セッションで重要なのは、「私自身のあり方」そのものだった
セッションにおいて、クライアントとの信頼関係はクライアントが成果を生むための基盤となります。
ところが、3年以上も継続してくださっている経営者XXさんとのセッションで、「もしかして信頼関係が失われている?」…と感じることがありました。結論から言うと、その後もXXさんとはクライアントとして良好な関係を継続していただけているのですが、この時のことを忘れたくないので残しておきたいと思います。
私がどのような想いでセッションに臨んでいるのかを知ってもらう機会になったらうれしいです。
セッションに影響していたものは…
メンターとのセッションで起きた私の気づきからお話させてください。
ある時、なかなかうまく進まない出来事について、何とはなしにメンターに話したことがありました。
するとメンターから、「それはつらいですね」と返ってきたんです。その一言に私は「えっ?」となり、すぐにハッとしました。私はそのことを「つらい」なんて感じていなかったんです。つらさをポジティブな言葉で表現し直すのでもなく、つらさそのものを感じていなかった。
だけど、「つらいですね」というメンターの言葉が私の心の奥にスーッと届いてくる不思議な感覚を覚えました。
自分は「もしかしたらつらさに鈍感になっているのでは」と気づいた瞬間でした。同時に、「これはクライアントとのセッションにも影響しているかもしれない」と思ったんです。
それから、私の「つらい」感情を探すために、自分自身の過去に向き合う時間をもちました。2007~2010年にかけては、私の人生でもっともつらい時期でした。思えば、その時期の乗り越え方がよくなかった。「たいしたことない」「もう大丈夫」「なるようにしかならない」「これからの人生を楽しむんだ」と、つらい現実にしっかり向き合うことをせずに無理矢理ふたをしてしまったんです。
似非(えせ)ポジティブ人間の誕生です。
そこからしばらくは、つらいことがあっても向き合うことをせず強制的にふたをしてやり過ごしてきたのでしょう。そのうち、ふたが必要ないくらい鈍感な状態になっていったんだと思います。
数日かけて、その頃の経験と感情にとことん向き合いました。それから、冒頭の経営者XXさんとのセッションを振り返りました。私はXXさんと向き合うことができていただろうか。ちゃんと寄り添えていただろうか…。答えは簡単です。
自分のつらさに気づけないのに、クライアントのつらさに気づけるはずがない。
XXさんの本当の心の内をちゃんと見ようとしていなかった。あらためて、セッションでの私自身のあり方を考え直しました。
本当の意味で「向き合う」ということ
こういったことも含めた私の経験やその時に感じたことが、クライアントの現在の状況と重なることがあります。私が何を感じどのようにして乗り越え、そこから何を学び取ったのか。これらのストーリーを通じて、クライアントはご自身の状況を投影し、客観視することができます。クライアントと私の共通の感情や言葉を紡いでいくことにもつながります。
セッションにおいて私が最も大切にしているのは、クライアントだけでなく「お互いに」心を開いて向き合うことです。それが、他の人には話しづらいことを「岩田さんには話せる」、そう思ってもらえる信頼関係を築くための鍵であると信じています。
「クライアントのために」という想いが独りよがりにならないように、本当の意味で共感し、寄り添っていく。セッションの成果は、クライアントが自分と向き合いながら課題解決や目標達成をしていくこと。
セッションでは言葉だけのやりとりではなく、その奥にある経験や感情に耳を傾ける。それをするためには、私が抱える感情や過去の経験とも正直に向き合わなければならないのです。
クライアントとの信頼関係を築くためにもっとも重要なのは、私が自分自身と真摯に向き合い続けるという「あり方」です。
今ではセッションの中で、クライアントと本音で向き合うことで信頼関係がより深まり、私の「あり方」とクライアントの「成果」が結びつくことがますます増えているのを実感しています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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