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マルタ奮闘記(研修編)

人生で飛行機に乗ったのが3回、海外旅行は1回しか経験していない大学院生が1ヶ月半マルタでインターンで頑張るよって話。つらつらと駄文を重ねます。隔離生活編はこちらから。

Day16:研修0日目 〜疲れすぎてやばい〜

ついに今日で隔離から解放された。14日ぶりの外出ということでやはり気分は晴れやかだ。しかし、2週間閉じこもっているとどうしても体力が落ちるのだろう。ほとんど歩かず、バスに乗っただけなのに疲労感がすごい。どのくらいの疲労感かと言うと、小学校の授業のプール後くらいだ。これからは自由に外に出れるので、筋トレに加えてランニングも再開し、体力を戻そう。
ところで、今日は隔離先から宿泊先までバスを乗り継いでやってきたのだが、このときカルチャーショックを受けた。バスの遅れが尋常じゃないのである。僕が最初に乗る予定だったバスは15:09発だったのだが、到着したのはなんと15:34。実に30分の遅れである。15:09発の次が15:39なので、もう次の便と言っても過言ではない。日本では電車が5分遅延したらだいぶ遅いし、バスも10分以上遅延したら苛立ちを覚える。ただ、マルタではもっと大らかに生きなきゃいけないのだろう。「郷に入れば郷に従え」はよくできた言葉だなと実感した。
と、まあ体験談を話したところでマルタのバスについて最後に書いておこう。マルタのバスはこんな感じで、日本人からすると馴染み良いデザインである。

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乗車は前の扉からで、2ユーロを払うとバスチケットというのがもらえる。このバスチケットは発行してから2時間有効でその間であれば、何度でもバスに乗れるというのだから便利だ。ちなみにバスチケットはこんな感じ。バーコードでぴっとかざすと乗ることができる。アナログなんだか、ハイテクなんだか...。

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Day17:研修1日目 〜初出勤〜

今日は待ちに待った初出勤。朝7:30から勤務開始なので、念の為5:30に起きた。ちゃんと隔離中から生活リズムを合わせておいたおかげかすんなり起きれて一安心である。起床後はささっと身支度を済ませ、1時間後の6:30にはバスに乗車。ちなみに昨日の反省を生かして、出勤時間の30分前に着くように準備しておいた。結果、到着が15分後ろ倒しになっても、15分前に到着でき、事前準備が功を奏した。

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さて、ここがこれから1ヶ月働く職場である。マルタの建物の多くはlimestone、石灰岩でできているらしく、職場も同様であった。日本にはない独特な雰囲気が溢れていて見るだけで楽しい。ちなみに内部はリノベーションされていて、外部と内部の対比も面白かった。
受付を済ませた後は他のインターン生と合流し、オフィスに向かった。1ヶ月間同僚となる彼はアイルランド出身の修士1年生らしい。非常に優しくて聞き取りやすい英語を話すので、オフィスに入る前にだいぶ緊張が和らいだ。
そして、ついにオフィスにイン。物珍しい目で見られるかなと思っていたが、そんなことは全くなくとてもアットホームな雰囲気だった。自分のデスクに案内された際には、隣の社員の方が「椅子はそれで大丈夫そう?」とか「水とコーヒーの飲み方教えようか」とかなり親切にしてくれ、1日目なのにすごく落ち着ける空間だった。ちなみに職場の方の英語は比較的聞き取りやすく、特にこの期間上司となるアマンダさんはかなり綺麗な発音だったので、これからどんなことをするのか、今までのインターン生はどんなことをしてきたのかわかりやすく解説してくれた。明日、仕事内容について詳しく書いていければと思う。明日も頑張るぞ。

Day18:研修2日目 〜現場見学〜

今日は僕のインターン先の会社であるRestoration Directorateがどのような事業を手がけているのかを知るべく現場見学に向かった。向かった先はValletta Design Cluster。アーティストやデザイナーに向けた複合施設で、展示室・作業室・宿泊施設・コワーキングスペース・作業スタジオ・オフィス・レジデンスを兼ね備えている。このエリアは17世紀にスラム街、18世紀に兵士用住宅、19世紀にはベーカリー工場と様々な用途を経験したそうだ。建物自体は主に19世紀に建てられたものを保存しつつ、所々に手を加えているらしい。
2階からの写真がこちら。この建物は2つのレジデンスを繋げてリノベーションされており、建物の間の空間は以前は道路として使われていたそうだ。そして、その道路空間を建物の空間として使用するために、写真奥に見える壁を作り、反対側にはガラス張りとしたらしい。

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さらにこの写真の奥の壁とガラス張りの間には高低差が3メートルほどあり、1階2階ともにスキップフロアも存在する。元々の住宅は図のように底面が勾配に合わせて細かく高さが変わっていたらしいが、変更後はそれを各ユニットをグルーピングしてスキップフロアにしたようだ。

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外壁を残しつつ、内部のユニットを変更していく作業はちょっとパズルのように思える。学生時代ほとんど設計に力を入れてなかったが、こういう制約の多い設計は大変だけど楽しそうだなと思った。
話が脱線してしまったが、実はこの空間の採光も面白い。建物の高さは10mを超え、2つの建物の間の空間もそこまで広いわけではないのに、1階が非常に明るいのである。これはもちろん天窓の恩恵が大きいが、実は1階を明るくしている秘密は通路にあるようだ。驚くことに写真にある金網の通路は、工事途中というわけではなく、これで完成なのである。ガラス素材にすることも考えたようだが、ガラスを透過する際に太陽光の明るさが失われてしまうと考え、このような形にしたらしい。個人的にはこの無骨さは良いなと思った。
この他にもたくさん話を聞いた。コンテンツが多すぎて、うまくまとめられないが、最後にこの建物のコンセプトや経緯について書いておく。この建物の1番のコンセプトは「Flexiblity」らしい。というのも、ここを改修する前にバレッタに住む人や路上で活動する人と入念に話し合いをし、多くの人がここを使いコミュニティを形成できるように空間の柔軟性を高めたというのだ。確かに、先ほど述べたスキップフロアはグルーピングされているため一つの大きな空間として使えるが、所々に間仕切りがあり空間の可変性が高かった。また、もともとあったバルコニーを利用し、容易に下から様子を覗けるような、周りに対してオープンな会議室もあれば、その逆もあった。きっとその他にもたくさんの工夫が随所に散りばめられているのだろう。建物の修復保存をしつつも、現代のコミュニティ形成を通じて未来の建物の利用まで見据えられた面白い事業だった。
ちなみに天窓のあった屋上は近藤哲夫さんが設計したらしい。こんな感じ。

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Day19:研修3日目 〜初飲み会〜

今日は初めてマルタで飲み会に参加した。職場ではなく、他のインターン生との交流がメインの飲み会である。飲み会にいたのはスペイン出身が2人とイタリア、ポーランド、オーストリアが各1人ずつの計5人である。みんなそれなりに綺麗な英語だったおかげでなんとかついていくことができた。
飲み会の前にみんなに連れて行ってもらったのがここ。ゴーカート的な感じかなと思いきや、とにかく車同士の衝突を楽しむアトラクションらしい。合計で6回ほどプレイしたが、とても楽しかった。

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飲み会ではCISKというマルタのビールを味わった。ビールにレモンの果汁が合わさったものらしい。フルーティーでビールが好きじゃない人に好まれそうな味だった。ちなみに僕は普通のビールの方が美味いと思いました。

Day20:研修4日目 〜初ビーチ〜

今日はマルタに来て初のビーチに向かった。向かった先は宿泊施設からバスで1時間半ほどの場所にあるセント・ピーターズ・プール。5mの高さの崖から海に飛び込むのがアトラクションの1つになっているビーチである。

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昨日いた友達に加えて、スペイン人が2人来た。たくさん友達ができたが、彼らの多くはあと1週間ほどで帰国してしまうらしい。というのもマルタの繁忙期は6-8月らしく、彼らはそのくらいからインターンに来ていたらしい。せっかく会えてもすぐ別れちゃうの悲しいな〜と思いつつ今日の帰路についた。

Day21:研修5日目 〜Valletta観光〜

今日は昼頃から5時間ほどバレッタからスリマまで観光した。向かった先はこんな感じ。黄色のピンが行ったところで、青緑のピンがまだ行ってないところ。残念ながら、青緑のピンのところは日曜には空いてなかったので、平日に向かおうと思う。普通の旅行でこんなことをやらかしたら勿体ないことしたと思うが、1か月滞在するとなるとそんな問題ではない。むしろこういうイレギュラーを楽しむことすらできるから短期滞在は素晴らしい。

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バレッタを一通り見終わった後は、船でスリマまで向かう。片道1.5ユーロとおよそ200円で対岸に行けるのだから、とてもお得だ。そこまで観光スポットは多くないが、バレッタとは異なるリゾート地の雰囲気を感じれるのがスリマである。近くには綺麗な海もあった。さすがに1人観光で海に入る気にはなれなかったが、非常に風が心地よくてビーチに長居してしまった。こういう気まぐれプランも一人旅の醍醐味なのかもしれない。

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そういえば未だマルタのビーチで綺麗な砂浜が広がっているところを見たことがないのだが、やはり地質が影響しているのだろうか。気になるけど調べるほどの元気はないので、疑問だけここに書き記しておこう。

Day22:研修6日目 〜英語で初ディスカッション〜

今日でインターンも2週目に突入。今日は初めて英語でのディスカッションを行った。研修1日目のNoteに書き損ねたが、今回僕が1ヶ月かけて関わるのはバレッタの対岸CospicuaにあるCottonera Linesと呼ばれる要塞である。17世紀ごろに建設されたこの要塞は現在、ゴミ捨て場にされていたり、違法に犬小屋にされていたりと使用状況がよろしくない。そこで、観光地のポテンシャルを持つこのエリアをどのように修復・計画していけば良いのかを今後議論・検討していくみたいだ。今日はその第一ステップとしてCottoneraのフィールドリサーチの結果をまとめ、議論した。自分の意見を説明するのは割と述べれたし、他の人の意見も比較的聞き取ることができたが、咄嗟に質問したりというのはやはり難しい。1ヶ月という短い期間ではあるけど、この力が身についたらもっと仕事が楽しくなるだろうなと感じた。今後については、「どのように要塞を改修すれば全ての人にとってアクセスしやすくなるかを調べること」、「要塞周辺の利用率の低い公園の利点と欠点をまとめること」の2点が目標として掲げられたので、それに向けてフィールドスタディやプレゼンボードを作っていく予定だ。ちなみに、去年来たインターン生はこの地域全体の計画を行ったそう。おそらく僕は都市計画が専門であることや期間が短いことからそこまで細部にこだわった計画はしないと思われが、似たようなことを最終的にするのだろう。積極的に取り組みたいと思う。
と、インターンのことをつらつらと書いたが、実は明日は祝日。いわゆる独立記念日というやつで、目一杯遊ぶ時間がありそうだ。土日に行き損ねたイムディーナにでも行って、中世の雰囲気を満喫してこようと思う。

Day23:研修7日目 〜ルームメイト〜

今日、ルームメイトがやってきた。19歳の中国人で、1年間語学留学のためにマルタに来たらしい。1年間語学留学をした後にロンドンの大学を目指すというのだから、計画性もバッチリだ。
どうやら彼は1人でいる時間があまり好きでないらしく初日から僕が行こうとしていたイムディーナにについていきたいと言ってきた。気さくなのはいいが、もう少し自分1人の時間も欲しい。とりあえず、今日行く予定だったイムディーナを土曜日に行くことにし、今日はまたバレッタに向かった。
しかし、ここで計画性の無さが露呈する。なんと僕が行きたいと思っていたところが全て閉まっているではないか。というのも、今日はマルタの独立記念日で小さいお店はやっていれど、美術館等は休みになるらしいのだ。結局、もう既に行ったところを彼に案内して1日が終わってしまった。しっかり計画しないともったいない時間の使い方しちゃうな。土日はしっかり行く場所の計画をたてて過ごそう。

Day24:研修8日目 〜やっとこれた聖ヨハネ大聖堂〜

今日は仕事が終わった後、バレッタに向かった。行き先は、聖ヨハネ大聖堂(Saint-John's Cathedral Museum)。建物の中には美術館もあるらしいが、今回は建物見学だけにした。結果的に建物を見るだけで1時間以上経ってしまったので、この選択は正解だった。
さて、建物について話していこう。外観には目立った彫刻や装飾はなく、中世の雰囲気が感じれた。ところどころに正円のアーチが見られるので、ルネサンスあたりの様式になるのだと思う。詳しいことはわからないので、考察はこの程度にしておく。

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そして、この外観に対する内観がこちらである。煌びやかな装飾・彫刻が施されており、近世バロックの雰囲気が感じられる。音声ガイドによると、内部の装飾はこの教会が建てられた後に徐々に追加されたものらしい。外観と内観で作られた時期が異なるため、異なる雰囲気を醸しているのだろう。

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ちなみに写真上部の天井の絵は画家が6年間かけて書き上げたものらしい。一体どうやって描いたのか、非常に気になる。また写真に写る身廊以外に、側廊と呼ばれる空間にも多くの彫刻が施されていた。側廊の部屋は何個かに分かれていて、それぞれイギリス、フランス等各国の騎士団の団長が祀られているようだ。そして、側廊にある彫刻は色付きの大理石を削って作られており、それをマルタで取れる柔らかめの土に貼り付けることで飾っていた。
見たもの一つずつ説明すると長くなるので、この辺にしておこう。とりあえず、入場料15ユーロの期待を裏切らない、愉しい時間を過ごすことができた。今週末もこういう時間を過ごせるといいな。

Day24:研修8日目 〜3Dスキャンスッゲェ〜

今日のインターンでは、歴史的建造物の修復作業を見学しにいった。対象は1500〜1600年ごろに建てられたであろうアパート。

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例のごとく石灰岩で作られた建物である。どうやら歴史的建造物の修復の際には以下のようなステップを踏むことが多いらしい。
①建物の所有者から修復を依頼される(or 会社からオファーする)
②3Dスキャナーで現在の建物を測量し、3Dモデルを構築する。
③3Dモデルから画像を出力し、それをトレースすることで立面図を作成する。
④図面をまとめ、国に修復の申請を出す。
⑤実際の修復に入る
3Dスキャナーはレザーで光を当てて距離を算出し、それをドット状に記録しておくことでモデルを構築するそう。そのため、このドットが多いほど高精度のモデルができ、その際は当然計測に時間がかかるようだ。どの用途に使うかによって3Dスキャンの使い方も異なるのだなと当たり前だが興味深いことを学べた。
仕事を終えた後は先週末行き損ねたイムディーナへ。馬車に乗って中世の街を徘徊し、気分は中世欧州の王様である。明日も今日行けなかったところも含めイムディーナに向かおうと思う。

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Day25:研修9日目 〜めちゃ眠い〜

今日はびっくりするくらい一日中眠かった。マルタに来て以降、深夜に目が覚めなかった夜はないのでやはり疲れは溜まっていたのだろう。明日もBlue grottoに早朝から向かうので、朝は早い。早く寝なければ…。
ところで、今日の研修では初めてミスをしてしまった。Next Fridayにフィールドワークするからオフィスじゃなくて街に集合ねと今週の月曜日に言われたのだが、もう1人のインターン生と共にすっぽかしてしまった。でも、言い訳をさせて欲しい。僕はこの連絡を受けたとき自分の理解が正しいか心配になったので、もう1人のインターン生に「9/24であってるよね?」と聞いた。しかし、彼は「Next Fridayだから10/1」だよと答え、「あーそうなのか。」と納得してしまったのだ。実はこのNext Fridayが「次の金曜なのか」それとも「来週の金曜なのか」は議論が別れるもので、結局マルタでは次の金曜を示すものだったようだ。まさか、こんな形で予定をミスるとは…。こういうのもなんだけど、逆にいい経験になった気がした。

Day26:研修10日目 〜マルタの南部から北部まで〜

今日はBlue grottoと言われる洞窟にボートに行くため、マルタの南端に向かうところから始まった。せっかくなので朝日を見るため、朝5:17のバスに乗り、6:40には現地に入った。待つこと30分、シャッターチャンスをやや逃してしまったが、良い朝日が見れた。

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朝日を見た後は近くのカフェで待機。ボートのチケット売り場は9:00に開くと聞いていたので、マルタの伝統食品フティーラを使ったバーガーをいただきながら優雅に2時間弱やり過ごしていた。

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そして、9時になった後売り場に向かったら問題発生。なんと、開いていないではないか。30分待っても1時間待っても開かない。仕方がないので電話をかけようとしたその時、近くをトラックで通ったおじさんが「今日はボートサービスやってないよ」と教えてくれた。くっ、、まさかこんなことが起きるとは。悲しい気持ちを抱えつつ、とりあえず行く予定だった洞窟の写真を上から撮ってその場を去ることにした。

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この後はとにかく北へ北へ進んだ。まず、イムディーナに行き、前回行けなかったカタコンベに向かう。どうやら、カタコンベは4世紀ごろに採石場として使われていた蟻の巣上の空間のことらしい。採石場として使われなくなった後は墓場としての役目も果たし、現在の姿にあるようだ。ガイドが全て英語だったので、どこまで正しいか分からないが、まずまず楽しめた。ちなみに中はこんな感じである。

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なんだかマイクラのブランチマイニングをしているみたいな気分になった。
イムディーナを観光し終えた後は、同じ寮に住む友達と合流しpopeye villageへ。地図で調べて貰えば分かるが、Blue grottoからpopeye villageに行くとマルタ島を縦断してると言っても過言ではない。当然の如く1時間以上かかったのだが、その分楽しさも増した気がする。紹介が遅れたが、popeye villageとは映画のセットとして使われたテーマパークようなものであり、ディズニーランドに行ったときの気分を味わえる。

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透明度の高い海とビレッジの可愛らしさがマッチしていて、散歩が楽しい観光地だった。
結局、Blue grotto、イムディーナ、Popeye villageと3つの観光地を回り、計23000歩も歩いた。そりゃ、今の疲れも納得ですわ。明日も観光地巡り楽しみたいと思う。

Day27:研修11日目 〜ゴゾ島上陸〜

今日は一番楽しみにしていたゴゾ島に上陸。結論からいうと行きたい場所が多すぎて1日で周りきれなかったが、非常に楽しかった。
まずはフェリー。マルタの北端にあるCirkewwaにある乗り場から25分かけてゴゾ島に渡る。出港時は少し雲が多かったが、5分後くらいには旅行日和となった。

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フェリーを降りて最初に向かった先はゴゾ島の中心部ビクトリア。念願のチタデラ・ゴゾ大聖堂を見ることができた。

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分かりにくいが中心のドームにある絵はだまし絵である。本当は立派なドームを建設する予定だったが、建設費用が足りないためだまし絵を用いたらしい。内装は聖ヨハネ大聖堂とは異なり、落ち着いた感じだった。
ビクトリアの後はバスで30分かけてソルトパン(Salt Pans)へ。塩の製造所となっていて、ここで作られた塩はお土産としても有名なようだ。本当は直売所から塩を買いたかったがどうやら日曜日はやっていないらしい。なかなかうまくいかないもんだね。
ソルトパンの後はいったんビクトリアに戻り、最後の目的地Tal-Mixta Caveに向かう。ゴゾ島で一番楽しみにしていたスポットだ。洞窟の外郭がまるで絵の外枠のようにゴゾの雄大な自然を映し出す。天候にも恵まれ良い写真も撮れた。

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明日からはまた仕事。気を引き締めて頑張らねば。

Day28:研修12日目 〜少しだけ成長を感じる〜

今日は特に観光に行ったりはしていないので、インターンの状況について話そうと思う。まずは英語力について。成長はしていないが耳が慣れてきた気がする。複数人の日常会話にもだいぶレスポンスできるようになってきたし、習うより慣れろとはよく言ったものだ。とはいえ、まだまだ知らない単語や読み書きでは使えるけど実際の会話では使えない単語も多い。日々精進していきたい。
次に仕事への関わり方について。マルタの仕事への関わり方と日本での仕事への関わり方の違いを最近よく感じる。具体的には、13:30終業なのに13:00くらいに上がる人が多いことや、休暇の取りやすさ、そして当然のごとく夏は勤務時間自体が短くなることなどが代表的な相違点だ。日本特有の「すみません、お先に失礼します。」って言わなきゃいけない雰囲気もないので、予定していた仕事が終われば即帰宅できる。実際のアウトプットの量を知らないので生産性については言及できないが、残業が当たり前ではないという文化は良いなと思う。勤務中に頻繁に雑談もしているし、日本だと考えられないほど自由に働いている。これはインターン先に限った話ではなく、レストランの店員がスマホをいじっていてこちらの要望に気づかないなんてこともしばしばある。ただ、マルタでは全体がそれを許容しているので、そうした自由な働き方が成立している。日本もこんな風になったら良いなと思いつつも、お客様第一の文化がある日本では難しいんだろうな。ビジネスサービスを享受する側の意識を変えない限りは欧州のような働き方は夢のまた夢なのかもしれないなとしみじみと感じた。

Day29:研修13日目 〜頭が痛い〜

最近7時間寝ても眠いし、今日は頭痛も出た。やはり慣れない環境での睡眠は、休めているようで休めていないのかもしれない。思えば、夜中に一度も起きない睡眠をマルタに来てから一回もできていないような気がする。環境の変化に弱いんだなと自覚しました。

Day30:研修14日目 〜コロナが憎いぜ〜

今日は悲しい出来事が起こった。もともと、インターン期間中にフランスへの旅行を考えていたのだが、それをキャンセルせざるを得ない状況になったのである。あらかじめフランスへの渡航については入念に調べており、日本のワクチン接種証明書が有効であること、マルタと日本はフランスにおけるグリーンリストに含まれる国であるため証明書を見せれば入国規制は何もないことがわかっていた。しかし、問題はマルタに戻るタイミングにあった。見逃していたのだが、フランスは日本と同様にマルタのレッドリストの国として位置づけられており、マルタ政府が認める証明書を見せない限りは隔離生活を強いられるらしい。EU内での移動はそれなりに自由にできると思っていたので、フランスがレッドリストに位置付けられているのは盲点だっだ。とりあえず、キャンセルできる航空券はキャンセルしたが、明日の航空券はキャンセルできなかったし、競馬場に入ろうと思っていたのでその事前予約費用もお釈迦。悲しすぎるけど、コロナ禍での旅行にリスクはつきものと思って割り切るしかない。くぅ。

Day31:研修15日目 〜日本人学生がいっぱい来た〜

タイトルの通り、最近寮に住む日本人学生の数が増えた。昨日2人に会って、今日さらに別の1人に会ったが、他にも3人の日本人学生がいるらしい。そのおかげで久しぶりに日本語での会話を楽しむことができたが、一方である事実に気づかされた。日本語力の低下である。おそらく隔離終了後から家族との電話もほとんどせず英語漬けの日々を送っていたのが原因だろう。昨日の会話では今までにないくらい言葉に詰まってしまった。言語というのは使わないと忘れてしまうのだということを身をもって知り、不思議な気分だった。
さて、明日から10月。勤務時間も7:30から16:30まで伸びる。研修期間も半分を切ったので、気を引き締めて頑張っていきたいと思う。

Day32:研修16日目 〜あ!これ授業でやったところだ!〜

今日は初めての研修先での8時間労働。絶対に疲れるだろうなと思っていたけど大したことはなかった。というのも1日のほとんどを雑談で費やしたからだ。最初は社員Mさんと雑談をした。Mさんは建築を専攻し、現在はGISを建築と絡めたプロジェクトを実施しているらしい。ちょうど似たような領域だなと感じたので、お互いのリサーチについて語り合った。
Mさんが主に取り組んでいるのは、マルタの要塞の修復プロジェクト。500年以上の歴史のある石造の壁を修復するため、「どこが」「どのように」「どのくらい」傷んでいるのかをまとめているそうだ。修復の手順は、①3Dスキャン等で建築物の詳細情報を得る。②スキャンしたデータをAutoCADで2Dデータとして書き起こす。③劣化度合いや劣化の種類によって色分けをし、図面にハッチングする。④資料をまとめ、国に提出する。⑤審査ののち、補助金が得られれば着工。という流れのようだ。Mさんのプロジェクトはこの④に入る前の段階で、要塞の立地によって壁の傷み具合に差が生じるのかというのをGISで示しているみたいだ。僕の研究は建築を起点に都市にどのような影響があるのかという「建築→都市」のベクトルの研究だが、Mさんのは真逆の「都市→建築」というベクトル。その差が逆に面白く感じた。
ちなみにこれに関連して、他の社員さんとも「どのように歴史的建造物を修復すべきか」について議論した(といってもほとんどは聞いてただけだけど)。議論の本質は、Authenticity(本物らしさ)が損なわれないか否かにある。例えば、マルタで修復された要塞の多くは、どのような材料が使われているのか、どのように積まれているのか等を詳細に議論したのち、可能な限り原型に近づけるという形で修復されている。その際、もちろん100年後とかにどれがオリジナルでどれが修復された箇所なのかがわかるように資料を提出する必要があるらしいが、一番妥当な修復方法に思える。一方で、壊れた場所はそのまま維持し、全く別の構造体で残りの建物を支えるという手法もある。具体的には、石造で出来た壁を鉄骨で支えるという案がよく使われるらしい。この議論はどちらが良い、悪いの話ではない。例えば、前者はより本物らしいと言えるかもしれないがレプリカとの境が難しいし、後者は時代に合わせて建物が変化したとも捉えられるが歴史的価値を損ねたとも言われかねない。日本は比較的前者をとっているような気がするが、最近前川国男が建てたビルをガラスの外皮で覆うプロポーザルも出ていたので、どちらも手法として浸透しつつあるのだろう。考えれば考えるほど正解は見つからないが、こういう考えるきっかけが得られるのは海外インターンの醍醐味だろう。来て良かったと思う。

Day33:研修17日目 〜始めての雨〜

今日はマルタに来てから初めてと言って良いほど、本降りの雨が降った。友達とコミノ島に行く予定だったのに残念である。午前中は久しぶりにダラダラと時間を費やし、午後は雨がやんだのでスーパーに買い物へ行った。夜は友達とバレッタに飲みに行ったが、ここでまたも不運に見舞われる。なんと、レストランの外席を取った直後に大雨が降ってきたのである。幸い雨よけはあったが、服は濡れるし、ご飯には集中しづらいし、なんともついていない1日だ。明日は晴れるといいな。

Day34:研修18日目 〜マルタ共和国3つ目の島、コミノ島〜

今日は昨日行けなかったコミノ島へ行った。天気に恵まれなかった昨日から一転、お出かけ日和で、海も太陽の光で輝いていた。
コミノ島へはゴゾ島同様Cirkewwaにある乗り場から船で向かう。ゴゾ島への船は豪華客船という感じだったが、コミノ島への船は小さな漁船という感じのサイズ感だった。
コミノ島についてからは、とにかく海、海、海といった感じでリゾート地を存分に楽しんだ。(写真はブルーラグーン)

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2時間ほど海を満喫した後は、少しだけ散策。コミノ島の2大有名ラグーンの一つ、クリスタルラグーンに向かう。

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荘厳な崖と宝石のように輝く海が美しかった。

Day35:研修19日目 〜欧州なら8時間労働もそこそこ楽〜

今日は金曜とは違いしっかりと8時間の労働をした。最初に3Dスキャンの手伝い、帰ってきてからは要塞の利用方法に関するアイディア探し。どれも当然真面目に取り組んだが、基本自由に休憩も取れるので非常に楽に感じた。眠すぎる時間帯は職場の屋上に行って、船着場をぼーっと眺めながら、眠気が覚めるのを待つこともできる。こんな働き方を知ってしまったら、日本で働けないなと思ってしまう。
仕事が終わった後は、社員のMさんに良いカフェに連れて行ってもらった。チョコレート専門店らしく、茶葉にカカオの良い香りが移った上品な紅茶をいただいた。

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Day36:研修20日目 〜1人で働く〜

今日は同僚のインターン生がお休みだったので、初めて1人での勤務となった。なんら普段とやることは変わらないが、少しドキドキした。午前中は、社員さんに連れられ、オフィス2階の計測へ。どうやら改修を行うために、図面通りのスケールなのかを確かめるようだ。計測に使ったのは、スマホくらいのサイズの機械。レーザーポインターのように光を出し、反射した位置から長さを計測できる代物だ。こんなのがあったら、研究にいろいろ使えそうだ。まあ、そんなこんなで午前中は計測の手伝いをして終わった。
午後は、要塞の活用プランについて上司にアイディアをシェア。英語で自分で思っていることはやはり難しいが、しっかりと準備しておけば伝わるものだなと感じた。僕のアイディアは、要塞と近くの公園を含めて、野外美術館のようなものを作るというプラン。アイディアに関しては概ね賛同してもらえたが、その結果せっかくだから会社でプレゼンの機会も用意しましょうと言われ、不安ごとが増えた。しっかりあと1週間の間に準備せねば。

Day37:研修21日目 〜プロはすごい〜

今日も同僚はお休みで、1人での勤務となった。午前中は昨日と同様、オフィス2階の計測へ。昨日は計測は改修のためと書いたが、よくよく話を聞いてみると内装、特に家具を入れ替えるために計測をしていたようだ。一通り計測を終えたら、今度はAutoCADで書き起こし。初めて生でプロがCADを動かしているのを見たが、驚くほど作業が早かった。ArchiCADを使っているときにも感じるが、きっと自分が知らないだけで便利な機能というのがたくさんあり、プロはそれを使いこなしているから作業が早いのだろう。将来的にはあんま関係ないが、プロの設計士のすごさを感じた午前中だった。
午後は、社員さんとカフェに行った後に、要塞の改修プランの検討を行った。とにかく来週までにプレゼンを作ってくるとなると時間が足りないので、急いで進めなければと思う

Day38:研修22日目 〜3Dスキャンは根気がいる〜

今日も1人での勤務。午前中行ったのは石像の修復作業の手伝い。例のごとく3Dスキャン使ったのだが、今日はこのスキャンの細かな手順について聞いてみたがこんな感じのようだ。
①距離の設定: この段階でどれくらいの画質でスキャンをするのかを決めるようだ
②ターゲットの設定: 4つターゲットを定めると正確なスキャンが取れるらしい。
③スキャン
この一連の作業におよそ30分ほど要する。そして、より精細なデータを求めるともっと時間を要する。非常に根気のいる作業だと感じた。
仕事が終わった後は、社員さんとカフェに行き、マルタのローカルスイーツを食べながら、建物について語り合った。バレッタでよく見る二重扉は1枚目は昔から付いているドアで2枚目は採光も考えられた透明の扉が多いだとか、最近はコンクリートが流行ってしまい道路に面する壁以外はマルタストーンではなくコンクリートで作りがちだとか、いろいろ面白い話を聞けた。なんだかマルタも日本と同様の課題を抱えているようで、これだけ距離があっても都市が進む道は似ているのだなと思った。

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Day39:研修23日目 〜マルタの働き方自由すぎる〜

今日は日本との働き方の違いを見せつけられた。僕のいる会社の10月の出勤時間は通常、7:30-16:30(1時間休憩込み)となっており、僕もこれに従っていた。ただ、最近気づいたのだが、どうも金曜日の自由度がびっくりするほど高い。例えば今日、お昼ご飯を誘われたのでついて行ったのだが、なんと12:30-15:30まで昼休憩をとり、結局16:00にみんな帰っていた。非常に驚いたので、社員さんに「日本じゃ3時間も昼休憩取れないよ」と言ったら、笑いながら「3時間も休憩とってないよ。ミーティングだからね。」と言っていて吹き出してしまった。

Day40:研修24日目 〜やっと洞窟へ〜

ついに最後の週末が来てしまった。後悔せぬよう自分の行きたいところは回りきりたい。そう思い、今日は前回乗れなかったBlue Grottoのボートサービスへ向かった。今回はちゃんと家を出る前に臨時休業してないか電話で調べ、無事チケットを購入。支払いは現金のみで8ユーロだった。ボートに乗って洞窟案内してくれるのに1000円ほどなのだから安いものだ。
さて、実際の様子だがこんな感じだった。天気にも恵まれ、良い景色が撮れたと思う。自然の厳しさが伝わってくる断崖絶壁と澄んだ海の対比がとても美しかった。

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Day41:研修25日目 〜マルタ最後の休日〜

案外時の流れは早いものだ。なんと今日でマルタでの最後の休日が終わってしまった。久しぶりに1人で出かけることにしたが、あいにくの雨。バレッタのバス停で何度も激しい雨に捕まり、幸先の悪い1日の始まりだった。そんな大変な思いをしながら向かった先は、マルタ南部のマルサスロック。日曜日に多くの人で賑わう魚市場が開かれる地域である。職場の人に聞いた話によるとどうやらマルタ1大きい市場らしいので、最後の目的地としても相応しいだろう。バレッタからバスで揺られること40分。寝坊してしまい1番賑わう時間を逃しているのにも関わらず、この賑わいである。なんだかお祭りに来た気分だ。

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船着場に沿って20〜30店舗ほど並んでいただろうか。売っているものは魚に限らず、野菜やパン、お土産、アクセサリー類、さらには洋服と多岐に渡る。結局1時間半ほど時間を使い、ショッピングを楽しんだ。買ったものは専らお土産になるが、せっかくなのでその場で捌いてもらえる鮭も購入した。夕食に寿司としていただいたが、鮭の味がしっかり感じられ、とても美味い。明日の朝には残りを焼き鮭としていただきたいと思う。

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さあ、明日からは最後の週が始まる。何事も楽しむ気持ちを忘れずに頑張りたいと思う。

Day42:研修26日目 〜最終週が始まった〜

今日も他のインターン生はお休み。早く元気になってほしいなと思いつつ、仕事につく。早いもので今日が最終週になるわけだが、今週の木曜日にはプレゼンが待っている。英語でプレゼンをして英語で質疑応答するなんて怖すぎて背筋が凍る思いだが、なんとか入念に準備を重ねていきたい。ちなみに現在の進捗はこんな感じ。とりあえず、一つパースを作り終えた。

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仕事が終わった後は職場の人に連れられカフェへ。チョコレート専門店で美味しいチョコレートとホットチョコをいただいた。リキュールの入ったチョコで甘すぎず上品な味わい。非常に美味しかった。チョコを堪能している間はまた社員さんと歴史について語り合う。今日学んだ面白いこととしては、バレッタの特徴的な風景である連続したバルコニーが実はアラブ諸国からの文化輸入であったということ。マルタはアラブの文化、フランスの文化(ほんの少しだけ)、イタリアの文化、イギリスの文化と、その当時占拠していた国の文化が混合した面白い文化となっていることを改めて知った。
仕事が終わった後は帰国のためのPCR検査場探し。全然見つからないし、見つかったと思ったらなぜか僕のカードが2枚とも支払い拒否になって困った。昨日まで普通に使えていたし、残金も問題なく残っているのでおそらくアプリ側の問題だろう。やはり、海外でイレギュラーな生活をするというのは非常に難しい。なんとかして予約を取らなければ。

Day43:研修27日目 〜インターン生との再開〜

今日はついにもう1人のインターン生(Dさん)が不調から回復し、久しぶりに会話をした。どうやらお腹を壊していたそうで、大変そうだった。ともあれ、僕が帰国する前にまた一緒に働くことができて嬉しい限りである。
さて、明後日に迫ったプレゼンテーションについてだが、なかなか難航しており手が進まない。敷地が大きすぎるため取捨選択して設計する必要があるのだが、如何せん時間がなさすぎて取捨選択しても設計しきれないのである。結果、何から手を付ければ良いか分からず、午前中は小手先のパース作りに時間を費やしてしまった。午後はなんとかこの状況を打開しようと、Dさんとともに何に重点を置くか話し合った。Dさんは非常に優秀で、僕の意見を基本的に受け入れてくれた上で、どこを切り捨てるかスパッと決断できるといった感じ。有益な議論のおかげで、もやもやしていた思考が整い、明日に向けて何をすれば良いかもはっきりしたので助かった。明日は、プレゼン前最後の出勤となるが頑張るぞ。

Day44:研修28日目 〜プレゼン間近〜

今日は明日のプレゼンに向けてとにかく資料作り。1ヶ月にわたるインターンシップの集大成を見せるため、8時間きっかり資料作りに励んだ。緊張するけど、英語でのプレゼン頑張りたいと思う。

Day45:研修29日目 〜英語でプレゼン〜

今日でインターンも大詰め。最後の成果発表となるプレゼンがやってきた。1ヶ月前に要塞の活用プランを考えてみてほしいと言われ、右も左も分からない状態で現地偵察に行ったあの日からもう1ヶ月も経ったのかと思うと、時の流れの早さに驚愕する。とりあえず、必死に準備して原稿も十分に練って臨んだ。
僕のプランは要塞とその周囲の公園を巻き込んだ屋外美術館「Cottonera Art Park」を作ろうというものだ。歴史的建造物の保存が鍵となる計画においてあえて建築をせず、「今ある空間をどのように使うか」に焦点を置いて計画した。例として写真のエリアをどう変えたか説明する。

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要塞の中にアーチ空間が連なっているのが見えるが、これは現在ゴミ捨て場や犬小屋として使われている。せっかく歴史的な建物なのに勿体無いという感想が先に来るが、僕が着目したのはその空間の活用のしやすさである。少し手を加えるだけで仮設的な空間が作れそうな雰囲気がある。そこで僕はこの空間を現代アート、特に彫刻物の展示場として使うことにした。これがAfterのパースである。

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こうしてただアートを置くだけでも空間は大きく変わる。現代アートの島として有名な直島の事例を見ても、芸術の人を呼び込む力は絶大だと信じ、このアイディアを借りた。今回の場合、中世に作られた要塞と現代アートの時代のコントラストを楽しめるのも魅力になりうるだろう。
そして、今回のプランは「アート」に加えて「リサイクル」「センソリーガーデン」というコンテンツも存在する。前者については、要塞の周りにあるたくさんのゴミを活用し、リサイクルアートやリサイクルファニチャーを作ろうという計画だ。この際に周りの住民も巻き込み、住民とともに街に一つずつファニチャーを作っていこうと訴えた。というのも、公園内には多くのファニチャーが設置されているのにも関わらず誰1人として使っていないのである。もともと誰も使っていない公園が、設備を新しくしただけでよく使われるとは到底思えない。そこで、より愛着を持ってもらうためにこの計画を盛り込んだ。また、芸術品を作る際にはマルタ地元にいる芸術家や要塞内で石像を製作している工場を巻き込み、空間を作りながら人の繋がりが生まれるように計画した。後者については、五感を研ぎ澄ますことのできる庭のことをセンソリーガーデンという。花の匂いを感じたり、ゴツゴツしたものを触ったりと五感を使うことで、障害者の健康促進、子供の成長に有益だと言われている。この要塞周辺のエリアは障害者の人や高齢者が多く、加えて近くに小学校もあり、マルタにこのようなガーデンはないことから最適なコンテンツと捉えた。センソリーガーデンにも当然芸術品を置き、目で見て・触ってみて・音を出してみてと五感で楽しめるものを計画した。
以上が僕のプランの概要になるが、総評は以下のようだった。
・まず、人口動態などを調べているのが素晴らしい。プランで述べていたコミュニティーへの関与は必要だと思うし、コミュニティーを作り上げていくためにどのような人がいるのかを知る必要があるからその調査をしているのはとても良い。
・次に、現代アートに着目したのはとても良い。実際にマルタにはたくさん現代アーティストがいるし、実際にその人たちを巻き込んだ計画もうちの会社ではないが現在進行形で進んでいる。プランもかなり彼らと似ているので、発想はとても良い。
・加えて、リサイクルやコミュニティへの着目は、EUの設定するサステナブルな社会に向けても良いアイディア。
・一方で、各エリアの計画はもう少し練られていると良かった。ただ、今回の期間では厳しいので、明日以降も残るインターン生に引き継いでもらって、予算やステークホルダーも含めた話に発展させると良い。
・総括すると、全体的にとても良いアイディア。現在進んでいる計画と絡めて何かやってみても良いのかもしれないと思った。
と、とても優しい講評だった。
講評の最後には、「日本では一般市民が公共空間のデザインをすることはあるの?」と聞かれた。これに対して、僕の知る限りでは基本は会社や自治体が主体となり市民を巻き込むことが多いと答えたが、どうやらマルタでも同じような感じらしい。一方で、オーストラリア(or オーストリア)にはCommision Art?なるものがあるらしく、面白いからみてみると良いよと言われたのを最後に議論は終了した。
英語でのプレゼン、議論非常に緊張したが結局、原稿も見ずにできたので英語力は少しは向上しているのかな。最後の課題、無事終えることができて安心した1日となった。

Day46:研修30日目 〜最終日〜

今日で1ヶ月の研修も終わり。明日帰国することになる。案外1ヶ月という期間かつ海外滞在でも人間関係というのはできるもので、めちゃくちゃ寂しい気持ちになった。
午前中はやることがなかったのでもう1人のインターン生と雑談、折り紙を教えたりした。そしてお昼は社員さんと一緒に。一般的な文化の違いの話題からパーソナルな話題まで幅広く会話を楽しんだ。どんなに僕の英語が下手でもみんな親身に聞いてくれる人たちで、昼食が終わってみんなにお別れを言う時なんだか涙が出そうになった。あー、この人たちと2度と会わない可能性もあるんだなと思うと、言葉では形容し難い気持ちになった。ありがとう、社員の皆さん。
職場を離れた後は、インターン生と飲み会。この飲み会では下品な話も含めて実に男子大学生らしい飲み会となった。結局話が盛り上がりすぎて、ビール3杯、リキュール3杯、ウイスキー3杯という馬鹿みたいな飲み方をし、酔っ払いが完成した。
そして、完全に酔っ払った後は宿舎でルームメイトと飲み会。switchとかのゲームで盛り上がりつつ、酒飲みつつで存分に楽しんだ。なんだか1ヶ月もともにすると、ルームメイトとの別れを辛い。初めて会った日本人が僕というような人も多く、会えてよかったなんて言われたらなんだか目頭が熱くなった。明日はきっと2日酔い。まあ、そんなんどうだっていいんだ。楽しかった。

Day47:帰国① 〜問題発生〜

さあ、不穏なサブタイトルだが、そう問題発生だ。これを書いている今は、既に問題に直面し疲労困憊になっている。というのも、PCR検査用紙が認められなかったのである。理由は検査方法が混合、つまり一つしかチェックしてはいけないところに二つチェックが入っていたからである。マルタの病院には日本に帰国できるPCRをやってくれと言っているので、完全に病院側のミスだ。最後の最後でこんな目に会うとは。心配だが、帰国に向けてとりあえず色々すべきことをせねば。

Day48:帰国② 〜一件落着、その後退屈〜

さて、昨日の一件の続きについて記しておこう。PCRが認められなかったため、まずはトルコ空港のPCR検査場に向かう。何度場所を聞いてもわからなかったので、結局6人くらい聞いてやっと辿り着いた。実に深夜2:00の出来事である。そこからはPCRを受け、結果が出るまで90分の待機。必死に眠気を抑えて待ち続けた。
検査90分後の3:50、ようやく陰性の結果をもらい、今度はチケットオフィスへ。このとき、同じ形で日本行きの飛行機への搭乗を拒否されたウズベキスタン人と仲良くなった。なんとかその友達の力も借りながら交渉し、10月19日つまり2日後のフライトを手数料なしで予約。搭乗拒否された時は6万以上のチケット代をまた払わなきゃいけないのかとヒヤヒヤしたが、なんとかPCRと空港滞在費だけで帰国に漕ぎ着けられそうで安心した。これを終えた時はすでに現地時間の6:00、さすがに眠気に耐えられずその後はウズベク人の友達と交代交代で仮眠をとった。

Day49:帰国③ 〜暇すぎる〜

まさかの形で空港に滞在することになったが、なんだかんだ一日が経過した。とにかく暇で暇で仕方ないが、何か有意義なことをするほどの心身の余裕はない。観光にでも行ってしまおうかと思ったが、結局その元気も出なかった。というのも、仮眠を空港内のベンチでとるもせいぜい1時間の睡眠を4回くらいとったみたいな感じなので、疲れが徐々に蓄積されていっているのだ。そして、睡眠時間が減り、やることもないとなると、感じるのは時の流れの遅さである。あれ、1日ってこんなに長かったっけ?と、野球部での生活ぶりに体感時間の長い1日を過ごした。
ちなみにウズベキスタン人とは仲良く会話している。イスラム教のこととか、最近のアフガニスタンのこととか、お互いの言語・文化のこととかを語り合った。その中でも面白かったのは、姓名の話である。ウズベキスタン人は旧ソヴィエト連邦ということもあり、戸籍はロシアの制度に則っているようだ。具体的にいうと、名前には3つのパートがあり、一般的には「祖父の名前」「父の名前」「自分の名前」をov(ロシア語でいうof)で繋ぐらしい。自分の名前が子供の苗字になるのだから驚きだ。ただ僕が驚いたのと同様、日本の苗字の話をしたらウズベク人の友達も僕と驚いていた。そのリアクションの中でも面白かったのは、「(日本のやり方として)両親どちらかの姓しか受け継げなかったら、苗字の数は最初から限りがあって減っていくってこと?」というコメントである。そういえば、考えもしなかったが確かに日本の制度では世代を重ねるごとに苗字が減っていく。おそらく明治以降の平民名字必称義務令以降と比べたら、現在の名字の種類は減っているのだろう。自分で名字が作れる文化に住む人ならではの視点で、興味深かった。最後の最後で、こんな文化の話で盛り上がるとは思わなかったが、とにかくこんな不運の中でも面白い話が聞けたのは良かったと思う。

Day50:帰国④ 〜ついに帰ってきた〜

最終日。正直、体に疲れが蓄積していたのか記憶が曖昧だが、大してnoteに残すほどのことは起きていないと思う。待ち続けた飛行機の中では、行きのフライトでは考えられないほどの爆睡をかましたので、機内での思い出もない。
最後に帰国後の流れを記しておこう。帰国した後、最初に行うのは検疫である。誓約書・陰性証明書など必要書類の確認をしたら、PCR検査を受け、さらに隔離期間に使用するアプリの説明を受ける。一通りの説明を受けたら、PCR検査の結果待ち。個人差はあるが、通常60分ほどで結果が出た。結果が出た後は、預入荷物を受け取り、税関を通れば無事帰国だ。今後海外に行く人はぜひ参考にしてみて欲しい。
さて。長いインターン生活もこれにて完結。たった1ヶ月半ではあったが、忘れがたい期間となった。正直、研修自体はあと2ヶ月くらいあったら良かったなと思ってしまう。特にデザイン課題は中途半端に終わってしまった実感があるので、最後まで練りきりたかった。一方で海外生活自体は1ヶ月半でもうお腹いっぱい。最後の方は日本食が恋しくてたまらなかった。こうなると、数年レベルの留学は自分には耐えられないなと思ってしまったが、これが分かっただけでも海外に滞在した価値はある。今後は旅行という形で海外に触れたいと思う。
総括すると、インターンの目的としていた「海外と日本の価値観を比較し、新たな知識や価値観を得る」というのは達成できたと思う。日本にはない海外の魅力を知ることもできたし、副次的に海外にない日本の魅力も再確認できた。さらにはコロナ禍という中でこのような経験をしたのも人生の肥やしとなるだろう。修論の時間を削り、自分の奨学金を削り、親の支援までいただいて実施したインターンだったが、きた甲斐はあったと胸を張って言える。今後この経験があって良かったとさらに思えるよう、精一杯人生を謳歌したいと思う。

ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。つらつらと駄文を重ねていましたが、楽しく読んでいただいたのであれば幸いです。

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