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27. 誰かに言われた大切な言葉

もう15年ほど前、社員40名ほどの中小企業で未経験ながら社会保険手続や給与計算を任されていました。

何も知らずに手続きや処理をして失敗ばかりしていたことが「社会保険労務士を取得したい」と思ったきっかけです。

受験勉強を始めた頃、60歳を目前に控え、定年再雇用で働き続けることを検討されている方から、年金について相談を受けました。

勉強したての「60代前半の在職老齢年金」の資料を見ながら、働き方によって定年後の年金がどう変動するのか説明しました。

その方が言って下さった

「ありがとう。助かったよ」

が、わたしにとって忘れられない大切な言葉です。

失敗ばかりのポンコツだったわたしが、初めて「ひとのために仕事ができた」と感じられた経験でした。

その後、何年かあと、その方が「あのときは本当に助かった」と繰り返しおっしゃっていたと、人づてに聞きました。

社会保険労務士を取得して開業してからは「在職老齢年金の説明」は比較的「定番」の業務になりました。

それでも、はじめの「ありがとう」の言葉が忘れられずに残っています。

その方がいなければ、今のわたしはいないかもしれないくらいの大切な言葉です。

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