしょう。一方、私は後半に走る袖ケ浦、木更津ののどかな風景も好きになりました。市街地に限らず、地元の方々が沿道を埋め尽くし、ランナーに熱のこもった声援を送り続ける景色も決して忘れません。

  • スタート前のランナーの移動導線
    木更津駅から会場まで、よくよく考えられた導線づくりとスタッフ配置がなされています。木更津駅からはより広い歩道のある東口へ誘導されるのですが、西口に着くバスなどもあるため、西口側にもスタッフが配置されています。会場からスタート地点までのランナーで大混雑するエリアも交通規制を行って歩道をランナーが通れるようにされているほか、更衣室や企業ブースのある会場、荷物預けエリア、またそこからスタート地点まで全て一方通行での導線がつくられているため、秩序が保たれ、混乱なくスムーズな移動を実現しています。

  • ゴール後の移動導線
    荷物預けの場所がそのままゴール地点になっています。ゴール地点が広いので、倒れ込むランナーがいてもぶつかる心配がありませんでした。ゴール後も一方通行導線に従って更衣室まで進ことができますし、荷物を受け取る場所のすぐそばがゴール前最後のコーナーになっているため、ゴール後すぐに仲間を応援することもできます。

  • アクセスの良さ
    木更津駅から更衣室になっている体育館まで徒歩15分、荷物預け場所まで徒歩2分、スタートまで徒歩20分と徒歩移動の距離が長いですが、駅からスタート地点まで各所に誘導員が立ち、体育館からスタート地点までは交通規制もされた場所を歩けるのは恵まれた環境と言えるでしょう。シャトルバスの乗車で数十分待つことやマイカーの場合駐車場周辺の渋滞に巻き込まれることなどがある大会もあるので、徒歩でストレスなく移動できるのはありがたかったです。

  • 記念品のバリエーション
    事前に送られてくる記念品も豊富です。アウトレットの割引券や絆創膏、千葉県内の観光案内などランナーのことを考えた内容に加えて、「また千葉に来てほしい」という気持ちが伝わってきます。

  • 地元色が強く歓迎ムード
    アクアラインマラソンは地元色を強く感じられる大会です。会場では県内の自治体やスポンサーが競うようにPRを行なっており、「千葉に来たんだな〜」と強く感じられます。私は千葉県で生まれ育っていますが、千葉県に関して新しい発見ばかりでした。コース周辺でも応援パフォーマンスや私設エイドの充実度からランナーへの歓迎ムードを強く感じ、気持ちよく走ることができます。

  • 走っていて楽しい、爽快
    序盤は木更津の港町の空気を感じ、アクアラインで東京湾を一望、アウトレットを抜けて後半は袖ケ浦と木更津ののどかな優しい風景を臨みながら、終盤は住宅街と激坂を経て港へ戻ってきます。このように、アクアラインマラソンのコースは景色の移り変わりが非常に激しく、常に新鮮な気持ちで走ることができました。沿道の声援がほとんど途切れないので、本当に爽快で楽しいコースです。

参加する上で注意するポイント

アクアラインマラソン特有の注意すべきポイントもいくつかあるのでご紹介します。

  • 駐車場はない
    大会本部で公式に用意している駐車場はありませんので、JRか高速バスのどちらかで木更津駅へ行き、駅からは徒歩で会場入りになるでしょう。8時には木更津駅に着き、8:15から遅くとも8:30には更衣室となる体育館には着くように計画しておくとしっかりと余裕を持った準備ができます。

  • JR特急を発売と同時に取る
    当日朝の総武線快速はランナーで非常に混みます。グリーン車も座ることが難しい状況になります。そこでおすすめなのがJRの臨時特急です。次回開催時の運行があるかはわかりませんが、2024年は東京から総武線経由と京葉線経由の2本が運行されました。通常のJR特急と同様に1ヶ月前の10時から購入できるようになります。えきねっとを活用すれば1ヶ月以上前からでも予約ができます。私はこれを活用し、車内で朝食とコースマップの見直しを座って快適に行うことができました。

  • トイレのタイミング
    更衣室になっている体育館や荷物預け場所のお手洗いは混雑します。スタート地点まで徒歩20分くらいある場所でお手洗いに並ぶのは危険すぎますし、何より落ち着かないでしょう。着替えを済ませ、荷物を預けたらさっさとスタート地点に移動してしまうのが得策です。空いているうちにお手洗いの利用ができ、公園内でじっくりアップもできます。

  • 橋上の気温変化と風対策は必要
    アクアラインの橋上ではほぼ確実に風があります。また、平地よりも3〜5℃程度気温が低くなるため、少し寒く感じるでしょう。しかし、平地に戻ってからのハーフ以降は時間帯的にも気温が上がってきます。橋に入る前と比べてハーフあたりでは5℃は気温が上がっていることを想定しておいてください。そう考えると、スタート時点はもちろん、橋の上では少し寒さを感じるくらいの服装の方がいいのかもしれません。

  • 坂に備えて計画的なペース配分と補給を
    前半にアクアライン、終盤にほたる野と清見台の坂が目立つのでその3ヶ所に意識が向きがちですが、6kmすぎの金木橋、23kmすぎの袖ケ浦アンダーパスもそれなりに負担のかかる坂です。特に6kmの金木橋に注意です。6kmというと体が温まってきてペースが上がりそうになるタイミングですし、このあたりの声援に乗ってついついペースが上がってしまうポイントです。ここではまだまだおさえておきましょう。私の見る限りでは多くのランナーがアクアラインの風とアップダウンにやられて消耗していたようです。ハーフすぎの平坦な道ですでに足が重そうなランナーが少なくありませんでした。23kmすぎの袖ケ浦アンダーは5kmほど平坦な道を走ったところで突然現れる急坂です。袖ケ浦駅付近で内房線をくぐるため、急坂を下ってまたすぐに一気に上っていくという場所です。ここで脱力して、負担をかけないように走ることが30km以降の2つの坂をクリアするためのポイントです。
    アクアラインマラソンを走り切るコツは、前半をしっかりとおさえて走り、中盤の平坦なところは淡々と、終盤の2つの坂ではペースを落としてでも止まらずに走れるようにします。そうすれば40km付近の内房線跨線橋も怖くありません。

アクアラインマラソン出場者へのアドバイスまとめ

  • 1ヶ月以上前にJR特急を取る
    都内各地と川崎、横浜から木更津駅まで高速バスでアクセスできますが、やはり快適でお手洗いもあって、時間が読める鉄道がおすすめです。在来線はもちろん大混雑しますし、臨時特急も油断すると満席になるので、えきねっとでの予約が可能になったらすぐに取りましょう。

  • お手洗いはスタート地点で行く
    更衣室や荷物預け場所のお手洗いが混みます。スタート1時間前には荷物預けを済ませてスタート地点へ向かいましょう。スタート地点でお手洗いを済ませてアップして整列の流れが一番スムーズで落ち着いて準備ができます。

  • 気温変化と風を意識した服装
    アクアライン橋上では気温が下がる上、風があります。陸に戻ってきてからは気温上昇との戦いになります。

  • 声援に応えながら走ろう(特に上り坂)
    地元の皆さんが気持ちを強く込めて声援を送ってくださいます。ぜひ応えましょう。「走るのに精一杯で応える余裕なんてない…」という方もいらっしゃるでしょう。以前の私もそうでした。ですが、声援に応えると沿道がさらに盛り上がり、それによってパワーをもらえるという不思議な現象がマラソンでは起こるのです。マラソンはつくづくメンタルのスポーツなんだと実感します。特に終盤の上り坂では、走りに集中するほど辛いです。私の場合、「声援に応えてパワーチャージしている間に、気がついたら上りきっていた」という状態でした。応援してくださる方々への感謝を込めて、また自分のためにも沿道の方々とのコミュニケーションも大切に走りたいですね。

まとめ

執筆時点では公式発表はまだですが、次回開催はおそらく2026年になるかと思われます。エントリー期間は2024年は3月末頃〜5月上旬でした。

千葉の魅力をたっぷりに浴びるちばアクアラインマラソンをぜひ楽しんでくださいね!

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