2025年にしおマラソンを走ってみたら…
人生8回目のフルマラソンは第3回にしおマラソン!走ってみたら、「こんなにも地域色を感じる大会は初めてだ!」と思ったのでご紹介。
概要
開催日:2025年1月19日
スタート:9:00(8:45整列)
出走者数:5,568人(定員6,000人)
完走率:96.48%
参加費:11,000円
制限時間:6時間30分
ゲスト:野口みずき、千葉真子、糠谷悟、松井珠理奈など
開催地である愛知県西尾市は抹茶とうなぎが名産の海に面した街。広い愛知県だが、意外にもこのにしおマラソンが愛知県内で唯一の男女が一緒に公道を走るフルマラソンの大会である。
マラソン大会としての特徴は次の通り。
ポイント
特産品が提供されるエイド
茶畑や三河湾などの西尾らしい風景
踏切とその手前の踏切食堂
最終盤の激坂3連発
豪華な参加賞や景品
エイドでは特産品のうなぎ、グリーンティー、抹茶カヌレ、一色海老煎餅、イカフライレモン煮などが提供される。34km付近には踏切があり、その手前には列車の通過を待つ間に楽しんでもらおうと「踏切食堂」という名の屋台街がある。ちなみに、ここで提供されているのがアサリを使ったにしがまラーメン、たこ焼き、アサリのクラムチャウダー、お好み焼き、抹茶のフレンチトーストといった内容。列車が踏切を通過するのを待つ以上の時間をついつい過ごしてしまう。いや、踏切で止まらなくても入ってしまうだろう。
序盤には茶畑、中盤には三河湾に沿って堤防を上を走るなど、西尾らしい景色を味わえるコースになっている。特に名物なのが37km付近からの激坂。終盤の難所がランナーたちに苦しみという楽しさを提供している。
コース
西尾駅すぐそばの西尾市役所がスタート地点。駅からスタート地点が近くてランナーは助かる。
スタートは市街地だが、すぐに住宅街の細い路地へ入る。その後は茶畑を縫うように走り抜け、川沿いの土手を走る。その後も田園や海沿いの堤防の上、住宅街などがコースになっているため、広くアップダウンの少ない道路を走る都市型マラソンとは違い、細い道でカーブや曲がり角、細かなアップダウン、舗装の変化と一定の走りをするには難しい。移り変わる景色は楽しめる。
特色あるエイドが点在し、12km付近のグリーンティ、20km付近のうなぎ串、23km付近の一色えびせんべい、30kmすぎのイカフライのレモン煮、34km付近の踏切食堂あたりが目玉となる。
37km付近からの上り坂3連発も名物になっている。1つ目がダントツで斜度も長さもあり、残り2つは徐々にゆるくなる。山道を下ってきて、視界が開けたと思ったらもうすぐゴールだ。
所感
スタートエリアが非常にコンパクトで、荷物預け、トイレ、そして整列まで迷うことも長く歩くこともなくスムーズ。このエリアではプロのDJが選曲した音楽が流れ、自然に気分を高めてくれる。
個人的には激坂以外にも序盤から細かなアップダウンや舗装の変化、曲がり角の多さから難しいコースであると感じた。寒さと海沿いの風もあり、初心者には特にハードなコースではないかと思う。私自身、これまで出場したフルマラソンで2番目にしんどいと感じた。(1番は初フル出場だったホノルルマラソン)しかし、その一方で完走率の高さも際立つ。スピードランナーには不向きなエイドの内容も、ゆっくりと走るランナーにとってはエネルギー補給になったのだろうか。
会場までのアクセスの良さ、会場内の利便性や充実度、コースの景観やエイドの内容から、ランナーに優しい大会だと感じた。そして、まだ歴が浅い私なりに、地域色を強く感じられる大会はこれまでになかったと思う。地方の特色を味わえるマラソンを走りたいと考えているランナーには強くおすすめしたい大会になった。
寒さと風と角と坂対策を
走った身として、次回以降のにしおマラソンを走る方にちょっとだけアドバイスをしてみたい。
1月に行われるマラソンということで、寒さ対策は必須である。サブ3.5〜サブ3くらいでもタイツを履くランナーはいた。サブ4より遅めのランナーならタイツと長袖は必須であり、風対策と温度調節できるようにウィンドブレーカーを着用するのもあり。
海のすぐそばを走るので、風の影響をほぼ確実に受ける。日頃から風に慣れておくことと、ここで体温を奪われないように服装に気をつけたい。ちなみに私は3:17でゴールしたが、服装はTシャツ、膝上までのピチッとしたパンツ、アームカバーとカーフというスタイルで走っている間はちょうどよかった。ぜひ活用していただきたい。
前述したが、住宅街の細い路地、田んぼや畑の道を走る際に直角のコーナーを連続で曲がるような場所があり、ここで消耗する。日頃からこのような道に慣れておくことも対策の1つにあげられる。
坂は股関節を意識して大きな筋肉を使って登っていくと楽と言われている。平地を走る時以上に脱力してゆっくり登り、自然に進む力だけを利用して下る。消耗するので力むのは厳禁。
前泊についてアドバイス
前泊が必要になる場合には、西尾駅前にはホテルが少ないため、安城や岡崎がおすすめ。特に東岡崎駅周辺は飲食店やコンビニが多く、充実している。名古屋に前泊しているランナーもいたが、当日名古屋から1時間以上混雑している電車に揺られてくるのは体への負担が強いだろう。岡崎でうまくホテルが取れなければ、豊橋もあり。特に静岡、神奈川、東京方面からのランナーは豊橋に前泊すればチェックアウト時にホテルに荷物を預けてくると帰り道に立ち寄れるので便利。私は東岡崎に泊まったため、ゴールの上横須賀から名鉄に乗って一度東岡崎で降り、ホテルに預けた荷物をピックアップして豊橋へ向かうという面倒なことをした。新安城から豊橋まで降りることなく向かえれば便利。
車があれば、事務局も勧めている吉良温泉がおすすめ。あまり知られていないが、西尾市にも天然温泉があるのだ。公式HPでも紹介されているので参考にしていただきたい。
まとめ
初心者にはハードなコースにはなるが、西尾の魅力がたくさん詰まったコースである。次回も刺激的な大会になることに期待!