![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84982198/rectangle_large_type_2_2555eae204a76adab8b9d8b7036e1d2e.png?width=1200)
「君とお風呂で食べるチョコレートアイスクリーム」/ Gene Shinozaki
先週、Gene 切り抜き【公認】CH から、こちらの動画が公開されました。
本日は、こちらの動画の解説をしていきたいと思います!
私もこの動画の字幕作成に携わらせていただいたので(詳しくはこちら)、字幕だけではわからない部分を、配信を見た人にも、そうでない人にもお伝えしたい! と勝手に思い、書いています。
まずはこの動画をご覧ください。
ハイ、すばらしい曲ですね✨
Gene の色香がダダ漏れで、とろけちゃいますね。
実はこの曲、即興で作られたんですよ。
しかも配信中に、チャットの人たちがランダムに入れる1~7までの番号を音符に置き換えて、それを元にコードを決め、メロディを決めて、曲を作っていくんです。
この回では、
「ジャンルは何がいい?」
「テンポはいくつ?」
「コードを作るための番号を入れて!」
「メロディーを作るための番号を入れて!」
「歌詞はどんなのにする?」(←切り抜き動画はここからスタート)
と、ひとつひとつチャットに尋ねながら、この曲を作り上げていきました。
そのさまをすべて見たい方は、この元動画(3:32:05~)を、ぜひ見てみてくださいね。
チャット欄を開き、それを見ながらこの動画を見ていただければ、本当にこの曲が即興で、その場で作られたのだということがわかると思います。
https://youtu.be/X_S0w_LczYs?t=12725
歌詞のキーワードをチャットから
(切り抜き動画 0:00~2:05頃)
Geneはまず、チャットに「お題をちょうだい」と呼びかけます。
それに応え、
"ふわふわな夜"
“アイスクリーム"
“蝶々”
“アゲハ蝶”
“チョコレート”
“ぽかぽか”(Geneは即座に "warmth" と訳しています)
“バスタイム”
といったキーワードがチャットに並びました。(この他にもいくつかありますが、ここでは歌詞に拾われたもののみ挙げました。)
チャットの回答が出てくるまで少しタイムラグがあるので、この間も Gene は美しいメロディを歌います。
キーワードから歌詞を作る
(切り抜き動画 2:05~3:44頃)
チャットからのキーワードをつなぎ合わせて、Gene は歌い始めます。
お風呂で食べる
チョコレートアイスクリーム
なんだかとても 温かい気持ち
おうちで過ごす こんな夜は
お風呂に入って
アイスを食べよう
チョコレートアイスクリームを
この時間を 君と過ごせたら
お風呂でたべる
アイスクリームの味
君を 呼ぼうかな?
ねえ どんな夜を過ごしてるの
こっちに来ない?
アイスクリームを分けてあげる
一緒にお風呂に入ろう
君のことを考えてるよ
とても複数の人がランダムに挙げたワードをつなぎ合わせて作ったようには聞こえませんね。
まるで元からあったような、甘い素敵なラブソング。
でも、歌詞の完成度が上がっていくのは、実はここからなのです。
僕のお腹の中のアゲハ蝶
(切り抜き動画 3:44~4:04頃)
ここでいよいよ“蝶" が登場です。
英語では、
Gives me butterflies in my stomach
と言っています。
(お風呂でアイスクリームを食べながら
君のことを考えていると)
まるでお腹の中に蝶がいるみたいだ
という意味ですね。
“butterflies in my stomach(お腹の中の蝶)" というのは、「不安」「緊張」「落ち着かない」といった気持ちをあらわす英語の慣用句です。
Gives me butterflies in my stomach
But in a good way
You know some way
この3行を、慣用句としてでなく、あえて直訳も含めつつこんな風に訳したあーやさん、天才ですね。。✨
僕の体の中を 蝶が飛んでるような
そんなソワソワする気持ち
でも悪い気分じゃないんだ
そして、最後に出てくるのが “アゲハ蝶" というキーワード。(※注)
Monarch butterflies in my belly
ここにいるのは綺麗なアゲハ蝶かな?
「お腹の中に蝶がいる」という、不安で落ち着かないような気持ちを、“アゲハ蝶" というワードを出すことで、それが美しいものであることが、みごとに表現されているのです✨
アイスクリームじゃない
(切り抜き動画 4:04~終わり)
「アイスクリームを分けてあげるよ だから遊びにおいで」と誘ったけれど
I swear it's not the ice cream
本当に欲しいのは アイスクリームじゃない
It's you It's you It's you
君なんだ 君なんだ
ここで「アイスクリームじゃないんだ、君なんだ」と、甘く切なく、ググっと引き込んできます。
そして、「君なんだ」とリフレインしながら、ここまでに出てきたアイスクリームや蝶にまつわるフレーズを、少しずつ変形させながら織り込んでいます。
甘く優しく、でも苦しいほどの切なさをリフレインで表現しながら、曲は静かに終わります。
終わりに
いかがでしたか?
👆ランダムリクエストから曲を作る
👆リクエストからキーワードをピックアップ
👆キーワードを含む慣用句の織り込みとその高度な応用
👆歌詞全体の構成を作る
👆ビートボックス、ピアノ、ギター、ベースの演奏
👆ループステーションの操作
👆歌唱
この全てを瞬時にやってのけ、まるで元から存在していたラブソングを歌うように、色っぽく歌い上げる。
これを天才と言わずして、なんと言ったらよいのでしょうか。
ビートボクサーとしてレジェンドといわれる Gene Shinozaki ですが、ビートボックス以外の要素も、本当に見るべきものが多いのです。
今回は、即興の歌詞の完成度の高さについてお話ししましたが、楽しんでいただけましたでしょうか。
私は初めてこれを聴いた日に、すでに「翻訳したい!」と言っていました。(このツイートは比較的あっさり書いていますが、この後もこの曲が大好きだ、とだいぶツイッターで騒ぎましたw)これが今年の3月。
あれからたった数ヶ月でこんな夢が叶うなんて✨ 本当にうれしいです!
これ、この曲やばかったね、時間あったら歌詞訳したい、これまでのLofi Friday の中でいちばん色っぽい😍✨
— Miwa T (@miwa_bbx) May 13, 2022
今週はお休みだから早く寝よー! https://t.co/2KTuSgywRN
今後も機会があれば Gene、Chris、SPIDERHORSE のすばらしさを伝える文章が書けたらなあと思います。
お読みいただきありがとうございました🥰
(※注) monarch butterfly について
monarch butterfly は、実際にはアゲハ蝶ではありません。日本名はオオカバマダラという蝶で、アゲハ蝶よりはオレンジ色がかった蝶です。でも、オオカバマダラと訳しても伝わりにくいこと、アメリカでは美しく大きな蝶といえばこの蝶ですが、日本では美しい大型の蝶といえばアゲハ蝶がイメージされることから、また歌のイメージを損なわないよう、ここでは「アゲハ蝶」と訳すこととしました。
💎💎💎💎💎
Lofi Fridays を見たいなあという方は、ツイッターかインスタで、SPIDERHORSE Team Japan をフォローするといいですよ👍
ここから直接配信にジャンプできますし、Gene の都合で時間が変更になったり配信がキャンセルになったりした場合も、ここから情報が発信されています。
Gene 切り抜き【公認】CH はこちらです。