2024年のFluとCOVIDの動向
昨年の今頃は、インフルエンザ流行が例年になく早く立ち上がり、感染者が増え続けていました。一方のCOVID-19は、夏場の流行が鎮静化していきました(図1)。
そこで今年の動向なのですが、全国レベルで見ると、2つのポイントが見えてきました。一つは、インフルエンザにおいて昨年のような早い立ち上がりは、今のところ見られていません(第38週、図1の①)。もう一つはCOVID-19においてですが、今年は昨年の第35週から36週に見られた流行の山(第38週、図1の②)が見当たらないのです。
ただ、これは全国レベルで見た話です。自治体別に見ていくと違った様相が見えてきます。例えば沖縄県です。
図2の左は、沖縄県のインフルエンザの流行を昨年と比較したものです。沖縄県は夏場の流行が定着していましたが、その流行規模はCOVID-19流行下で縮小していました。しかし今年は、第31週辺りで注意報レベルとされる定点当たり報告数10人を超えていました(図2の①)。その後いったんは減少したのですが、第35週辺りから増加に転じました。このまま増えて、秋の流行となる可能性は捨てきれません。
一方のCOVID-19の方はどうでしょうか。昨年は夏に、定点当たり50人に迫る、大きな流行のピークがありました。ところが今年は、やはり夏場の流行はありましたが、ピークは定点当たり30人と昨年より低くなっていました(図2の②)。また、昨年は第36週辺りにも流行の山があったのですが、今年はまだ見えていません(図2の③)。
インフルエンザの秋の流行は現在、沖縄県で目立っています。今後、ほかの地域にも広がっていくのか、注視したいと思います。また10月から、インフルエンザやCOVID-19のワクチン接種が始まります。個人的にはインフルエンザの流行の最中に、ワクチン接種にいくことは避けたいと思っています。最近は、診療とワクチン接種の時間帯を明確に分けている医療機関もありますから、あまり心配する必要はないかもしれません。
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