アンテプリマを手に入れるための自問自答
あきやあさみ氏の、カバンは自己紹介。
という言葉にもうもうもう首が取れそうになるくらい頷いている私。
私が好きになるバッグはだいぶ私の「こういう人間として見られたい」が隠れてる気がする。
今のいちばんのお気に入りはCharles&Keithの黒い合皮バッグ。決してお値段的には高くはない。金具が少しマットでヴィンテージみのあるゴールド。自立型。ショルダーにもハンドバッグにもなる。カチッとした直線的なフォルムにアクセントとしてレターケースのような外ポケットがついている。遊び心もあって愛しい。
ペットボトルも入るのでおでかけにはその黒バッグを重宝している。出先にはほとんどこれを引っ提げ、闊歩している。
そのおかげでバッグへの物欲はほとんどない
はずだった……。
誕生日に友人と三越銀座を散策。そこで出会ったアンテプリマのワイヤーバッグ。
アンテプリマのワイヤーバッグの存在はずっと前から知っていた。インスタでもたまにみかける。いままでは「なんかキラキラで可愛いなー」という感じだった。でも、 「ペットボトル入らないし何入れるねん…笑」私には一生使いこなせないな〜。と、少し遠くから 自分とは違う世界のもの と自分から遠ざけていた。
しかし、現物の煌びやかさに惹かれて吸い寄せられて(虫みたいだね)手に取ると、もうすごかった。
よく自問自答ガールズのみなさんは「身につけた瞬間に雷が落ちた」だったり「曲が流れた」と言った体験を聞く。
私も身につけた瞬間、鏡が一気に明るくなった気がして、自分がすごく輝いて見えた。そして、「おまえだったのか…」とえもいえぬ感情に襲われた。ごんぎつねスタイル。
黒いタートルのニットを着ていたおかげなのか、バッグが小さいからなのか、バッグとの相性が良かったのか、すごく洗練された女性になれた気がした。このバッグを持つために身軽な状態で外へ出たいと思った。荷物を減らしたいと思った。絆創膏も大きすぎるバッファローのモバイルバッテリーをおいてでも出かけたいと思った。
絶対買う……!お誕生日祝いに買っちゃおうかな?!
と思った。しかしふと、いまの家の状況を思い出した。
物が多すぎる。雑貨が好き。お洋服が好き。嗜好品がすき。日用品が好き。ワンルーム一人暮らしなのに4人家族?みたいな量のタオルを所有している。一個一個は可愛いはずなのに、生活感の塊。
アンテプリマをもつ洗練された女はそんな部屋に住むか?そんなことないだろ!!!(⚠️私の私による私に対しての意見です!!!)
アンテプリマを持つ女の人はきっと、家も洗練されていそう。少ないものを長く愛して、10時ごろの少しずつ高いところに向かう太陽のやさしい日差しが似合う感じ。服だって、きっと一年に一回しか着ないものなんてほとんどなくて、家に出る前に大試着会をして部屋を荒らしてバタバタ家を出たり、荒れた部屋に帰ってきてげんなりしたりしないと思う。
このバッグを手に入れるにあたって、私自身が変わりたいと思った。身の丈に合わないから手に入れないというわけではなく、バッグを心の底から愛するために。こんな部屋に迎えてごめんね…と罪悪感なく迎え入れるために自分の目標が新たに定まった。必要な物が必要な場所にあって、物を探したりモヤモヤすることに時間を溶かさない。
この子を手に入れるのは自分の気持ちと自分の部屋が整ってからにしたい。
買ってもいないのに、心に大きな変化があったそんな日でした。
今は焦らずゆっくりと自分の好き、似合うを自問自答しながら、服だけでなく物の所有量を見つめ直しています。待っててアンテプリマ!私のお部屋が整うその日まで。