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2年1か月と9日。

朝、珍しく、アラームが鳴る前に目が覚めた。いつもは少し早めにアラームを設定して、うだうだと二度寝を楽しむんだけど、今日は一度目が覚めた時点で眠気はこれっぽっちも残っていなかった。目覚めた瞬間からソワソワしていた。それくらい、早く来てほしいと思っていた日。それと同じくらい、怖くて仕方なかった日。『NEWSIES』の当落発表日だった。

朝から昼までのバイトを終えて、喉が詰まりそうになりながらお昼ご飯を食べて、スマホを手にした。14時に発表されるなんて誰も言っていないのに、13時55分から時計を見つめて早く14時になってと願う私と、14時永遠に来ないでと願う私と。まだ何も見ていないのに、既に半泣きだった。行ける日は全部申し込んだ。開けど開けど目に飛び込んでくる”落選”の文字たちの中で、たった一つ、”当選”と書かれた日程があった。竹取の翁もきっと竹藪の中で一つ光る竹を見つけたとき、こんな気分だったんだろうな。ほっとしたのか何なのか、涙が溢れて止まらなくなった。まだまだ油断の出来ない状況であることに変わりない。無事に幕が上がって、大千秋楽まで誰一人欠けることなく駆け抜けて、無事に幕が降りるまで、手放しには安心できない世の中。だけど、今日ばかりは、ほっと一息吐いてもいいかなって。そう思うくらい、今日まで長かった。ようやく、座長・京本大我に会える。

ニュージーズの主演を京本くんが務めることが発表されたのが、2019年7月11日だった。未だにTwitterの下書きには「ブロードウェイミュージカルの座長」というダイニングメッセージの様な殴り書きが残っている。まだエリザベートの上演中だったな。まだデビューはおろか、初のFNSへの出演も知る前だった(と思う)。当時の予定では、2020年5月、6月に上演予定。私にとって、ニュージーズは、2019年7月11日からずっと、遥か先にあるようで、いつも傍で私の原動力になってくれる”希望の光”だ。

10月の申し込み、11月の当落を経て、2020年初春、少し高いネイルとリップを買った。私の初めてのデパコスはニュージーズに捧げた。目を瞑ってブロードウェイ版のサントラを聴いては、京本くんが歌っている姿を思い浮かべていた。

2020年4月8日。全公演の中止が決まった。京本くんをはじめ皆さんがこの作品に向けて沢山準備していたのを見てきたから、この作品に掛ける思いを沢山教えてくれていたから。その分、辛くて悔しくて悲しくて眠れなかった。あんなに大好きで聞いていたサントラも暫く聴けなかった。FC枠の当選だったから、まだ手元にチケットが届いていなくて、フライヤーも取りに行けていなくて。絶対にそんなことないのに、私の中で、この作品が跡形もなく消えて行っちゃうような気がして怖くて堪らなかった。だけど、京本くんの方が私には想像もつかないくらい辛いはずなのに、毎日ブログやISLAND TVで笑わせてくれて、傍に感じさせてくれて、京本くんを好きになれたことが誇らしくて堪らなかった。(京本会TVもあったね、その節は大変お世話になりました。)

それから、1年と4ヵ月弱。2021年7月25日、この秋に上演されることが発表された日は、朝からTLも我が家もお祭り騒ぎだった。突然のお知らせに驚きも戸惑いも感動も喜びも入り混じった、不思議な感情で胸いっぱいになって、こんなご時世じゃなければ、みんなで集まって抱きしめ合いたかった。朝から不自然なくらいテンションが上がっていたせいで、昼過ぎには疲れ果てて寝てしまった。そのくらい嬉しくて幸せで堪らなかった。

最初の発表から今日までの日数を数えると2年1か月と9日だった。まだまだこれから挑戦は続く。2021年11月17日の大千秋楽、「今日まで長かったし悔しさも沢山味わったけど、その分、かけがえのない宝物になった」とここに書けますように。

(あと3日でまた同じハラハラを味わうことになるのか…。如恵留くんに大マウントを取られた話と、チョコケーキを食べ損ねたしめちゃんに心を痛めた話は、また今度。)