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ASICSのS4+YOGIRIがサブ3.5ランナーにもおすすめな理由

ASICSのS4+YOGIRGIはフルマラソンでの4時間切りを目指すランナーに向けて2024年10月に販売開始されたカーボンプレート搭載のランニングシューズで、2025年1月には新色が登場するなどASICSを代表する人気シューズの1つとなっています。

S4という名前の通りサブ4を目指すランナー向けのシューズなのですが、多くのサブ4達成者に使い続けられ、ランニングシューズ販売員の方の中にもサブ3.5やサブ3を狙うランナーに向けておすすめする方も多くいます。

今回は、S4+YOGIRIのご紹介と、サブ4向けシューズがなぜそれより早いランナーに向けてもおすすめなのか、その理由を解説します。

S4にまつわる4つの"S"

Speed

かかとから前足までフルレングスで搭載されたカーボンプレートによる推進力を得ることができます。

Stability

シューズの接地面を拡大したほか、かかとにかけてミッドソール上部が外側に張り出す形状にしたことで安定感が出ています。

Safety

優れたグリップ力を発揮してくれるASICSGRIPをアウターソール全面に採用することであらゆる路面に対応してくれます。かかと部のラバーの厚みを前足部より厚くすることで、摩耗に対応し、より長く安全に履けるシューズになっています。

Sub4

ミッドソール上層部には軽量で反発の強い「FF TURBO PLUS」を採用し、下層部には「FLYTEFORM」を採用しています。この2つでカーボンプレートを挟むことによって反発と安定のバランスを生み出し、サブ4レベルのランナーの走力や筋力に合わせた作りになっています。

前作との違い

FF TURBO PLUS

ミッドソール上部が「FF TURBO」から「FF TURBO PLUS」へアップデートされました。これは最上位のメタスピードシリーズにも使われている素材です。軽量でクッション性も少しあり、高反発な素材を採用しているため、より足への負担が少なくスピードを出せるようになっています。

エンジニアードメッシュの採用

アッパーは「モーションラップアッパー」から「エンジニアードメッシュ」へと変更されました。柔らかさを感じられる素材で足を包み込んでくれ、ホールド感が増しており、より足が安定するようになっています。前作と比べると通気性に優れ、長時間履く場合の快適さがアップしました。レースシューズっぽさと馴染みやすさのバランスが取れたデザインになっていて、まさにサブ4くらいのランナーに好まれやすいデザインではないでしょうか。

全体的にバランスが取れたシューズ

接地面が広くなり、クッション性や耐久性もアップデートされました。履き比べたことがある方には、より柔らかく安定感が出たと感じたのではないでしょうか。「FF TURBO PLUS」のバーンと跳ねる感じと「FLYTEFORM」や「ASICS GRIP」のガシッと受け止める感じを両立しています。このように反発と安定感とクッション性、そして耐久性のバランスに優れているため、長く履けるレースシューズに生まれ変わったといえるでしょう。

個人的には、紐がギザギザしていて解けにくくなっている工夫が好きです。

サブ3.5ランナーにおすすめの理由

私は、EvorideSpeed2で3.5切りを達成し、次に3時間15分切りに見合うシューズを探しにお店へ行きました。「3.5切りしたし、次はいよいよカーボンシューズかな…」と考えており、店員さんもそこは同意してくれました。そこで勧められたのがS4+YOGIRIだったのです。私にとってカーボンデビューとなりました。その時に店員さんから聞いた理由と、私が履いた感想から、3時間代前半〜3時間切りを狙うランナーにもおすすめの理由をご紹介します。

メタスピードにはまだ早い

これが一番の理由です。「メタスピードを履くのはカーボンシューズにある程度慣れた上で、キロ4分を切るレベルになってから」とはっきりと言われました。私がその時にメタスピードを買ってしまうと、EvorideSpeed2との間のレベルのシューズがなくなってしまうことも理由でした。メタスピードを使うレベルではないけれど本格的なシューズが欲しいという方にマッチしています。

サブ3ならS4で機能的に十分

「S4という名前ながらサブ3くらいまで履ける機能を備えたシューズなんです」という店員さんの言葉が購入時には信じられなかったというのが正直なところなのですが、その後様々なレビューや解説を見てみると多くの方が同様のことを言っています。実際、私も2024年12月の青島太平洋マラソンで初めてS4+YOGIRIを履いて大会に出場し、3時間11分の自己ベストを出しています。これが私にとって初めてカーボンシューズを履いて出場した大会でした。少なくとも、3時間15分切りまでは十分な機能があることは私が証明です。このままサブ3まで相棒として活躍してもらうつもりです。

カーボンデビューにおすすめの理由

最後に、S4+YOGIRIはカーボンシューズデビューにおすすめしたいということと、その理由をお伝えしたいと思います。

参考までに私のシューズ遍歴は、
GrideRide3→EvorideSpeed2→GELKAYANO30→S4+YOGIRI
となっています。

現在はゆっくりめのジョグでGELKAYANO30、ペース走やスピード系の練習でEvorideSpeed2、レース用でS4+YOGIRIを使用しています。S4はスピード系練習や大会が近い時期のレースペース走で使用することもあります。

カーボンデビューにおすすめの理由は、メタスピードとサブ4手前レベルのシューズ(EvorideSpeed、NOVABLAST、GRIDERIDEなど)との中間くらいの作りになっているからです。ちゃんと反発があるけれど、メタスピードのように暴れることなく、自分の足をコントロールしやすくなっています。扱いやすいです。

安定性、クッション性、接地感といったソフトな優しい部分を残しつつ、カーボンの跳ねる感覚も備えているシューズがS4+YOGIRIなのです。履き心地が快適なこともあり、万人受けしやすいモデルでもあります。

だからこそ、それまでのシューズとメタスピードとのつなぎにおすすめなのです。これといった尖った個性がなく、S4+YOGIRIはサブ4を狙うランナーはもちろん、カーボンデビューを考えるランナー、そして3時間台前半を狙うランナーと幅広いレベルに適応したシューズといえます。

2025年1月には新色も出たばかりですので、ぜひ試してみてくださいね。


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