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最期まで

死ぬことは生きることだと、確信めいたものを持った時期がありました。
当時の私は20代前半で、ソーシャルワーカーとして働いていました。職業柄、多くの方の最期に立ち会わせていただく機会がありました。老若男女問わず、年齢を重ねて大往生された方、志半ばにして大病を患い旅立たれた方、余命宣告された方、難病や心身障がいを持つ子供たちなどのいろいろな最期がありました。
その方たちにかかわらせていただきながら、私ならどう死ぬだろうかと考えたり、死ぬならこう死にたいものだと願ったりもしたものです。身体はまだ生きられるのに、生きる意欲を失うと命が消えるのかもしれないと思い出したのもこの頃です。
あれから20年経ち、その中で私はいろいろな生き方を受けいれられるようになったと思います。今は、どんな死に方でもそれはそれでいいんじゃないかしらと思います。死ぬときには、どうあがこうとも自分の生き方そのものが出るようです。どんな死に方でも私らしくあれば、それはそれでいいのかもしれません。どうせなら、死ぬ間際まで、後味悪いくらいに生への執着を出してみてもいいのかもしれません。

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