Tinder で英会話
教科書の内容に飽きてしまい、生きた英会話を学ぶための友達ができらラッキー!という気軽にはじめたデーティングアプリのTinder。
体目的としての利用が多いと噂されるTinderのプロフィール写真は性の香りを一切排除した「盛らず、修正せず。」40歳になったばかりの私をコンセプトにした写真を選んだ。そう目的はリアルな英会話がしたいだけ!の一点。
スタートして数日でマッチした外国人とメッセージを交換した。彼とは同世代の日本人男性より話があい、好きなものが似ていて話が弾みまくった。そして毎日のように彼はメッセージを送ってきてくれた。
それから1週間ほどして、コーヒー飲みに行かない?というお誘いがきた。正直なところ会話のほとんどを翻訳アプリのDeepL に頼っていたので、私の英語は流暢でないけど大丈夫?かと確認の上、会うことにした。
知らない外国人と会うってなかなかハードルが高かった。女性という性を消して無事に帰宅したいと願った私は、90年代を代表するアメリカのHIPHOPアーティスト・ビィスティーボーイズTシャツにサテンパンツをあわせ、エアマックス95を履いてでかけた。とにかく彼の恋人枠ではなく友達枠に入りたかった。
待ち合わせ時間どおりに現れた彼とケーキとコーヒーをテイクアウトして公園で食べたあと、散歩をしながら話をした。テロリストみたいだろ?と冗談をいいながら写真付き在留カードもみせてくれて、自分の住んでるマンションも紹介してくれた。長時間の散歩と慣れない英語での会話。私は、はやく帰りたくてしかがなかった。そろそろお開きかなという帰り道、ちょうど地下鉄への入口があったので、私は「じゃ、またね!」と逃げるように彼と別れた。
そんな1日からはじまり半年がたち、私達は交際している。
友達枠に入る予定でキメたファッションは、どストライクな彼好みだった。
逃げるように別れたら「僕は嫌われたのか?」とあと引く別れ方をしたよう。後日、嫌われてないのか?と毎日のようにお茶に誘われた。
私は外国人の彼氏がほしいとは1mmも思ったことはない。想定外の展開に今も戸惑っている。告白もされぬまま、オフィシャルな関係になった。これまで日本式の恋愛作法で恋愛をしてきたから、今もピンとこない。
友人には外国人のパートナーや夫をもつ人たちがいる。彼女たちから聴くスウィートな話と大きく違う。言語の壁、異なる文化と価値観で喧嘩をして彼のダイレクトな物言いに驚いてたくさん泣いたこともある。でも、泣いていても解決はしないし気持ちは伝わらない。相手を理解するために意見をいい主張しなければならない、察してもらうことは皆無。
たいして英語を話すことができず恋愛も苦手科目である私の突然はじまった国際恋愛、いつまで続くものなのか?すべてが初めての出来事である。
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