月が見えない夜にふと思うこと
君は月みたいだ。闇が深ければ深いほど、ぼくには輝いて見えるのです。
かつて愛した人から、こんなことを言われたことがある。
えーっ、でも太陽の方がええやん。恒星やし。
なんて、照れ笑いしながら言ってみたけど。
時間が随分と経った今でも、こうやって一言一句違わずに覚えているってことは、それなりに嬉しかったんだと思う。
◆
いろんな言葉がある。
何気なくつぶやいた言葉が、相手の生き方に影響を及ぼすこともある。
当時は、今でもまだうまく語れないぐらい、闇深い生活をしていたんだけど。
彼からもらった言葉があったから、月みたいに輝く存在であるって信じてこれたんだと思う。
生きているうちに、誰かの心に残る言葉をいくつ紡げるか。歌えるか。
表現者としての真価を問いながら、今日も心に浮かんだ言葉を書きなぐっている。
誰かの喜びの記憶になればいいなと願いながら。
今日も思いをひたすら書きなぐっている。
◆
ふと、空を見上げる。
今日は曇ってるから、月は見えないや。
でも、月は見えなくても。
自分の中に輝くものがあるから。
それなら、ええやんって。
そう、思った。
筆者の自己紹介
所属サークル『エッセイのまち』
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