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うさぎ物語(作:夏目 かや)

お母さんの家に来たのはお母さんの子供が私に一目惚れしたから。

お母さんに子供はちゃんと面倒を見なさいよって言われてたわ。

でも結局、お母さんがお世話してくれたんだけどね。

お母さんは、わたしの好きなものは何かな?と。

最初は何を食べるのかなって色々買ってきてくれたよのよね。1番最初に貰えたのは人参。うさぎがみんな人参が1番だと思わないで欲しいのよね。

でも、ついに見つけてくれたのよね。皮の剥いた麦だって。

朝はデザートにバナナ。3時のおやつに皮の剥いた麦。これが私のしょくびになっていたわ。、

時々は、ドライフルーツも貰えたわ。

私のお家の屋根をいつも空けておいてくれてたので、朝ごはんを食べた後に家の中の小屋の上に乗ってバナナの催促、小屋の上に乗っている私を見て、お母さんは「ハイハイ、バナナね」と言ってバナナをかじらせてくれたわ。

お部屋お散歩の時にお母さんの足をガジガジすると

「ハイハイ」と言ってうつぶせになってねてくれるの。そしたらね、お母さんの背中にピョンと飛び乗ってお母さんの背中にねるの。

お母さんの背中は温かくて気持ちがよいわ。

ウトウトから目が覚めたらお部屋の中をうさんぽ。

飽きたらまたお母さんの背中に乗って毛繕い。

お顔をゴシゴシ。そして自分のお家に帰ってお散歩が終わり。

お家に帰る時に物足りなりの横に座るとナゼナゼしてくれるの。私がウトウトするまでね。

なんか幸せの日々だったわ。

ある日お母さんは箱を抱えて私の前に置いたの。

何かなぁって。

私は箱の中を覗いてびっくりしはー。

中からいきなり黒い塊がびっくり箱のように飛び出してきたの。

びっくりして私は30cmは上にジャンプしたわ。

お母さんが笑いながらその黒い塊を抱えて私に

「あなたの弟よ。イチと言うの仲良くしてね。」

って言っていたけどわたし的にはゴメンだわ。

チョロチョロして何にでも興味を持って鼻をクンクンして押し付けてくる!

もうイヤ‼️

でもね、お母さんがお出かけをして夜まで帰って来ない時、自分のお家でまるくなってクゥーン、クゥーンって小さい声で泣くの。私は心配でそ〜っと覗いていたわ。

その頃から黒い塊は私の事を姐さんと呼ぶようになったの。何故かしらね。

でも、一つだけ許せないことがあるの!

私がお家散歩を楽しんでいる時に邪魔をすること!

お家散歩は1日の中で1番お母さんに甘えられる楽しい時間なの。誰にも邪魔をしてほしくないのよね。

だから、邪魔をされそうな時は思いっきり床を後ろ足でダン!と叩くの(うふふ)

この時間だけは譲れないわ

でも、でもね、私も歳を取ってきたの。

それでね、ウサギは具合が悪いのを隠すのよね。

だから食欲が無くてあまり食べないでいるとお母さんは心配して、病院へ行こうかなと覗き込むとなんでもない振りをして普通になんでもないようにご飯をたべるの。そうするとその様子を見ていたお母さんはホッとした顔をしてたは。

でもね、もう時間がないってわかっているの。

ある朝起きてきたお母さんが私の鼻水を垂らしてる顔を見て、お母さん、朝ごはんを食べずに私を抱いて病院に走ったの。ウサギは口呼吸が出来ないからね。

病院についたらすぐに検査、検査室からでてきた心配顔のお母さんがいたの。いつもはツンデレの私だけど思わずお母さんに抱きついたの。

お母さんはしっかり両手で抱きしめてくれたわ。

でもお母さんどうしても会社に顔を出さなければいけなかったので、私を家に置くのは心配だと言ってお母さんが戻って来るまで入院することになったの。

お母さんが家で支度をして会社に行く途中で病院に寄ってくれて「これが私の好きなものなので食べられるようなら食べさせてください。元気ですか?すぐに戻って来ます。よろしくお願いします」って言うお母さんの声が聞こえたわ。でも、もうその時はもう頭をあげる力もなかったの。

私の弟イチ!黒い塊と言ってゴメンね。本当は遊んで遊んでと飛んで来るのは可愛かったのよ。でもね、あなたの勢いがちょっと怖かったの。

ねぇイチ。お母さんを頼んだわよ。私はもうお布団から起きれなくなっちゃった。

弟に来てくれてありがとう。

お母さん、戻って来るまで待てなくてごめんなさい。

私、お母さんの所に来て幸せだったわ。

ありがとう。


お母さん!ここ、ここよ!私よ!

もう虹の橋に行く時間になったの

お別れに来たわ。ありがとう。

この階段を登っていくわ。

さよならそしてありがとう。

虹の橋で待っているね!


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