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きえないで。

ニュージーズの幕が無事に降りた。朝から昼までバイトで、午後は研究室からのフランス語の授業だったから、劇場には行けなかったけれど。綺麗に晴れた空を見上げて、「大千穐楽日和だな」なんて思いながら、サントラを聞いて鼻歌歌いながら、今日も一日乗り切った。

あんなにも「大千穐楽まで無事に駆け抜けられますように」と祈り続けていたのに、いざ終わってしまうと、‟おめでとう”と‟お疲れ様”と‟ありがとう”と‟寂しさ”が混じったような不思議な感覚。18時前、教室を移動するために研究室を出ると、もう外は真っ暗で「ああ、本当に終わっちゃったんだな。本当に終われたんだな。」って急に実感が沸いてきた。一昨年の発表から考えるととっても長かったはずなのに、始まってみるとあっという間だったようにも感じる。まだ終わってほしくない、なんて我儘言ってしまいそうなほど。でもこれは名残惜しさではなくて、何というか、まだまだあの舞台を観ていたい、あの世界に触れていたいって気持ち。

どんな言葉なら語り尽くせるかな。きっと語り尽くすなんて出来ないんだろうな。最後の観劇から5日経っても、未だに心の中は熱いまま。これは、観劇後にいつも思うことなんだけど、この興奮や感動をまるっとそのまま友達や家族にも共有できたらいいのにね。映像化されていないシーンの魅力も、細かな表現や演技や歌い方も、全部ぜんぶ言語化できたら、私もずっと覚えていられるのに。鮮明なまま記憶し続けられるのに。どうしても時間と共に色が薄くなっていく記憶に抗うように、パンフレットと半券とグッズのチャームを自然と目に入るところに置いて、暇さえあればサントラを聞いて、プロモーション動画を見て、ぽつぽつと感想を呟いている。私の中から、あの日感じた感動のすべてが消えないで欲しい。

こんなにも強く、深く、熱く、大きな想いを持った作品は、私にとって後にも先にも他にない、最初で最後かもしれないなって思えるほど。去年の中止から上演が決まるまでの悔しくて苦しい期間、あって良かったとはやっぱり言えないけれど、京本くんやキャストの皆さん、カンパニーの皆さん、私たち観客ひとりひとりが、あの期間抱き続けていた想いも含めて、『ニュージーズ 2021』なのかもしれないね。
本当に本当に、長い期間お疲れ様でした。大千穐楽おめでとうございました。こんなに素敵な時間と経験と感動をありがとうございました。またいつか、ニュージーズに会える日が来たらいいな。