凡人、一級建築士を目指す♯22「設計製図試験ってどんな試験?その2〜」
前回は、設計製図試験の受験資格と受験スケジュールについて書かせて頂いた。
(▶凡人、一級建築士を目指す♯21「設計製図試験ってどんな試験?その1〜」|miy #note )
今回は引き続き、試験の内容と合格基準について、ゆるゆるっと説明していく。
試験の内容
「設計製図試験」と言うだけあって、自分で「設計」し、「製図」をする試験。
順を追って説明していくと、まず
①7月に課題発表がある。
これは前回の記事でも説明したが、設計製図試験については毎年、「課題名」が発表される。
ここで大まかな要求図書だったり留意事項も発表されるため、資格学校はあたりをつけ勉強をリスタートする。
ここから試験は始まっているようなものなのだ。
②試験当日。
開始10分前くらいになると、
・A2の製図用紙
・A2の問題用紙
・エスキス用紙
・要点記述の用紙
が配布される。
問題用紙や答案用紙については、形式が大きく変わることがある。
昔はA2の用紙1枚だけで、数行、計画の要点を書くだけだったとかなんとか…?
最近は計画の要点記述は決まってA3だ。
あるときは、エスキス用紙の4分の1が周辺環境図が書いてあり使えなかったり(H29)、
またあるときは、問題用紙が前年まではA3だったのに、A2になったり(H30)して毎回度肝を抜かれたものだ。
話を戻すと、
A2の問題用紙には「お題」が書いてあり、この条件を全て満たした
・平面図+断面図(合計4面程)
・面積表
・計画の要点
を6時間半かけて完成させる。
建築基準法、建築計画、構造計画、設備計画の理解はもちろん、製図、プランニングを指定時間内に完成させるスキルが必要になる。
一般的な時間配分は、
・エスキス…2時間
・作図…3時間
・要点記述…1時間
・チェック…30分
=合計6時間半といった感じ。
やったことがない、これからやる、といった方は感覚が分からない方も多いと思うが、時間管理はマジで大事。
試験時間が余るなんて、無いに等しい。
合格基準
結果は、ランクⅠ〜Ⅳで示され、「合格・不合格通知」として送られてくる。
・ランクⅠ…「知識及び技能」を有するもの
・ランクⅡ…「知識及び技能」が不足しているもの
・ランクⅢ…「知識及び技能」が著しく不足しているもの
・ランクⅣ…設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの
(建築技術教育普及センター「合格基準等」より)
この内、ランクⅠの人だけが合格。
ランクⅡはあと一方足りなかった人。
ランクⅢは減点が大きかった人。
ランクⅣは重大な不適合があった人。
この内、ランクⅣで即失格となる「重大な不適合」とは
・未完成
・要求と異なる階設定
・建築面積の超過
・上下階の不整合
などなど、見るからにアウトな内容。
読み違いや勘違いで起きてしまうこともあるので、熟練者でも十分注意が必要だ。
じゃあ、ランクⅠになるにはどうすれば良いかというと、
・要求事項が満たされている。
・空間構成や計画を適切にする。
・法律を守っている。
・要点記述がしっかり書かれている。
など他にもあるがまとめると、必要事項を守りかつ、減点が少ない図面とすることが第一だ。
また、ランクⅠとランクⅡを分けるのは要点記述だとも言われているので、ここでも手を抜かないことが重要。
まとめ
ざっくばらんに書いてきたが、一級建築士の設計製図試験がどんなものか、少しでもお分かり頂けただろうか。
合格基準など、一応言葉では書いてあるが、実際ランクの分かれ目はブラックボックス。
これを分析して合格に向かわせているのだから、資格学校は本当にすごいと思う。
今回の記事は私の見解も入っているため、参考程度に、「設計製図試験はこんなものか〜」と思って頂けたら嬉しい。
※試験について、詳しく知りたい方は下記URLからお調べ下さい。
▶建築技術教育普及センターhttps://www.jaeic.or.jp/smph/index.html
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