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「モンスターバトルの向こう側」
学校帰りの午後、俺は心躍る思いで駅前のファミレスへ向かっていた。
『モンスターバトル』というネットゲームで知り合った相手と初めて会うことになっていたからだ。
相手は女の子だったが、ゲームの中では、兄弟のような関係で、いつも一緒に戦っていた。
ボイスチャットで聞いていると、年齢も同じくらいだと思っていたし、きっと気の合う友達になれると期待していた。
ファミレスのドアを開けて中に入ると、すぐに目に入ったのは、ちょっと派手めな服装をした大人の女性だった。
彼女の視線と合った瞬間、俺は驚いて立ち止まった。
「あれ、もしかして...?」
「カズくん?」と彼女が呼びかけてきた。
その声には、間違いなくゲーム内で聞いたことのある、あの優しいトーンが含まれていた。
「え、マジで?」俺は目を見開いた。「ミカさん?」
「そうよ。驚いた?」彼女は微笑みながら席に誘導した。
俺は戸惑いながらも、彼女の隣に座った。
彼女は若作りの服装で、少しケバい感じだったが、それ以上に色っぽさが際立っていた。
「すごい、リアルでは全然わからなかったよ。」俺は率直に言った。
「でも、どうしてこんな風に若作りしてるの?」
「最近ね、会社の若い娘たちと話が合わなくてさ。それで、ゲームの中で若返るつもりだったの。」ミカさんは少し照れくさそうに笑った。
その後、俺たちはファミレスで食事をしながら話を続けた。
話題は自然とゲームのことに移り、俺たちがどれだけ協力してモンスターを倒してきたか、どんな戦術を使ってきたかなど、笑いながら振り返った。
でも、俺は次第にミカさんの身体に目がいってしまっていた。
特に彼女の胸元はセクシーで、話に集中できなくなっていた。
そんな俺の視線に気づいたのか、ミカさんはニヤリと笑って言った。
「カズくん、そんなに見つめられると照れるわよ。」
「ご、ごめん!」俺は顔を赤くして謝った。
「ふふ、気にしないで。でも、せっかくだからデートでもしようか。ここじゃ話も落ち着かないし。」
「え、デート?」俺は驚いて聞き返した。
「うん、どうせなら楽しもうよ。」ミカさんはそう言って、席を立った。
俺もすぐに追いかけた。
その後、俺たちは街をあちこち歩き回った。
カフェでアイスクリームを食べたり、ゲームセンターで遊んだり、ショッピングモールでウィンドウショッピングをしたりした。
彼女との会話は本当に楽しく、年齢の差なんて感じなかった。
夕方になり、街の風景がオレンジ色に染まる中、俺たちは公園のベンチに座って休んでいた。
「今日は本当に楽しかったよ、ミカさん。」俺は感謝の気持ちを伝えた。
「私もよ、カズくん。」彼女は優しく微笑んだ。
「またゲームで会おうね。そして、またリアルでも会おうよ。」
「うん、絶対に!」俺は元気よく答えた。
こうして、俺とミカさんの奇妙な友情が始まった。
ネットの中だけでなく、リアルでも仲良くなれることを知り、新たな友情の形に胸が高鳴った。
ゲームの世界も現実の世界も、どちらも楽しめるなんて、最高じゃないか。
これからも、ミカさんと一緒に楽しい時間を過ごすことを楽しみにしている。
[おしまい]