6年前の明日

5年前の私に教えてあげたい。
あなたは怖かった犬と毎日一緒に寝ているよって。
可愛い我が家のワンコズをみているとよく思う。

6年前の今日は病室だった。
出産以外で初めての入院。
ほとんど誰にも言わずに。
病室で家にいる娘たちのことばかり考えていた。
当時、中3と高2の娘たち。
心配になるような環境だった。
私にとっては。

6年前の明日は月曜日だった。
TVの占いで大吉で
きっと大丈夫って思った。
朝からジュースみたいなの2本飲んだ。
歩いて手術室へ向かい、麻酔の説明。
注意が怖くて絶対動いたらあかんって思いながら挑んだ。
気がついたら名前を呼ばれて目が覚めた。
すごいね、麻酔。
全く知らない間に終わっていた。
私にとっての初めての大きな断捨離。
思ったより筋腫が大きくて時間がかかったそうだ。
待っていた実母と義母はとても心配したようだ。
目が覚めた瞬間は寒くて寒くて
ガタガタ震えた。
その姿を見て次女が不安で泣きそうだった。
夫は何故か写真を撮っていた。
次に目が覚めると長女が来ていた。
今度は暑くて暑くて、タオルを長女に取ってもらって汗を拭いてもらった。
薄い睡眠。目が覚めると寝付けない。
近くで命が途切れていく音が聞こえる。
看護師さんの患者さんを呼ぶ声、走る音。
私は生きている。
すご横で亡くなっていく人。
もう恐ろしくで恐ろしくて。
動けない動いてはいけないパニックも襲ってくる。
ナースコールが命綱。
何かの拍子に落としてしまい
またパニックに。
長い長い夜。
もしもし絶対ありませんように。
でもでも、もしもし娘がこんなことがあった時は
絶対一晩中付き添わせてくださいって頼もう。
こんな恐ろしい思いは絶対させたくない。
そんなことを思った。
やっと朝、やっと水が飲める。
もう喉がカラカラ。
やっとやっと朝。
こんなに朝が待ち遠しかったことはない。
6年前、とても長い1日だった。


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