そこは白だろう?
小学生の頃。
風景画を描いていた。なんの変哲もない風景画。しかも細かい作業が苦手なあたしは出来るだけ細かい描写がいらないような、線もあまり描かなくていいような、白い、ドーンとした建物を描くことにした。
別にその風景に惹かれたわけでもなく、自分の作業効率の良さ。それのみに特化させた建物の配置。
心なんてどこにもなかった。
あの時は生きるのでさえしんどくて。
ただただ時間さえ無事にやり過ごせればいいと思っていた。
そんな事をボーッと考えながら絵を描いていた時の事。
「っべちょっ!」
一体何が起きたのかわからなかった。
自分が何故その色に手を染めたのかさえ。
気が付いたら、白いドーンとした家の壁の真ん中に。黒い絵の具がのってしまっていた。
「…どうしよう?」と一応悩むが。
はっきりいってどうしようもない。
回りをキョロキョロ見渡したところで解決策が見付かるわけもなく。
他の色ならまだしも。
白い壁に黒。
中二病風に言うなら、天国に舞い降りた堕天使のような。悪戯な黒。
とりあえず、水をつけて薄めようとするものの。
紙の質が薄くなるだけで下手をすればこれは穴が開いてしまうと途中で気が付いたので、断念。
でも、さっきよりは薄くなったぞ!
でも、無理だな!!汗
もーまるで金持ちの家に嫉妬してイタズラされたような黒。もーみるのもいやだ。
「これはあたしの心をあらわしました!!」なんて大見得をはれるぐらいの心臓は持ち合わせてないし。
結局、ギリギリ紙に穴があかないぐらい水でのばして提出したものの。
張り出された自分の絵をみてまた思い出し。
「いや、だからさ、白に黒は無理だって。」と苦笑いしながら早く別の展示物にならないかなーとソワソワする日々を送ったとさ。
何回も言うが、白に黒はどうやってもなおせない。
真っ白な心に黒をぼつんと置いてしまえば、それは薄まりはすれど、なくなることはないんだ。
ちなみにうちの娘はこないだ白い制服に黒ではないが、絵の具をつけてしまったので、修正液で対応しようとしたらしい。(実際制服には修正液で対応した痕跡が残されてます)
そっか、修正液か。考えたな、娘。
でもおかげでクリーニングに出してもとれなくて、制服もう一度買うはめになったがな。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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