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青い鳥(現在はXと改名)の商人たち

遥か昔の、貧しい家に生まれた兄と妹の兄妹、名前はカイトとユノ。彼らは毎日のように、近隣に住む金持ちの家を見上げ、内心でその贅沢な暮らしを羨む日々を過ごしていました。ある日、村に突如として現れた魔法使いのおばあさんが、二人の前に立ちはだかりました。彼女は悲しげな表情で語りかけました。「私の娘が重い病に倒れており、彼女の唯一の願いは幸せの青い鳥(現在はXと改名)を見ること。もし見つけられる手がかりを知っていたら、どうかお願いします。成功報酬として十分な報酬を差し上げます」

カイトとユノは、お金が欲しかったので、その魔法使いのおばあさんの依頼を受けて青い鳥(現在はXと改名)を探しに旅に出ることを決意しました。最初の目的地は、「思い出の国」。そこには亡くなった祖父や祖母が住んでおり、カイトとユノが幼い頃に過ごした思い出がいっぱい詰まっていました。彼らは喜び勇んでその国に足を踏み入れ、死んだはずの祖父と祖母に囲まれて幸せなひとときを過ごしました。そして、思い出の国の住人から「青い鳥(現在はXと改名)」を手渡されました。しかし、思い出の国を後にすると、鳥はかごの中で黒く変色し、腐り果てて命を落としてしまいました。それは偽物の青い鳥(現在はXと改名)だったのです。

「ちっ、ばかにされたようなもんだ」とカイトはがっくりと肩を落としました。二人は次なる目的地、「夜の精の城」へと向かいました。城の中には恐ろしいほどの数の鍵のかかった部屋があり、それぞれに不気味な光景が広がっていました。しかし、カイトは鍵を力任せに開けて中に入ると、そこは「夢の国」と呼ばれる美しい場所でした。そこには鮮やかな花々が咲き、美しい青い鳥(現在はXと改名)たちが羽ばたいていました。カイトとユノは喜び勇んで青い鳥(現在はXと改名)たちを捕まえましたが、外に出ると、青い鳥(現在はXと改名)たちは次々に命を落としてしまいました。

「兄貴、落ち込むなよ。何度だって試してみる価値はあるさ」とユノが心を奮い立たせました。次なる目的地は「未来の国」。そこは豪華な宮殿や幸福な未来が広がる場所でした。しかし、どこを探しても同じように青い鳥(現在はXと改名)が存在し、鳥かごに閉じ込めても、その鳥たちは命を失ってしまうのでした。カイトとユノはがっかりとした表情を隠せませんでした。

しかし、兄妹は希望を捨てず、新たなアプローチを考えました。彼らは青い鳥(現在はXと改名)を探すことをやめ、訪れた国々で見つけた美しい工芸品や珍しい商品を買い付け、それを故郷で売ることにしました。彼らの商才はすぐに開花し、仕入れた品物は驚くほどの高値で取引されました。カイトとユノは次第に富を築き、その成功はおばあさんが提示した成功報酬を上回るほどでした。兄妹はおばあさんの依頼を取りやめることにしました。

「青い鳥(現在はXと改名)は見つからなかったけれど、私たちの商売こそが青い鳥(現在はXと改名)なんだ」とカイトは笑顔で語りました。以後、彼らは自分たちが訪れたの国々で貿易を続けました。青い鳥(現在はXと改名)の探求から始まった旅路が、最終的には貿易商人としての成功へと繋がっていったのです。カイトとユノはおばあさんのことを忘れ、幸せな日々を楽しみました。彼らの物語は、魔法のない世界でも、努力と知恵、そしてチャンスが幸せをもたらすことを教えてくれます。

[おしまい]

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