クルーズ船の仕事🚢
みなさま、こんにちは。昨年の10月からクルーズ船に鍼灸師として勤務し、5月に帰国した者です🧚♀️今は渡米準備をしながら、仕事でクラフトビールを注いでいます🍺
私のことを知ってくださっている方なら「豪華客船鍼灸師を目指す鹿児島産鍼灸学生」としてSNSを頑張っていた頃をご存知だと思います。
そこで今回はクルーズ船鍼灸師のお仕事について紹介しようと思います。
(ここから先は私が経験した船(🇬🇧と🇺🇸)での話になります。船によって多少違うので1つの例としてお楽しみください。)
まずは船の基本情報
(🇬🇧)イギリス船籍、ゲストMAX1500-2000で地中海からアジアクルーズ 。治療室は2つ。3つ使うこともある。ちなみに処女航海が私と同じ誕生日の5月16日という親近感🚢。
(🇺🇸)アメリカ船籍、ゲストMAX700人でアジアクルーズ。治療室は1つ。
基本的に船での仕事は以下の通りです。
①スパツアー
これはスパで働くスタッフが行います。
鍼灸師によっては自分の施術部屋で待つパターンと自らツアーするパターンがあります。※ちなみに私は両船とも自らツアーする形でした。
船に乗船したゲストは初日にクルーズ船内を歩き、どこにレストランやショップ、ステージ、ゲストリレーション、スパがあるかなど散策をします。
(🇬🇧)スパの入り口に立ち「Welcome onboard! Let me show you around Ocean spa!」という感じで元気いっぱい声かけて、ビューティーセラピストの施術室をはじめ、ネイルサロン、ヘアサロン、マッサージトリートメントを順に紹介し、自分の鍼灸の部屋を紹介します。そして奥のジムまで案内したら後日行われるラッフル(抽選会)のチケットにルームナンバーを書いてもらい終了です。
(🇺🇸)スパの入り口に立ったりマネージャーとレセプション業務をします。この船は比較的、鍼灸に興味があるゲストが多かったで、どんどん当日からコンサルテーションをしたり自分の枠の予約をしていきます。そしてこの船はEmberk day (乗船日)に抽選会をしていたので、ゲストに抽選券を記入してもらって会場であるジムに案内していました。
②セミナー
会社から8つほどタイトルを言い渡されて、もうすでにスクリプトがあるものからないものまであります!私はスクリプトを全て覚えるのが苦手だったので必要な内容をピックアップして、会社のスライドを使い、自分の言葉で伝えていました。そしてスライドがない時はホワイトボードに絵を描きながら、スクリプト通りに進めて行ったりしていました。メインのセミナーは「鍼灸について、痛みについて、糖尿病について、東洋医学(漢方)について、免疫について」です。
③予約からコンサルテーション
(🇬🇧)スパ受付または自分のセミナー、ライブデモンストレーションで予約を受け、待合席でコンサルテーションフォームを記入してもらったのち、自分の施術室でコンサルです。新しい環境は場数を踏むしかないと思っているので、少しでも時間があったらロールプレイをするし、セミナーもたくさんメンバーに聞いてもらって発音を直したり、英語の言い回しを確認してもらっていました。
(🇺🇸)この船は比較的にセミナーにゲストが参加してくださったので、各セミナー、また偶然運が良かったのかゲスト自らレセプションで鍼灸を予約してもらいました。特に待合室等はなかったのでスパの数少ない椅子で書いてもらい、自室でコンサルです。
④治療
どちらの船でも私が治療した中で多かったのは痛み系です。他の豪華客船鍼灸師先輩の情報を見てもやっぱり膝痛、腰痛、坐骨神経痛は避けては通れない症状です。
(🇬🇧)印象深いゲストで1人重度の船酔いゲストがいました。初めてのクルーズなのに船酔いが酷くてずっと寝込んでいる旦那さん。酔い止めを飲んでもとメディカルインジェクションをしても効かない時に偶然、奥さんがプールデックでライブデモ中の私を見つけてきてくださいました。過去に先輩がブログで機序と治療法、予防法を載せてくださったので参考にさせていただきました。その結果とてもゲストは喜んでくれて、最終日には「みわのおかげで船酔いは防げそうだし、何かあれば鍼灸が助けてくれるから次のクルーズを予約したよ!」ってコメントをくれました☺️嬉しいですね。
他にも意外と多いのが不安症や不眠、SLE、コロナ後の慢性的な咳です。また乗船前に捻挫をして痛みと腫れが見られるゲストもいました。ただ当時の私は急性を治療したことがありません。なので元鍼灸師のマネージャーから聞いた方法を実践し、回数を重ねると結果かなり良い状態になり、そのゲストが他のゲストに「船の鍼灸師がすごい!!」って伝えてくださり、彼女からの口コミで4人ほど治療を受けてくださいました。また車椅子で慢性の腰痛のゲストは毎日治療を受けてくださり、後半になるにつれてどんどん症状が緩和されて、最終日は旦那さんと共に挨拶に来てくれたりしました🥲
(🇺🇸)短い期間の乗船でしたが、その中でも印象に残っているゲストは不眠と首肩が痛いという症状のゲストです。身体が痛くてうつ伏せになれない、鍼の刺入後の跡が嫌ということで、極力細い鍼を浅めに打ち、他は小児はりという刺さない鍼と耳鍼で対応したところ気に入ってくれてほぼ毎日来てくださり「次もこの船に帰ってきて欲しい。また受けたい。」と🥲
また治療は漢方も入るのでホームケアとして会社指定の漢方やオイル、ジェルなどもゲストに合わせて選びます。
どちらの船もゲストが下船する時にスパに顔を出して嬉しいコメントをくれたり、写真を撮りたい!って探してくれたり、、、。短期間しかゲストと関われないけど、これもまたクルーズ船鍼灸の魅力なのかもですね☺️
⑤ラッフル(スパの抽選会)※クルーズ日程で随時変更あり
(🇬🇧)最初のシーデー、もしくはエンバケーションデーの2日後あたりにプールデックで行います。MCがクルーズダイレクターで鍼灸師とフィットネストレーナー、メディスパドクターは必須で他のポジションは1人ずつコメントをします。そして抽選券が入っているボックスから数枚チケットを取り出し、バウチャーを当選者に渡すイベントです。
(🇺🇸)基本はエンバケーションかシーデーに行い、場所はジムでMCはスパマネージャーです。鍼灸師とビューティーセラピスト、フィットネストレーナーがそれぞれショートスピーチをして、チケットを選び、バウチャーを渡します。
⑤LPP (Ladies Pamper Party)美容系のイベント
内容はスパで販売している肌化粧品を元に肌ケアの正しいルーティーンを学ぼう!みたいな感じです。実際に試しに取り扱っているクリーム等を使いながらするので、ゲストはLPPが終わる頃には肌がPamperしています。
(🇬🇧)基本はビューティーセラピストがMCで進めるけど、2人目のマネージャーはゲストが15人超えたら私がするわ!任せて!って言ってくれていたので、スパメンバー全員でゲストへの呼びかけていました!笑。ショートスピーチをするのはメディスパドクター、鍼灸師、ホワイトニングテクニシャン、ネイルテクニシャンです。
(🇺🇸)あまり大きな変わりはなくMCがビューティーセラピストでショートスピーチは鍼灸師くらいです。そして直後にフィットネスがセミナーをするのでそのままゲストは参加していました。
⑥その他
この2つに加えて最初の船ではライブデモストレーション(LV)とスパの受付業務がありました。
LVとはシーデーにプールデックステージでデモンストレーションをします。MCのクルーズダイレクターとインテビュー形式で、鍼灸師とフィットネスが行います。「自己紹介をして、鍼とは何か、どんな効果、どの疾患が対応しているのか」をざっと話して、実際にクルーに2本鍼をします。そして最後にコンサルの説明をして終わります。フィットネスも自己紹介とジムクラスの説明をして、足跡から読み取る痛みの分析をデモして終わります。LV後は少し残って予約を取ったり、質疑応答タイムです。
私の頃はクルーズダイレクターが本当にいい人で、積極的に助けてくれたので毎回楽しくできました🫶
ざっと思い当たるメインの仕事はこんな感じで、もちろん船やスパ、イベント、鍼灸師によって違います。今回はあくまでも私の経験上でしかないので、もし豪華客船鍼灸師に興味がある方は先輩方のブログ等も参考にしてみてください🫶
これ以上書くとキリなくなってしまうので、今回はこのあたりで。あと少し船用の下書きがあるので年内に出して、終わります🐝
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます🐝もしも気になることがありましたら、気軽にSNSで連絡ください!では、はくなまたた!