📝アサフとデイモスのクリスマス　(加筆中)

Disney起用作品。
作者、西野みーが
設定を忘れないための！記録。

☆自作です(2015)
☆物語シリーズ第２作目

データ飛ばしたので打ち直します。笑

サンタ伝説。
サラブレットサンタのアサフと、二ホンエゾシカのデイモスによる、努力がおおいに実る、友情きらめく英雄譚。

◇

□アサフ
サンタ村の特級サンタの夫婦の子。幼少に両親を亡くすが、蝦夷鹿のデイモスを育てることで淋しさをまぎらわす。両親が亡くなったサンタ仕事に誇りはあるものの、不安がつきまとう。両親が活躍していた火星で特級サンタ資格をとり、地球配属へ異動したタイミングでデイモスに再会。即決でコンビ契約を結ぶ。

□デイモス
北海道で拾われた蝦夷鹿。立派な特級トナカイになりたい。アサフの両親が自分を救ったことで亡くなったことに罪悪感がある。赤鼻であることと、サンタ村のヒーローが亡くなったこととで、悪魔の子と呼ばれ育つ。誰よりも優れた特級トナカイになるため、ひたすら自主練を積む。日本担当配属、希望。

□サンタ爺
サンタ村の村長。特級サンタ。アサフとデイモスの生い立ちを知る。ふたりの親代わりとなり、可愛がっている。デイモスの特級トナカイ実技試験のクリスマスの夜、アサフとデイモスへのはなむけに、みんなよりちょっぴり見映えのするソリをプレゼントする。

□カシュカシュ爺
カシュカシュの森住む、よろず屋カシュカシュの店主。アサフがサンタ爺に頼んだ等高線いりの世界地図を用意する。

□ホットミルク
アサフとデイモスの思い出の一品。

□ポトフ
アサフとデイモスの思い出の一品。

□真っ赤な特級サンタ服
火星で活躍する特級サンタは、その真っ白な衣装を赤に染めて働く。誰よりも現場に慣れ、いざというときには先陣に立つ。判断力でチームを動かし、気象に落ち着きのない火星に住む家族たちのクリスマスに華を添える。

[m:778]

サンタの衣装は、なぜ赤い。
赤鼻のトナカイ。

異説。

□始まりは、現場希望調査、現段階の配属発表の日。壁に貼り出されたリストには、デイモスの名はなかった。泣きそうになりながらサンタ爺にかけあう。『ぼくを日本へやってください。必ず、特級トナカイになりますから！』

□アサフが地球に帰った日、両親の墓のある切りたった丘の上から見えた自主練中のトナカイは、新人デイモスだった！

□まさかと思ったけれど、たびたび様子をみにいき、休憩中のデイモスのソリでうっかり寝こけたタイミングでデイモスにみつかる。過ごすうちに確信に変わり、さっさと一方的圧力でコンビ契約を結ぶ。

□丘から宿舎まで走らせてみれば、異常なほどの実力。エリートが集められがちな火星ですら、これほど秀でた者はいない。

□デイモスの自室は資料の山。畳、座布団、床の間、障子、、模造紙と地図が壁に貼られ、たくさんの書き込みがある。布団は押し入れのなか。

□特級サンタと新人トナカイが組んだことでサンタ村は噂でもちきり。しかも、あのデイモスだ。

□悪口や噂話をされながらも、デイモスは慣れっこで自主練へ。アサフはくちのだしどころを考えながら対処。試験にむけて準備する。

□ある日から、アサフが練習に顔を見せなくなる。久しぶりに再会したときにデイモスがとうと、ひょうひょうとかわされてしまう。泣きながらいうデイモス。『アサフはね、特級サンタだからいいよ。ぼくはね、どうしても、特級サンタになりたい。コンビは、相性が大切だろ？練習に付き合ってよアサフ。サンタ仕事の試験は、もうすぐなんだ！』

□アサフはデイモスに指示を出して、またしばらく戻らなかった。ソリに多量の鈴をつけろという。意味がわからないけれど、特級サンタのいうことに従って、ソリに山ほどの鈴をつけて練習を開始した。アサフは絶対に戻ってきてくれる。デイモスは信じ続けた。

□もうすぐクリスマスの夜。自主練のあとに、いつもの丘にいくと、アサフがゴロゴロしながら物思いに耽っていた。アサフはいう。『父さんと母さんはさ、いまも空を走ってるんだ。自由でいたいって、ここから撒いたからね。日本のサンタ仕事は難しいよ。険しい地理なんだ。民家もぎゅうぎゅう。えんとつだってないんだから。』声も、手も、震えているような気がした。『みんな勘違いしてるんだ。担当エリアまで行けたら仕事は上手くいくってね。着いてからだって大変さ。地理を理解して、気象を理解して、先読みして、時間だってある。プロだから、万事うまくいくなんて、確証なんかないんだもの』デイモスはいう。『北海道に行けたらいいね。ほんとの、お墓参りになる』

□試験当日。デイモスの試験日は、やっぱり噂でもちきり。デイモスは黙々と準備していた。サンタ爺から、特別なピカピカのソリを貰ったばかり。

□トナカイの何人かがデイモスに寄ってきて、直接、嫉妬をぶつける。

□そこへ真っ赤なサンタ服を着たアサフが登場。オーダーメイドだ。トナカイたちに珍しく厳しくいなす。『きみたちに、デイモスのトナカイ仕事のどれだけができる？きみ。あそこから、あそこまで、何秒？きみ。○○について、どう考える？』『こいつは、きみらが噂をそやしている間に、実力を上げていたんだよ。うちの特級トナカイに、手を出さないでくれるかな』。そして、みんなが集まる広場へ。わーきゃーされながら対応する。

□デイモスはアサフから、今しがた渡されたオーダーメイドの特級トナカイ服をまとった。あったかくて、ほんのりホットミルクの香りがする。

□サンタ爺の号令で、サンタ試験のメンバーを先頭にして、サンタ任務を請け負ったコンビたちがサンタ仕事へと飛び立ってゆく。アサフの手には、みっちりと書きこまれた地図。色分けされている。

□装飾の施された、きらめく長い長いレーンを駆け抜け、高い高い星空へ。担当地域、日本は、アッチだ。

□眼下では、サンタ村のメンバーたちが、騒いでいる。空へ向かって。