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yukiwo
22. 余韻と予兆
翌朝。9時半頃起きたDは、濃く淹れた珈琲を飲んで、自宅に帰って行った。
帰って行く後ろ姿を、見送る。
なんだか、へんなきもち。
夫はまだ寝ている。
息子も出かけたがっているし、公園にでも行くか。
「サンドイッチつくって、ピクニックいこっか」
「わーい!ママだいすき」
「わーい!いこういこう」
色々と、心が疲れた昨日のことはひとまず忘れよう。
支度を済ませ、半目を開けた夫に息子と出かける旨を伝えて靴を履く。
あっ。
Dからのメッセージ。
「大変お世話になりました。ご迷惑おかけしてしまって…申し訳ありません。お詫びということではないのですが…今週水曜日、お時間ありますか。折り入って、お話したいことがあります」
折り入って?なんだろう…。
胸のざわつきを鎮めようと、わたしは急いで息子と手を繋いだ。