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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の動向

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の動向です。2024年は第20週(5/13~5/19) 現在で、891件の報告がありました(図)。

 なぜ増えているのか、感染源、感染経路、宿主の3つの視点で検討中です。いまのところ(1)原因菌である溶血性レンサ球菌が引き起こす溶連菌咽頭炎の患者数が増加している、(2)COVID-19対策緩和以降、接触機会が増大している、(3)高齢化が進展している、などが指摘されています。

 このうち増加に最も効いているのは、病原菌の1つであるA群溶血性レンサ球菌(GAS)の「UK系統株」ではないかと見られています。従来株より毒性が強く、伝播性も高い株です。関東地方で集積が確認されていることもあり、今後の注目点です。感染経路は飛沫感染、接触感染です。院内感染のリスクへの備えも欠かせない感染症です。

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