奇跡と凋落
2023年9月9日、サッカーで再び奇跡が起きた。
日本代表がドイツ代表に勝ったのだ。
しかも4対1で。
続く9月12日、今度は前回対戦で負けているトルコに対して4対2で勝利した。
スペインの新聞が『今の日本に負けるのは恥でも何でもない』と書いたほどヨーロッパでは波紋が広がっている。
日本は着実に強くなっているのかもしれない。
一昔前までは考えられなかったヨーロッパの有名クラブでレギュラーが務まる選手が何人もいる。
タレントが揃っている今のうちに世界の強豪国の仲間入りをしておかないと世界の上位を狙うのがまた遠のくことになる。
最近では国内のJリーグを経ずに海外に挑戦する選手も多くなってきた。それほどに日本のレベルは高くなっているのだが、Jリーグでは一部暴徒化するサポーターの影響もありイマイチ盛り上がりに欠ける。
救いがあるとすれば、プロ野球セ・リーグでは阪神が18年振りにA.R.E.を成し遂げ、パ・リーグではオリックスが優勝にどんどん近付いている。これで現在J1首位のヴィッセル神戸が優勝すれば関西の盛り上がりは最高潮に達するだろう。経済効果も莫大なものになるはずだ。
話を戻そう。
まあ今回の勝利に日本代表には天晴れと言ってあげたいが、逆にドイツ代表の凋落ぶりには目を覆うばかりだ。
先日バスケットボールのワールドカップでドイツチームが世界一となったが、サッカー界でもドイツは有名な国で世界一になったことも何度かある。
サッカーにあまり興味がない方でもドイツが強豪国の一つであることはご存知かもしれない というくらいには有名だ。
だが直近のワールドカップでは1次リーグ敗退という不名誉な記録と記憶になっている。
というのも1次リーグで同組となった日本に負けたのが大きな要因となっていることは間違いないし、今回の対戦はドイツ側がリベンジのために望んだことだったようだ。
現在のFIFAランクではドイツが15位、日本は20位だ、トルコは41位だ。
出直しを迫られるドイツ代表は、監督の解任にまでいたった。
今までドイツ代表の監督はドイツ人しかいなかったが、新しい監督候補には前代未聞の他国の方の名も挙がっている。それほど追い詰められているということだろうか。
日本に苦手意識を持ってくれると有難いのだが、次の試合でFIFAランク2位のフランスには勝ったというのだからサッカーはおもしろい。
新しくドイツ代表のキャプテンとなったイルカイ・ギュンドアン氏は「我々は勘違いしているのかもしれない」と言った。
過去の戦績をそのまま今の自分たちが引き継いで、我々は強いんだと思い込んでいたということらしい。
ドイツ代表キャプテンとしては非常に重い言葉だが、我々も過去の栄光に縋ったり成功体験を拠り所としていないだろうか。
自戒の念としたい。