創業期のNPO経営者に、SVP東京の投資・協働プログラムを全力でお勧めしたい3つの理由
早いもので私がNPO法人e-Educationの代表になってから約5年が経ちました。
今は大好きな国、バングラデシュを拠点に活動しており、そんな挑戦をいつも応援してくれる支援者、そして仲間たちには感謝しかありません。
「仲間」
とても素敵な響きですが、NPOの活動初期から仲間に囲まれているなんてことは滅多にありません。NPO創業期に必要な仲間を集めるだけの余力、具体的に言ってしまえばお金がある団体は本当に少ないのです。
「お金」
そう、お金です。NPOの経営者はほぼ例外なく、この問題にぶつかります。ビジョンやミッションに共感して頂いた寄付はできる限り活動そのものに使いたい...でもそうすると給料に当てるお金はどうしたらいいのか?相談する人もおらず、時には大きな孤独と向き合うことになります。
「相談」
経営者は孤独だという話はよく聞きますが、実際に経営者になるまで独りになる実感はありませんでした。上司や先輩はおらず、全ての決定は自分次第。だからこそ、相談できる存在は本当に重要で、事業を前に進めるだけでなく、立ち止まる時にも大きな支えとなります。
「仲間」「お金」「相談」
創業期に必ずと言っていいほどぶつかる3つの課題。これらの課題を全て解決できる方法の一つが、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(SVP東京)の投資・協働プログラムであり、今回は私の実体験を元にお勧めしたい理由をご紹介します。
【お金】組織の成長のために使って良い、柔軟な応援資金200万円
SVP東京の投資・協働先に選ばれると、1団体あたり年間最大100万円の活動資金が提供されます。協働期間は最大2年間なので、200万円が上限ということになります。
これだけでも資金獲得に悩む創業期のNPOとしては、応募するのに十分な理由となるでしょう。ただ、使用用途が限定された助成金や他寄付提供プログラムの難しさを知っているのであれば、躊躇してしまう人もいるはず。
安心してください。SVP東京の資金提供の目的には、それが団体の成長にとって本当に必要であるかどうか。だから、組織力を強化することが不可欠であるなら、そのための人件費に全て充当することも可能です。
実際、私たちe-Educationも協働期間中に、初めて職員を採用することができ、その後事業が急成長しました。純粋に組織の成長のために活用できる資金の有り難さは今でも凄く感謝しており、組織の強化に悩む団体のNPO経営者はぜひとも応募を検討して欲しいです。
ちなみに、応援資金200万円に、返済義務は一切ありません。「投資」という言葉がついているので誤解されることもありますが、あくまで「実現したい未来への投資」であり、投資に応える方法は、自分たちの成長や社会を変えるスピードを上げることです。繰り返しますが、返済する必要は全くないのでご安心ください。
【相談】高い専門スキルに加えて、温かい心で経営サポートしてくれるパートナー制度
SVP東京のプログラムでもう一つ誤解されるポイントが「協働」について。単なる投資プログラムではないことが、SVPの特徴です。
先ほど投資・協働期間は最大2年間と紹介しましたが、2年間投資を受ける団体には、それぞれパートナーと呼ばれる方々が大体5〜10名ほど伴走者して協働してくれます。
パートナーはいわゆるプロボノに近い存在です。普段は他の仕事をされており、平日の夜や休日など、時間のある時に活動を手伝ってくれます...と簡単にまとめなくなく、パートナーはプロボノを遥かに凌駕した存在です。
まず大前提として、SVPのパートナーは年間10万円のお金をSVPの活動拠出金として払っている、つまり、協働先のNPOを応援するためにお金を出してくれています。先ほど最大200万円の応援金があると言いましたが、これはパートナーの人たちのお金でもあるのです。
それだけでも十分有難いことなのですが、パートナーの方々の熱量は本当に凄いです。団体によって、もしくはパートナーによって、多少のばらつきはあると思いますが、一度協働が始まると2年間、本当に全力で伴走してくれます。私たちを例にすると、最低でも月に1回パートナー全員との定例会議を、それ以外にも分野ごとのミーティングが月1〜4回程度開かれており、ほぼ毎週パートナーの誰かとミーティングをしていました。
ちなみに、パートナーは弁護士、公認会計士、コンサル、省庁等、様々な分野のプロフェッショナルの方が多く、専門スキルを持った方も多く、私たちのケースだとWEBでの広報活動に力を入れていたこともあり、WEBやSNSに長けたパートナーの方々が伴走してくれました。
こちらは、パートナーのお一人、加藤たけしさん(@takeshi_kato)の協働後の感想記事なのですが、協働の雰囲気がお分りいただけるかと思います。
そして繰り返しますが、SVPパートナー皆さんの凄さは熱量です。いくら専門知識や高度なスキルを持っていても、それがすぐにNPOの現場で役立つとは限りません。それでも高い熱量で2年間伴走してくれる、泥臭い作業も一緒になって手伝ってくれ、仕事のスキルとNPOの現場のギャップを埋めながら私たちの成長にコミットしてくれる人たちは、きっと日本全国探してもすぐ見つかることはないでしょう。
高い専門スキルに加えて、温かい心(熱量)で経営をサポートしてくれるのが、SVPのパートナー制度です。
【相談】経営者の孤独を受け止め、「大丈夫ですよ」と言ってくれる味方
「経営者に必要なのは、アクセルとブレーキのバランスだよ」
これは尊敬する先輩経営者から教えてもらった言葉なのですが、自分が経営者になってこの言葉の意味、難しさを痛感しました。
アクセルとブレキーキどちらも使うということは、右を見ながら左を向くようなものです。頑張りすぎると車が壊れたり首を痛めたりしますし、じゃあ力を抜いていいかというと、それでは変化が生まれません。
ここでも私たちを例にすると、私たちは「最高の授業を世界の果てまで届ける」というミッションを実現するために、活動国をどんどん増やし、協働開始時点で12ヶ国まで活動が広がっていました。一方で職員の数は0人。活動資金も底を付き、明日の生活さえ分からない状態の中で、経営者としてできることは活動国を減らすという決断でした。
いわゆる「選択と集中」の話です。難しい話ではありません。でも、心が邪魔するのです。頑張ってくれた仲間の活動を止めなくない、現地で生まれた一つ一つの夢を中途半端に終わらせたくない。自分のエゴだと言われればそれまでですが、簡単に捨てきれない譲れない想いが積もるほどありました。
悔しくて、苦しくて、経営者としての力不足を呪い、他の人へ経営を任せた方がいいのではないかと諦めそうになった時、パートナーの皆さんはいつも味方でいてくれました。
「三輪さんなら、きっと大丈夫ですよ」
この言葉がどれだけ嬉しかったか、うまく表現できないのですが、いつも味方でいてくれるパートナーの存在は経営者に成り立ての私にとって不可欠な存在でした。
経営サポートは、高い専門スキルや知識をもらうことだけではありません。時にはブレーキを踏んでもらったり、右だと思った時に左の可能性を示唆してもらうことも本当に大切です。
SVP東京の15周年イベントに登壇させていただいた時にもお伝えしましたが、アクセルを踏み続けて暴走しがちな自分の傍で、常にブレーキを踏んでくれるパートナーの方々がいてくれたのは本当に心強く、結果的に、優先的に取り組むべきことに絞って限られたリソースを投入することができました。
経営者の孤独を受け止め、「大丈夫ですよ」と言ってくれる味方、それがSVP東京の皆さんです。
最後に(協働先募集は3/31〆切です!)
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した、SVP東京の投資・協働プログラムの募集は年に一度しかなく、募集期間は今、〆切は3月31日の23:59です。
競争率は高いです。応募フォームも「セオリー・オブ・チェンジ」というフレームワークに沿って記入する必要があり、慣れない人もいるでしょう。でも、応募しなければ何も始まりません。打席に立たなければ、ホームランは決して打てないのです。
創業期のNPO経営者みなさん、自分を、組織を、そして世界を変えるチャンスが今目の前にあります。私はあの苦しくも楽しかった2年間に誓って、SVP東京の投資・協働プログラムを全力でお勧めします。
よかったら、ぜひご応募を。
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