死者をも蘇らせるカクテル?「コープス・リバイバー」は多彩なカクテル
こんにちは。東京日比谷OKUROJI内にあります、MIXOLOGY HERITAGE(ミクソロジーヘリテージ) バーテンダーの角田健太です!
一月も半ばを過ぎ、仕事のリズムはもう取り戻されましたか?
まん延防止等重点措置が発令されそうな状況で僕ら飲食店の人間はまた普通のようには動けなくなります。悲しく辛い状況ではありますがコロナウイルスの早い終息を願っております。
さて、本日書かせていただくのは「リバイバー・カクテル」の一つ。
「コープス・リバイバー」のご紹介。
コープス・リバイバーとはリバイバーカクテルの一つで、【死者を蘇らせる者】と言った意味を持つカクテルです。
何度か文中に出て来ました、リバイバーカクテル。まずはそちらから解説していきましょう。
リバイバーとは、【回復する】と言った意味で眠気覚ましであったり、二日酔いの時の迎え酒を意味します。有名なところで言うと、レッドアイ、アイオープナー、ブラッディメアリーなどのカクテルが挙げられます。
二日酔いの次の日の赤い目を意味するレッドアイに、眠気覚ましのような意味合いを持つアイオープナーなんてのは迎え酒の代表格と言っても過言ではないのではないでしょうか。
どのリバイバーカクテルにも共通しているのは、トマトや薬草、ハーブなどを使った胃に優しい、体に優しい、肝臓に効く成分が含まれていると言うのがわかりやすい一つの目安かもしれません。
そして、本題に入ります。
コープス・リバイバー(Corpse Reviver)
発祥は1920年代パリのホテルリッツ(The Ritz Hotel)の名バーテンダーフランク・マイヤー(Frank Meier ?~1947)氏が考案しました。
オーストリア出身のフランク・マイヤー氏はニューヨークのホフマン・ハウス・ホテルバーに勤めていましたがアメリカ禁酒法を嫌い、1920年に欧州に帰国。翌年の1921年にオープンするホテルリッツのバーテンダーに就任します。
このホテルに勤めていたマイヤー氏が創作したコープスリバイバーは作者違いでNo.1〜No.4まである多彩なカクテル。
それぞれのレシピには諸説ありますが、特に広く知れ渡ったレシピが掲載されている本はカクテルブックの古典中の古典と形容される「The Savoy Cocktail Book」に全てのレシピが網羅されております。
何を隠そう、No.2はカクテルブックの著者、ハリー・クラドック氏の創作。
No.3は同ホテルのジョニー・ジョンソン氏が創作したと言われており、まさにサヴォイホテル万歳なカクテルと周知されている。
No.4はフランク・マイヤー氏の創作。フランク・マイヤー氏もカクテルブックを出版するのですが、1934年とハリー・クラドック氏より後出しになってしまった為、今伝わっている「The Savoy Cocktail Book」をベースとしたコープスリバイバーが定着しました。元々はNo.2もNo.3もフランク・マイヤー氏が創作していたのですが、カクテルブックの影に埋もれてしましました。
ハリー・クラドック氏のカクテルブックのコープスリバイバーの項に書いた有名な説明文があります。
『午前11時前に飲めば、必要な強さとエネルギーがすぐに』
リバイバーカクテルたる所以、このカクテルを景気付けに飲めと言わんばかりの説明文。しかし。続けてこのように書かれています。
『立て続けのコープス・リバイバー4杯は、死体を再び殺すだろうね』
はい。蘇った者も4杯も飲めばもう一度お眠りになるということですね。コープス・リバイバーがいつの間にかゴースト・バスターズになってしまうような…。
そんなことを言うぐらいにまで思考は鈍ることでしょう。初代ゴースト・バスターズも四人組だった気がします。
では、レシピのご紹介
コープス・リバイバーNo.1
・ブランデー 30ml
・カルヴァドス 15ml
・スイートベルモット 15ml
ステアで仕上げ、レモンピールを絞る。
続いて、コープス・リバイバーNo.2
・ドライジン 15ml
・リレブラン 15ml
・コアントロー 15ml
・レモンジュース 15ml
・アブサン 1dash
シェイクしてグラスに注ぐ。
コープス・リバイバーNo.3
・コニャック 20ml
・ホワイトミントリキュール 20ml
・フェルネットブランカ 20ml
ステアで仕上げ、カクテルグラスに注ぐ。
コープス・リバイバーNo.4
・コニャック 30ml
・オレンジジュース 20ml
・レモンジュース 10ml
・グレナデンシロップ 2tsp
・シャンパン 60ml
シャンパン以外をシェイクしてグラスに注ぎ、シャンパンを注ぎ混ぜる。
全てのカクテルにどれも個性があり、シーンを選んで様々な使い方ができるカクテルだなと感じました。
今回ご紹介したレシピはカクテルブックからの抜粋ですので、自分の好みに調整してカクテル作りを楽しむのも良いかもれません。
飲みすぎるのはほどほどに。飲み過ぎた時はリバイバーカクテルで目を覚ましましょう。
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