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鑑賞雑記「恋のいばら」

※ネタバレ含みます

「恋人同士では観ないでください」
と謳っていたこともあり
映画館の予告編で気になっていた作品、
「恋のいばら」。

リベンジポルノへの懸念から
彼に撮られた写真を
この世から消すことを目的に
全くタイプの違う元カノと今カノが
手を組むことから物語は展開していく。

ドロドロしてるのかと思ったけど
すごく軽いタッチで描かれていて
予告編で感じていた期待感に比べて
少し物足りなさは感じた。
でも、くすっと笑えるシーンや
リアルなセリフも多くて
終始、二人の主人公に
共感しながら観ることができた。

件の彼は
海外赴任の両親に代わって
認知症の祖母の面倒をみながら
実家で暮らしているフォトグラファー。

やさしくておばあちゃん子で
彼女の誕生日には
派手なサプライズをしたりするような
絵に描いたようなイケメンだ。

「撮りたくないものも仕事で撮っているから
 本当にきれいだと思うものを撮りたいんだ」

とか平気で言っちゃうような。

でも、そうやって甘い言葉で
自分を正当化して
彼女の体や寝顔を勝手に
撮っちゃうあたりがなんとも狡賢い。

「自分のことだけは徹底的に守る双子座」
っていう今カノのセリフが
彼の本質を物語っているようにも感じた。

そんな男が知らないうちに
二人の女達はタッグを組み
粛々と目的達成に向けて
連携していくわけなんだけど
なかなか彼の家のパソコンには
辿り着けない。

でも、その間にも
彼の不貞を裏付けるような
いろんな嘘や事実が
次々と露呈していくことに。
それと同時に、
「共犯関係」にある二人の友情と絆は
どんどん深まっていくのだ。

二人の女達の真意や真実が
見えたシーンでは
二人のことが愛おしくてたまらなくなった。
タイプの違う二人は離れ離れになった
ツインソウルなのかもしれない
とも思えた。

最後は
男にブーメランをお見舞いして
キャッチーに
全てを完結させるわけだけど
ちょっと美化されすぎな感も。
もっと打ちのめされればいいのにって
思うのは意地悪だろうか。

作品の至るところに散りばめられている
ガールズトークも
「わかるっ!」って感じで楽しくて。
個人的には、「双子座の男の人あるある」
のシーンはコミカルで笑えた。

男の人は一体どんな気持ちでこの作品を
観るのだろうっていう
想像を巡らせながらの98分。

女友達と飲みに行きたくなったのは
私だけじゃないはず。

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