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STSS、868例から見える患者の特徴

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の動向です。2024年第19週までの感染症発生動向調査をもとに、患者の報告数、報告時死亡例、報告時の死亡割合を調べてみました。

 この間の報告総数は、週報告に遅れ報告を合わせて868例でした。毎週、30~65例の報告が続いています。トレンドとしては、希望的観測ですが、減少傾向にあるようにも見えます。

 報告時死亡例は計222例でした。こちらは週単位で、5~21例の幅があります。報告時死亡の割合で見ると、10週までは13~35%で推移していましたが、11週(14.3%)以降は徐々に増加傾向を強めているように見えます。18週には41.9%と、今年の最高値を記録しています。ただ、翌19週には33.3%と下がっていますので、今後も注視していきたいと思います。

図1 STSSの推移(報告数、報告時死亡、報告時死亡の割合)


図2 年齢・年齢階層別に見た報告数、報告時死亡、報告時死亡の割合

 図2は年齢・年齢階層別に見た報告数、報告時死亡、報告時死亡の割合です。ポイントは3つほどあります。1つ目は、60代以上の高齢層に患者が多いことです。ただし、60代以上が66.9%と多いのですが、50歳以下も33.1%と決して少なくありません。2つ目は、0歳10例、1歳・5歳・6歳、9歳が各1例、7歳3例、10代7例と、こどもたちにも患者が存在する点です。3つ目は、報告時死亡の割合が、60歳以上で高く、90歳以上では44.3%でした。ただし、20代、30代もそれぞれ18.2%、20.4%と高くなっています。

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