📙少女とねこ (加筆中)
(2020年)たぶん
作者、西野みーが
設定を忘れないための、記録。
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空は高い。
広く、深い。
見上げた先には 光あふれ。
雲が流れ。鳥が飛び交う。
人々の視力の届かぬ
遥か上空に それはあった。
ずいぶんと長いこと 使われていない。
その時代には
モノレールと呼ばれていたとも聞く。
たった1両。
忘れ去られた空。
レールの上で 静かに時を重ねている。
高い高い。
頭上よりも、はるか上空だ。
もしも見上げても
鳥のほうが先に目にはいる。
何区画もある巨大な街。
みな、空を見上げないわけでもない。それでも、その1両は 人々の視界から、ほとんど、消えていた。
何百年か。何千年か。
そんなこと誰も気にしない。
すっかり打ち捨てられた。地上には、かつて使われていた駅が まだあるけれど、街のポスターだとか、ちらしだとかを飾るオブジェとなっていて、この建物がいったい何なのかすら、人々は興味がなかった。
古くにはショッピングモールだったという。劇場だとかの入る巨大な駅で、建築としても有名だった。レールまで伸びる透明なエレベータも、その輝く照明も、世界中から訪れた人々が列を成すほどの歓楽スポットだったのだ。
(タッタッタッ
『ねこーー!いくよーーー!!』
(ねこ。むくり起きて出る
『今日は◯◯祭りよっ!』
(街からかすかに音楽
(少女、レールの上をねこと歩く。うきうき。
(カメラ、少女目線から遠くの海、空、周囲まわって、眼下の街へ。かなりの高さの柵もないレールのはるか下に、かわいらしい雰囲気の街がドーンと広がる。飾りがすごい。植物もたくさんあるので植物の香りが舞う。
『うーん!いい風!
今日はいつもより よく聴こえる!』
(歩いてゆく方向に近づくたびに
音が大きくなる)
◇
◯◯◯。
街の名だ。
かつて◯◯で名を馳せた◯◯と呼ばれる女性が その身を偽り、人々の安楽の地として立ち上げたといわれる。
街の遠い先祖達はよほど口が固かったようだ。いま、この街で彼女の真実の名を口にする者はいない。
祭りの夜の奇跡。
世界中に溢れる数多の奇跡に埋もれるように語り継がれた。祭のみが伝統となり、幸せを願う祭りであると触れ込みをされている。
『街を歩くなんて、いつぶりかしら!
どこもかわいくって、わくわくしちゃう!』
[m:609]ヌァーン
『ねぇ、ねこ。知ってる?祭りの夜には奇跡が起こるのよ。みんなは知らないの。あたしたちだけの秘密!』
(風。
(七色に煌めく光。
(巻き上がるスカート。(下にズボン)
(遠くから陽気な音楽が近づいてくる
空を駆ける自転車が
少女の目の前でふわりと止まった。
少女『あら!おばあちゃん!
今日はチャリンコなの』
おばあちゃん
『近場だもの。◯◯は修理中なのよ』
少女『このあいだの配達で?』
おばあちゃん『そ。』
少女『サンタ村はどうだった?!』
おばあちゃん
『クリスマスの夜を楽しみにって』
少女『わぁ!いこうね、ねこ!一緒に!』
(◯◯(おばあちゃん)は世界中を飛び回る)
(郵便屋だ。ほとんどはよろず屋である)
少女『それで...』
おばあちゃん
『ずいぶん育っていたわ。少し色をつけておいたわよ。冬までには、なんとかなるでしょうね』
少女『お部屋は?』
おばあちゃん『幸せそうだったわよ』
少女『そう。よかった!』
その部屋には◯◯の親友が眠る。
時代の荒波を乗り越え
幸せな時間を手にした夫婦だ。
少女の、先祖である。
おばあちゃん
『つぎは、あなたも いらっしゃい。』
少女『うん』
おばあちゃん
『今日は 街に 降りるでしょう。先に行っているわよ』
少女『わかった!』
◯◯が自転車に手をかける。
ふわりと光った。
陽気な音楽が遠のいていく。
少女『いこっか、ねこ』
少女はつぶやく。
少女『あたしも
チャリンコってやつ 欲しいわぁ』
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□しばらくあとになって判明するが、少女はこの街の住民権がない。堂々としすぎていてバレない。ふつうに買い物しているし、顔も隠していない。
□遠くへ行くときには、空飛ぶバイク。
ほかの作品によくでてくる、あの郵便屋さん。もうすっかりおばあちゃんだが、めっちゃ元気。宇宙光石をエネルギー源としている。【水の都】に出てきた"蓄光石"のことかも。
□少女がもっと小さい頃、一緒に【あの墓室】へ行ったことがある。郵便服は、彼らに預けた。
□【水の都】の"呪い"が解けたあとの話。
□モノレールのレールには、途中、壊れたところがあって、少女がまだ観たことのない街があった。お祭りの日に、何かがあって、そこに行っちゃうのかも。
□レールが壊れた真下には
いったい、なにがあるんだろうね?
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